はじめに
2019年 に MCT を取得してから、孤独に MCT 特典を活用してきましたが、2022年と 2023年で 計3名、2024年には さらに 4名 が MCT となり、お仲間が増えました。
お仲間への説明用に MCT 特典の フル活用ができるよう 情報をまとめました。
それから、この記事を見て MCT を取得してみたいと感じる人もおられるかもしれませんので、そういった人にも参考にしていただければと思います。
【私の MCT 認定証明】
Microsoft 認定トレーナーについては、以下の公式サイトを参照ください。内容、特典、取得方法、申請、更新など、一通りの情報は記載されています。
MCT が 利用できる 特典 について
(公開情報)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/mct-certification#program-benefits
(上記サイトより抜粋)
上記の リンク先の PDF ファイル(赤線箇所)に記載はされているのですが、判りづらいと思ったので、以下にまとめてみました。
私が使ってみて、有効活用できた特典について(一覧)
一覧化してみました。詳細は、次章にて。
項目 | 種類 | 特典内容 |
---|---|---|
① 認定資格試験のディスカウント | Exam Discounts | 75% OFFで 受検できます。 |
② 個人用 Azureサブスクリクション | MCT Software & Services | 月額 約12,000円程度が毎月無料です。 ※為替変動がある気がします。 使い切ると 一時停止になりますが、翌月に再度有効化されます。 一時停止中も リソースは停止状態で維持されます。 MCT でいる間は、永続利用できると思われます。 ※クレジットカードを登録して 超過の部分を 従量課金で利用する事もできます(これを解除するときにはサポートへの依頼が必要でしたが💦 |
③ Microsoft 365 E5 Developer | MCT Software & Services | Microsoft 365 E5 Developer版が無料。テナント内の テスト用 25ユーザーに M365 E5 Developer のライセンスを適用可能です。3か月が期限なのですが、これが自動更新されるため、つまり MCTで居る間は永続的に無料で利用可能になります。 |
④ オンプレ製品の開発用プロダクトキー ISO イメージ |
MCT Software & Services | OS、Office、Server製品 などの MSDN 版ライセンスと ISO イメージを利用できます。 |
⑤ 検証用 Azureサブスクリプション | Azure Pass Progrum | 月額 $100 上限打ち切りで、30日期限のサブスクリプリョン。更新利用はできません(使い切り) しかし、使い切ったら 再度 申請すればすぐに発行されます。同時に2個は申請できないので、常に新規の1個を利用できる感じです。 |
⑥ トレーニング教材の入手 | Learning Download Center | MCT 自身が 講師として、MSの資格トレーニングを、受講者へ提供するためのナレッジや下地となる教材 |
2種類の Azure サブスクリプション の違い
MCT の 特典として 2 種類の Azure サブスクリプション があるため、特性を理解しておき うまく使い分けしましょう。
あとは、2つのサブスクリプションが無いと検証できないような場合には、組み合わせて使う事もできます。
2つの組み合わせ例:
サブスクを跨いだピアリング、サブスクを跨いだ S2S 接続、ExpressRoute を 別のサブスクに接続する、管理グループを操作、等々。
② 個人用 サブスクリプション (一般 + 無料枠) |
⑤ 検証用 サブスクリプション (Azure Pass) |
|
---|---|---|
特性 | 1つのサブスクを使い続ける | 使い捨て |
制限 | 1ヵ月 あたり 12,000円程度 |
$100 または 30日 |
上限に達すると | 一時停止 リソースは 停止状態で維持される |
即失効 リソースの一覧を見れる程度 |
一時停止の解除 | 翌月に解除 or クレカ課金設定で解除 | できない ※お金を払えば一般化できるのかもしれませんが、やった事がありません |
その他 | 失効されたあとは、即 再申請して 別の新しいサブスクを利用可能 |
私が使ってみて、活用できた特典について(詳細)
① 認定資格試験のディスカウント
以下のような 資格 のページから「試験のスケジュール設定」を行う際に、割引が自動適用されます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/exams/az-104/
(抜粋)
赤下線が割引額の表示です。75% OFF になっています。
なお、別途入手したバウチャーを使う場合は、緑の ① で削除して、定価に戻してから、② でバウチャーを適用する必要があります。
②~④ MCT Software & Services
