pepperはAndroid端末の夢を見るか。
…と書いてますがAndroidでpepperを動かすとかいう話ではないです。
そういうのはこことかこことかを参照してください。
そういったテック的な話ではなくて
pepperを使ってみて「こんなの胸のタブレットを使えばいいじゃん」と言われた話とか
この胸のタブレット**させるのに邪魔だよねとかそういった軽い話です。
ちなみに胸のタブレットはAndroidです。
pepper App challengeに参加した時に言われた一言
色んな人が色んなアプリを作成していました。pepperアトリエとかハッカソンとかで…
そんな中、メンターの一人が言いました。
「こんなの胸のタブレットを使えばいいじゃん。ただのサイネージ台じゃないのだからpepperらしいものを作ったほうがいいよ。」と…
更にそれに対応してどこからか聞こえてきました。「タブレットに頼るのは甘え。」
確かにそれは一理あるかもしれません。
近年大型液晶サイネージは価格が下がってきましたし、そこにUnityとかで人型3Dモデルを動かせば目立ちます。実際そのようなサイネージコンテンツも増えてきました。
機器や画面をガードするのはpepperのようなリアルロボット(RPAやバーチャル3Dモデルと区別するためあえてそう呼びます)より容易です。
それでも、pepperを使ってみたい。
何故かpepperにはそう思わせる何かがあります。それは…
・人間の実物大より若干小さい絶妙なサイズ感
それでも子供には大きくて脅威に映る年頃もあるようですが、大抵の子供はpepperを好意的に捉えるようです。(所感)
・性別不詳の絶妙な声とボディデザイン
そのため逆に性別的役割をつけるときに困ることもありますが。(体感)
・頭頂部と両手の甲に触感センサがある
他にもありますが、気軽に使って違和感のないものはこれらかと考えます。(個人の意見です)
・気軽に使える・開発できる環境
pepperアトリエはもう何年も運営されています。
そして色々言いたいこともありますがノンプログラミングで動かせるChoregrapheはとても価値があります。
どんなコンテンツを作ればpepperらしいと思えるのか。
それを考える際に、pepperの制限も考えなくてはいけないでしょう。
・人間の腕=pepperの腕、ではない
よく見てみればわかりますがpepperは関節が人間のそれよりも少ないです。
デザインが良いため一見誤解しがちですが、わかりやすいところは手首が回転軸しかありません。
そのため手を垂直に構えるのは不可能です。
HGではない放映当時の古いガ〇プラを使うと、pepperのアクションを考えるときに役に立ちます。膝から下は縛ってください。
また、胸のタブレットが邪魔をするので拍手や手を合わせることはできません。
・pepperはWi-fiでプログラム転送や操作ができるが、電波干渉しやすい
何もpepperだけではありませんが、現代社会ではWi-fiの電波が多くWi-fiルータが家庭用と同じ性能だと接続可能数を超えることがあります。
pepperと操作開発するPCだけでも2台です。スマホやらRaspberryPiやらESP32やらをルータに繋ぐとどんどん増えます。
特に何台も同時に使用するときは気を付けてください。動作が微妙な時は後頭部下のカバーを外してLANケーブルを繋ぎましょう。
・pepperも疲れる…ような動きをする
バッテリーは満充電すればそれなりにはもちますが、それよりボディに隠れているサーボモータなどが熱を帯びやすいです。
pepperは賢いので一定以上の温度になると停止するようになっています。その仕草やボイスもまた可愛いのですが実働中はそうも言ってられません。
ポーズをつけているだけでもサーボモータに負荷がかかっているので、それを考えてコンテンツを作成しなくてはいけません。
・見た目に反して耳の部分にスピーカ、頭頂部にマイクがある
デザインがいいため人間と同様つい耳の部分に声をかけがちですが、頭頂部に話しかけるほうが会話しやすいです。でも結構異様な光景ですよね…
その代わり、pepperの声はとても周囲に広がります。
以上を踏まえて、pepperに適したコンテンツとは…
・ 一回15~20分程度
・ 途中で動作が止まっても致命的な結果にならない
・ 腕や視線移動、胴体の動きは必須だが、正確な入力を必要とする際にはタブレットを使用する
・ 音声でのユーザからの応答は失敗すること前提で考える 応答はタブレットも併用できるようにすることでコンテンツがスムーズに進む
ただしpepper側からの発声はタブレットに表示してはならない(→タブレット画面にくぎ付けになってしまう)
・ 頭頂部を触るのはオペレータや店員などユーザ以外の人物に制限したほうが良い 人気のある子供には頭頂部は手が届かない
これらを考えると、個人的に考えるpepper活用法は…
子供を中心とした遊び相手コンテンツや、店舗・イベントの客寄せ・声かけなどと考えられます。
…でも、それらに縛られずに限界を超えてみるのも良いかもしれません。苦手な「物をつかむ」は何人もの人が挑戦し一定の結果を得ています。指サックにあたるちょっとした器具は必要ですし軽いものに限られますが…
よいpepper開発を!