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テナントが 追加作成できない = 顛末と解決策

Last updated at Posted at 2024-01-10

ご報告

私が、以下の記事で紹介していた テナント の作成記事ですが、なんと 2023年11月初旬から「テナント管理」のメニューから 追加 でテナントが作成できなくなっていたことが判明しました。

この症状についての報告と、回避策について 案内したいと思います。

症状

以下の赤下線部のようなメッセージが出ていて、"Microsoft Entra ID" を選べません。
"Customers must own a paid license to create Microsoft Entra Workforce tenant."

(赤下線部の和訳)
お客様は、Microsoft Entra Workforce テナントを作成するには、有料ライセンスを所有している必要があります。

image.png

この状態で「構成」に進むことはできるのですが「作成」を行う際に「基本」タブに「未選択」項目があるとのチェックが入って、先へ進めません。

つい最近、Microsoft Entra テナントには、顧客 (Customer) という種類がプレビュー提供されました。これは、Azure AD B2C の後継となる機能のようです。
それに対して、通常の テナント のことを、従業員 (Workforce) を呼ぶようになったようです。
なので、Create Microsoft Entra Workforce tenant と言われて 何のことかと思ったのですが、顧客の方ではなくて、通常のテナントのことを指しているという事が理解できました。
(Microsoft Entra管理センターから見た、テナントの管理 画面)
image.png
ココでも、"従業員" がグレーアウトされていて、選べません。

Microsoft の説明(2023年10月の変更点)

どうも、以下のサイトで説明されているように "試用版サブスクリプション" からは、追加のテナントを作成できなくなった・・・という事らしいです。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/fundamentals/whats-new#october-2023
(抜粋)
image.png
(赤枠部分のテキスト)
お客様の組織をさらに保護するために、Microsoft では現在、この機能を有料のお客様のみに制限しています。 試用版サブスクリプションをお持ちのお客様は、Microsoft Entra 管理センターから追加のテナントを作成することはできません。

原因

私のテナントの場合は、以下の通り "試用版" 扱いのライセンスであり、費用を支払っているライセンスはありません。これが 原因 のようです。
image.png

Azure Portal で見ると、テナント のライセンス状態は、"Microsoft Entra ID P2" という表示にはなっているのですが、これは "Microsoft 365 E5 Developer 試用版" に内包された "Microsoft Entra ID P2 試用版" が テナントに適用されている状態なのだと考えられます。
image.png
※赤枠部分のライセンスは、実は 試用版 という事か!?
 それならば、そう表示してくれれば 分かりやすくはなると思いますね。

回避策1

テナントで、有償のライセンスを ちゃんと "購入" します。これでイケるはず。

"Microsoft 365 E5" の製品版 を契約しても良いと思うのですが コストが高いので、本事象の対策としてであれば、一番安価な "Azure AD Premium P1" の正規ライセンスを購入して適用することが、コスパの高い対処法になると思います。

なお、月額 750 円 ですが、年間契約となっているので、ご注意ください。
1ヵ月分だけだったら、人柱になっても良かったのですが、1年間 払い続けることを考えたら、割に合わないので辞めました。検証出来てはおらず、理論上の見解となりますが、ご容赦ください。

公開情報の説明が "試用版サブスクリプション" と書かれているので、Azure サブスクリプション のことかと誤解してしまいがちなのですが、そうではなく Microsoft365 のいずれかの正規ライセンスのことを指していると解釈できます。

以下の公開情報に、テナント で 正規版の Premium エディションを購入して適用するための説明が記載されています。

上記のページの一番 最下段に、ひっそりと ライセンスの適用を終えたら "テナントの作成" ができるって書かれていました。
image.png

回避策2

もうひとつ、回避策が示されています。
以下のように、Microsoft の クラウドサービスを無料サインアップすると、その際にテナントが自動的に払い出されるので。それを使ってしまおう・・・というものです。
サインアップする都度、新しい 電話番号+クレジットカード が必要になってしまいますが、無料で実施できる 回避策 となります。

  • Microsoft 365 Business Premium とか、Microsoft 365 Enterprise E3 などのサービスを無料サインアップすることで、テナントを得る。

  • Azure サブスクリプション の無料サインアップをすることで、テナントを得る

回避策3

以下より、Microsoft 365 開発者プログラム に参加して、テナントのサンドボックスを新規作成するようにします。ここからテナントが作成されるため、これも回避策となりえます。

image.png

同様の報告の数々

以下のメッセージで検索すると、同様の被害にあった方々の書き込みが 11月上旬から目立っているようですね。全然 気が付かなかった。
"Customers must own a paid license to create Microsoft Entra Workforce tenant."
(魚拓)
image.png

(代表的なリンク)

→ この記事の中の人も、私と同じく 試用版じゃなくて、正規の P1 ライセンスを適用するように言っていますね。

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