サブスクリプションプログラム 有効状態 の確認
以下の Visual Studio サブスクリプション のサイトに、MCT 取得時 の Microsoft アカウントでサインインします。
https://visualstudio.microsoft.com/ja/subscriptions/
サインイン後に、以下の画面で「サブスクリプション」を選び、表示された サブスクリプションプログラム の中に「MCT Developer Software & Services」があることを確認します。
もし「MCT Developer Software & Services」が無い場合は、MCT サポートフォーラム 経由で相談してみてください。対応していただけます。
http://trainingsupport.microsoft.com/ja-jp/tcmct/forum
アクティブ化
以下の画面から、それぞれ アクティブ化 が可能です。
② 個人用 Azureサブスクリクション(緑枠)
③ Microsoft 365 E5 Developer(赤枠)
② 個人用 Azureサブスクリクション
Azure Portal にサインインすると、無料分の残りが通知欄に表示されます。
これを見ていると、毎月 最大でも 1万2千円くらいの残額から始まるので、
150 ドル分は貰えていない気がします。私だけなのかな?
実質的に 100 ドル分くらいなんじゃないかと思われます。
サブスクリプションのプランが MSDN であることが確認できます。
以下のように、無料で 毎月 使えています。
2022/5 は、特殊な事情があって 課金してでも対応させたいヤマがあったので、その時の痕跡です。
クレカ登録しない限り、勝手に課金されることは無いので、安心してください。
③ Microsoft 365 E5 Developer
Microsoft 365 E5 Developer をアクティブ化すると、以下のような画面が表示されます。
以下は、私が、緑枠部分の開発者サンドボックスを 作成済み の状態です。
ここで、「Start」を押すことで、開発者サンドボックス(開発用のテナント)を作成できます。
作成された テナント の M365管理センター に入ってみると。以下のライセンスが適用されている事が確認できます。期限は、3ヵ月になっていますが、MCT でいる限りは、自動更新されるため、このテナントを継続利用することができます。
④ オンプレ製品 の 開発用プロダクトキー & ISO イメージ
同じく、Visual Studio サブスクリプション のサイト上から、キーと ISO が入手できます。
ココで入手した ISO イメージは 製品版 (VLSC等) のキーでは使えない場合があるので注意。
逆に 製品版 (VLSC等) の ISO イメージに、MSDN のキーを入れてもダメな場合も有り。
ちゃんと、まざらないように 別々に管理しましょう。
プロダクトキー
ISO イメージ のダウンロード
⑤ 検証用 Azure サブスクリプション (Azure Pass)
「② 個人用 Azureサブスクリクション」とは別に、こちらも使えます。
サブスクリプション が、使い捨て型になるので、その特性を理解して活用しましょう。
ここ間違いやすい点なのですが、ここで提供される Azure Pass は、研修に参加する受講者用ではありません。
講師自身が 研修開催のために必要な 事前検証や デモ環境を作ること等が目的であり、他人への譲渡などは想定されていないようです。
1.申請
https://vouchers.westus.cloudapp.azure.com/AzurePass/
このページへ必要事項を記入して申請します。
ここで入力できるのは、MCT の情報だけです。
MCT 以外の情報からの申請は、認められません。
なぜか、COURCE NUMBER の選択肢には マイナーな資格しか出てこないのですが、いずれかを選択します。払い出される サブスクリプション に違いはありません。
2.バウチャーコードの入手
申請が終わると、メールでバウチャーコードが届きます。
普通は、すぐに届くのですが、たまに数時間遅れの時があったので、そういったこともあると覚悟ください。余裕を見て 申請しましょう。
3.認証
以下のサイトを開いて、MCT の Microsoft アカウントで認証します。
https://www.microsoftazurepass.com/
認証後に、以下の画面が開きます。氏名が MCT のユーザー、メールが バウチャーを申請した時の MCT のメールアドレスになっている事を確認します。
上記で良くあるトラブルですが、ブラウザに 違う MSアカウントでも 同時に サインイン されていると、違うアカウントを SSO で拾ってしまう事があります。それに気づかずに先へ進んでしまうと、そのアカウントに対して、バウチャーが割り当てられた事になるのですが、実際に それを利用する権限がないので、使う事ができません。しかも、バウチャーの期限 (30日) が過ぎるまで 待つ必要があります。これで1ヵ月棒に振った事があります。ご注意を!
