VirtualBox上の仮想マシンにPhoton OSをインストールする
Photon OSはコンテナ環境稼働に特化したOSであり、公式でGCEやEC2への対応を謳っています。
今回は開発環境として利用することを想定し、Photon OSをVirtualBox上にインストールします。
前提環境
- Windows10 64bit
- VirtualBox 5.1.16
- Photon OS 1.0 R2
構築手順
- Photon OSのISOイメージをダウンロードする
- VirtualBox上に仮想マシンを定義する
- 仮想マシンにPhoton OSをインストールする
- Photon OSの設定を行う
1. Photon OSのISOイメージをダウンロードする
Photon OS公式サイトまたはPhoton OS ダウンロードページから**Photon OS, Version 1.0 — Full ISO(or Full ISO)**をダウンロードします。(今回ダウンロードしたファイルは photon-1.0-13c08b6.iso)
2. VirtualBox上に仮想マシンを定義する
まずVirtualBoxを起動します。
次に**新規(N)**ボタンを押して仮想マシンの定義を作成します。
- 名前とオペレーティングシステム
- 名前(N):
- 任意の名前を付ける。今回はphotonとします
- タイプ(T):
- Linuxを選択します
- バージョン(V):
- Linux 2.6 / 3.x / 4.x (64bit) を選択します
- 名前(N):
- メモリーサイズ(M)
- 2048 MB
- この値はホストPCに実搭載されているメモリ量と相談して決めてください
- Photon OSの公式では「1GB以上を推奨」となっています
- 2048 MB
- ハードディスク
- 仮想ハードディスクを作成する(C)
定義を入力したら作成ボタンを押して作成します。
次に仮想HDDの設定を行います。
- ファイルの場所
- photon
- デフォルト値として入力されているはずです
- photon
- ファイルサイズ
- 40.00GB
- この値はホストPCに実搭載されているHDD/SSDの空き容量と相談して決めてください
- Photon OSの公式では「20GB以上を推奨」となっています
- 40.00GB
- ハードディスクのファイルタイプ(T)
- VDI(VirtualBox Disk Image)
- このパラメーターに関しては任意の物で問題ないと思われますが、標準の物を使った方がトラブルが起きにくいでしょう
- VDI(VirtualBox Disk Image)
- 物理ハードディスクにあるストレージ
- 可変サイズ(D)
- このパラメーターも任意の物で構いませんが、可変サイズとすることで容量を節約できます
- 可変サイズ(D)
定義を入力したら作成ボタンを押して作成します。
これでPhoton OSをインストールするための仮想マシンphotonが作成されました。
インストールに入る前に、仮想マシンphotonの調整を行います。
- システム
- 起動順序
- フロッピーのチェックを外す
- フロッピーディスクを使う予定はありませんので外してしまいましょう
- フロッピーのチェックを外す
- ポインティングデバイス
- PS/2 マウス
- サーバー用のOSですので、デバイスドライバーとの兼ね合いから、枯れた技術の方がよいでしょう
- PS/2 マウス
- 起動順序
-
ストレージ
- 属性
- 光学ドライブ
- ここで右側のディスクのアイコンをクリックして先ほどダウンロードしたPhoton OSのISOイメージをマウントしておきます
- 光学ドライブ
- 属性
- オーディオ
- オーディオの有効化のチェックを外す
- つけたままでも問題はありません
- オーディオの有効化のチェックを外す
-
ネットワーク
- アダプター1
- ネットワークアダプターを有効化(E)にチェックが入っていることを確認します
- 割り当て(A)
- NAT
- アダプター2
- ネットワークアダプターを有効化(E)にチェックを入れます
- 割り当て(A)
- ホストオンリーアダプター
- アダプター1
設定が済んだらOKボタンを押して仮想マシンの定義を反映します。
3. 仮想マシンにPhoton OSをインストールする
- インストール画面が出てきますのでそのままエンターキーを押して先へ進みます
- ライセンス条項が表示されますのでAcceptを選択してエンターキーを押します
- インストール先が表示されますのでここもエンターキーを押して先へ進みます
- 確認が表示されますのでYESを選択してエンターキーを押します
- しばらくHDDチェックが行われ、インストールタイプの選択画面になります
-
- Photon Full を選択してエンターキーを押します
-
- ホスト名を入力してエンターキーを押します
- 今回は開発機なので変更せず進めます
- Rootのパスワードを入力してエンターキーを押します
- 堅固なパスワードが要求されますので、8文字以上で記号を含むようなものにすれば大丈夫でしょう
- 辞書チェックが行われますので、辞書に載っている単語が含まれていると拒否されます
- 辞書チェックに引っかかるパスワードであっても、インストール後にpasswdコマンドを使う事で設定できます
