はじめに
近年様々な業務システムがクラウドに移行しています。各業務に特化した便利なクラウドサービスが多数提供されており、kintone以外にも3つ、4つのクラウドサービスを並用している企業も少なくありません。
このような状況下で発生する次なる課題が、利用しているクラウドサービス間のデータ連携です。
別のサービスで収集した顧客データを、kintone内のアプリに自動登録したい。
kintone内のデータを利用して別のサービスでデータ分析を行いたい。
など…
今回はこのようなケースが発生した際に活用できる、「kintoneと他のクラウドサービス間のデータ連携」の手法についてまとめました。
データ連携の手法について
方法① : kintoneのAPIを使用する
エンジニアの方が真っ先に思いつく手法といえば、API連携ではないでしょうか。kintoneにもAPIが用意されています。kintoneと連携したいシステムが自身で手を加える事ができるシステムであれば、APIによる連携が可能です。
メリット
・kintoneのAPIを使用して自由度の高いデータ連携が可能である。
・リアルタイムかつ安定したデータ連携が可能である。
デメリット
・システムの改修が発生するため、導入コストが大きくなる。
・連携したいシステムに手を加える事ができない場合は利用できない。
方法② : iPaaSを利用する
近年クラウドサービス間のデータ連携ツールとしてHOTなのがiPaaSです。iPaaSとは「Integration Platform as a Service」の略で、様々なクラウドサービス間でデータ連携を可能にするクラウドサービスです。
ほとんどのiPaaSサービスがkintoneとの連携に対応しており、連携したいクラウドサービスがiPaaSに登録されていれば、iPaaSを用いたデータ連携が可能になります。
※参考イメージはintegromatのエディタ画面
メリット
・自動化実現までが早い。
・エンジニアの経験が無くても構築できる。
・リアルタイムかつ安定したデータ連携が可能である。
デメリット
・2021年12月現在、主要なiPaaSは日本語に対応していない。
・連携したいクラウドサービスがiPaaSに登録されていない場合は利用できない。
主なiPaaS製品
integromat
https://www.integromat.com/
無料プランでも十分な自動化フローを構築できます。他のiPaaSに比べて自由度が高く、柔軟なフローを構築できます。初めに使ってみるiPaaSとしてもおすすめです。
Zapier
https://zapier.com/
多数のビジネス向けクラウドサービスに対応しているため、企業での導入が多いiPaaSです。
IFTTT
https://ifttt.com/
有名な音声サービスやチャットシステムに対応しており、プライベート用途での利用が多いiPaaSです。
方法③ : クラウド型RPAを使用する
もう1つデータ連携の分野で注目を集めているのがクラウド型RPAです。RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、単純作業をロボットで自動化する事を指します。画面からのコピー&ペーストや連携用ファイルのダウンロード、アップロード作業などをロボットに任せる事で、データ連携を実現する事ができます。中でもクラウド型RPAはブラウザ上で行う操作を自動化する事に特化したRPAサービスです。
※参考イメージはCloud BOTのエディタ画面
メリット
・自動化実現までが早い。
・エンジニアの経験が無くても構築できる。
・APIなどを持たないサービスでも連携する事ができる。
デメリット
・定期実行によるデータ連携が基本になるため、上記2つの方法と比較するとリアルタイム性が落ちる。
・サービス画面のレイアウトなどが変わると、ロボットが動かなくなる事がある。
主なクラウド型RPA製品
Cloud BOT (クラウド・ボット)
https://www.c-bot.pro/
無料プランがあります。非エンジニアでも簡単にロボットを作成し、運用できるようになっていますので、初めに使ってみるRPAサービスとしてもおすすめです。
BizteX cobit (ビズテックス・コビット)
https://service.biztex.co.jp/
充実したサポート体制で、導入支援からロボットの作成、運用開始までをしっかりサポートしてくれます。
Robotic Crowd (ロボティック・クラウド)
https://www.roboticcrowd.com/
初心者の方でもブラウザから簡単にワークフローを構築する事ができるようになっています。
#さいごに
最後までお読み頂きありがとうございます。今後は時間やコストをかけずにノーコードでデータ連携を実現する方法としてiPaaSやクラウド型RPAへの注目がさらに高まる事が予想されます。
kintoneとの連携はもちろんの事、クラウドサービス間のデータ連携が必要になった際の手段として、皆様のご参考になれば幸いです。