以下の公式サイトも参照ください。
問題がなければ、そのまま サブスクリプション が サインアップされます。
Azure Portal にサインインすると、Azure Pass という名称の サブスクリプション を確認することができます。
このサブスクは、サブスク内のコスト表示機能では、消費量が判りません。
以下のサイトへサインインしてみることができます。
https://www.microsoftazuresponsorships.com
以下の画面を見る事で、$100 のうち どの程度残っているのかを確認できます。
なお、以下の場合は、"Sponsorship is not active." になっているので、使い切る前に 30日の期限切れになったパターンです。
⑥ トレーニング教材の入手
以下のサイトから ダウンロード できます。
https://learningdownloadcenter.microsoft.com/
注意点
これについては、あまり使い勝手は良くない印象です。
※記事のタイトルが「私が使ってみて、有効活用できた MCT の特典 について」になってますが、有効活用とまでは言えないかもしれないです💦
まずは、左下で Japanese を選んでから、目的の 教材を探すと良いかなぁと思います。
例えば、「Azure」を選んでみると・・・
以下のような感じで AZ-900 , AZ-104 , AZ-400 , AZ-204 の教材などが並んでいる事が確認できます。
AZ-204 で表示されているように 6つのファイルで1セットとなっているようです。
- AssessmentGuide.pdf
- Change-Log.pdf
- CourseDatasheet.pdf
- EducatorTeachingGuide.pdf
- PowerPoint.zip
- TrainerPrepGuide.pdf
そのため、AZ-900 , AZ-104 や AZ-400 のように 2つのファイルしかない場合は、英語版の方で読めないファイルを補って読む必要があります。
PowerPoint.zip は、主に 生徒に配布するための教材の元ネタ(テンプレートとして使える)
→ ただし、実際に講義に使うためには自分なりに検証して根拠を得ておかないと、ppt だけでは進められない・・・というか しゃべれない とは思います。
TrainerPrepGuide.pdf は、講師向けに 研修開催時に必要なタイムチャートや 関連する MS Learn 教材へのリンク などが記載されています。
応用編
Azure Pass は、有効期限が切れると無効化されて、リソースが使えなくなります。
そうなってしまった時の対処策の記事を書きました。参考にしてみてください。
弊社の @atsmin77 さんが、② 個人用 Azureサブスクリクション と ③ Microsoft 365 E5 Developer を紐づけて利用する方法を説明してくれています。
これをやると、テナントと Azure が紐づいていないと検証できないモノが 検証できるようになりますよ~。
よろしければ ちょっと宣伝を・・・
Azure や Microsoft 365 を 初期から始める人向けのコンテンツを Qiita 記事化しています。
これらの記事を活用いただき 初心者の人へ教える際に、活用いただければと思います。
スタート地点を低めに設定しつつ、ゴールまでの流れを 外部サイトに頼ることなく説明できるようにすることを心掛けて製作しております。
私の記事を、直接開いて 人に教える際に活用頂くのは良いですが、外部へエクスポートしたり、キャプチャなどを行って、転用することはお控えください。