1.はじめに
Db2 LUW(Linux,Unix and Windows版)の最新バージョン・リリースはDb2 11.5ですが、細かく見るとDb2 11.5.x.xと4つの番号が付いています。
現時点(2023/03)の最新版は、Db2 11.5.8.0になっています。
2.数字の位置と意味:VV.RR.MM.FF
この4つの番号ですが、Db2 Fixpackのダウンロードサイトを見ると、Db2 11.5では、Db2 11.5.8.0が最新であることがわかります。
画像)Download Db2 Fix Packs by version for DB2 for Linux, UNIX and Windowsより
数字の位置は、VV.RR.MM.FFを示しています。
- 現在のDb2 V11.5.8の場合、
- Version(バージョン):11
- Release(リリース):5
- Modification(モディフィケーション):8
- Fixpack(フィックスパック):0
参考)Db2 11.5マニュアルの記述
「モディフィケーション・パック」
Db2® 4 部構成の製品シグニチャーの形式は、 VV.RR.MM.FF です。ここで、
VV はバージョン番号です。
RR はリリース番号です。
MM はモディフィケーション番号です。
FF はフィックスパック番号です。
モディフィケーション番号 (モディフィケーションパックとも呼ばれる) は、新しい重要なフィーチャーを示すために使用されます。
Db2 のFixpackが、
Db2 11.5.7.0 から Db2 11.5.8.0 に、3番目のモディフィケーション番号が7→8へ上がっているということは、11.5.8.0には11.5.7.0にはない新機能が含まれることを意味します。
最後の4番目のフィックスパック番号のみが、今後上がった場合は(例:Db2 11.5.8.0 → Db2 11.5.8.1と、今後リリースされた場合)、
新機能は含まれず、bux fix等の修正のみが含まれることを意味することになります。
Db2 11.5.8公開のお知らせ
現在のDb2の最新バージョン・リリースは、V11.5.8.0で、2022年12月にリリースされており、IBM Supportサイトに以下のお知せが出ています。
-Db2 V11.5 Mod 8 (11.5.8) 公開のお知らせ
Db2 V11.5.8に含まれる主な新機能や変更点の要約がまとめられているので、インストール前にチェックすると便利です。
「公開のお知らせ」をチェックした上で、さらに深掘りが必要な部分は、Db2マニュアルの「新機能」「変更点」をチェックしますが、Db2 11.5.7からの主な追加点・新機能としては、以下があると思います。
Db2 11.5.8から)
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サポートOSの追加として、Windows 11がある
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pureScale機能拡張
- Db2 pureScaleがAWSでセルフマネージド・サービス(EC2のIaaS)として使用できるようになった(OSは、RHEL および SLES)
- Db2 pureScaleのPower 10サポート(OSは、AIX および RHEL)
- Db2 pureScale on RHEL 8.6 on IBM z15 のサポート
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Pacemaker機能拡張
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クラスター・マネージャーとしての相互フェイルオーバーをデプロイできるようになった。
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※補足)
- Db2 11.5には、HAソフトウェア(クラスター・マネージャー)として、PacemakerがDb2(Linux版)のインストール・イメージに組み込まれています。
- Db2 11.5.7までは、ディスクを二重化するHADR構成のためにPacemakerを使うことができましたが、Db2 11.5.8からは、それに加えて、いわゆるディスク引き継ぎのHA構成もDb2組み込みのPacemakerでサポートされるようになりました。
- Db2 11.5.8からは、Pacemakerと同じくHAソフトウェアである、Linux環境下のTSA(Tivoli Systems Automation マルチプラットフォーム)は、非推奨のバンドルソフトウェアとなりました。
- 今後、新規で構築する場合、Db2にバンドルされるHAソフトウェアとしては、TSAではなくPacemakerを利用することが、お薦めとなります。
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Db2 11.5 マニュアルの参照ページ
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これらの、Db2 V11.5.8 の新機能の詳細は、以下のIBM Documentation該当ページに記載されています。
- 日本語: Db2 11.5.8 の新機能
- 英語: What's new in Db2 11.5.8
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その他のDb2 V11.5.8の変更点の詳細については、以下のIBM Documentation該当ページに記載されています。
参考:Db2 11.5 マニュアルのトップページ
- 日本語
- 英語
- https://www.ibm.com/docs/en/db2/11.5
- 最新情報は英語で更新されていますので英語で確認するのがお薦めです
参考:Db2 11.5 システム要件
稼働環境の前提要件等の確認はこちらでおこないます(英語)