- 確認のためにRootのパスワードを再度入力してエンターキーを押します
- インストール処理が行われますのでしばらく待ちます
- インストールが完了すると再起動を促すメッセージが表示されます
- ここでISOイメージを取り外します
- キーボードの右側のCtrlキーを押して制御を仮想マシンからホストマシンに戻します
- メニューバーのデバイスから光学ドライブへ進み、仮想ドライブからディスクを除去をクリックします
- **強制除去しますか?**と表示された場合はそのまま強制除去を実施します
- キーボードの適当なキーを押して再起動します
- 再起動しない場合は、メニューバーの仮想マシンからリセットをクリックします
- ここでISOイメージを取り外します
- 再起動後にPhoton OSのスクリーンが表示されれば成功です
4. Photon OSの設定を行う
ここではSSHログインの設定とネットワークの設定を行います。
4.1 SSHログインの設定
Photon OSではデフォルトでRootのSSHログインは許可されていません。
そこで、SSHの設定を変更し、Rootでログインできるようにします。
RootでSSHログインできるようにしておくことは大変危険なので、開発環境だけに留めるようにしたほうがよいでしょう。
-
nano /etc/ssh/sshd_config とキーインしてエンターキーを押します
- アンダーバーは日本語キーボードの場合Shiftキーを押しながら=(= - ほ)のキーで入力できます
- キーボードの↓キーを押して一番下までスクロールします
- PermitRootLogin no と書いてあるところを探します
- 設定を変更します
- PermitRootLogin no となっているところをPermitRootLogin yes に変更します
- noを消してyesに書き換えます
- PermitRootLogin no となっているところをPermitRootLogin yes に変更します
- Ctrlキーを押しながらO(オー)キーを押します
- 確認メッセージが出るのでエンターキーを押します
- Ctrlキーを押しながらXキーを押します
- systemctl restart sshd とキーインしてエンターキーを押します
4.2 ネットワークの設定
-
networkctl とキーインしてエンターキーを押します
- 以下のようになっていると想定して進めます
- eht0がroutable configured
- eth1がdegraded configuring
- 以下のようになっていると想定して進めます
-
nano /etc/systemd/network/10-dhcp-en.network とキーインしてエンターキーを押します
- [Match]の下にあるName=e*をName=eth0に変更します
- Ctrlキーを押しながらO(オー)キーを押します
- 確認メッセージが出るのでエンターキーを押します
- Ctrlキーを押しながらXキーを押します
-
nano /etc/systemd/network/10-static-en.network とキーインしてエンターキーを押します
- 以下の内容をキーインします
[Match]
Name=eth1
[Network]
-
Address=192.168.1.100
- =はキーボードの(~ ^ へ)のキーで入力できます
- [はキーボードの(@)のキーで入力できます
- ]はキーボードの[のキーで入力できます
- 192.168.1.100は試験用ネットワークですので環境に合わせて変更してください
- Ctrlキーを押しながらO(オー)キーを押します
- 確認メッセージが出るのでエンターキーを押します
- Ctrlキーを押しながらXキーを押します
- 以下の内容をキーインします
- chmod 644 /etc/systemd/network/10-static-en.network とキーインしてエンターキーを押します
- systemctl restart systemd-networkd とキーインしてエンターキーを押します
-
networkctl とキーインしてエンターキーを押します
- 以下のようになっていれば成功です
- eth0がroutable configured
- eth1がroutable configured
- 以下のようになっていれば成功です
4.3 SSHでログインできるか確認する
-
ssh 192.168.1.100 とキーインします
- 確認メッセージが表示されるので yes とキーインしてエンターキーを押します
- パスワードを聞かれるのでRootのパスワードを入力します
- ログインに成功すれば設定は正常に出来ています
- exitとキーインしてエンターキーを押します
5. シャットダウン
- poweroffとキーインしてエンターキーを押します
雑記
極力漏れが無いように確認しながら作成しましたが、漏れないようにするのは意外と難しいものです。
スクリーンショットなど取り忘れたところもあるので、いずれその辺りをアップデートするかもしれません。
またセキュリティ関連の設定を行っていないため、開発用の環境と言えど若干よろしくないところもあります。
この辺りは追々作っていければと思います。