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base44を使ったプロトタイプ開発の良し悪し

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最近Base44を使う機会があったので、実際に使ってみてその良し悪しについてまとめます。
私自身普段はClaude Codeをメインに使い開発をしており、CursroやCodex,似たようなツールだとBoltなどはよく使うことがあるため、それらとの比較です。

ちなみに、やや批判的な意見が多いです。
2025年10月現在の内容のため、少ししたら色々と改善されているかもしれません。

Base44とは?特徴

いわゆるバイブコーディングツールで、自然言語で指示を書いてコーディングができます。

DBや認証も全てBase44側で管理ができ、フロントエンドだけではなくバックエンドの実装もできるところが特徴です。

個人開発で始まり、Wixが買収をしたそうでそこが特に注目をされたポイントのようです。

良いところ

DBも認証もすぐに使える

Googleログインの設定もすぐにできて、かつハリボテのサイトではなくDBを使用したサイトを作ることができます。
1つの指示でDBまで適当に作ってくれるので、超短期的には初速が速いです。

運用がシンプル

上記の話の延長ですが、Supabaseの設定をする必要がなかったりと、とにかく何も設定しなくてもすぐに使えます。そしてBase44内で完結しているため、間違えてDBを公開してしまうといったリスクもありません。
後で悪いところで書きますが、リリースをするという概念もないのでシステムの開発や運用をしたことがない人にとっては難しい概念が出てこないように思います。

アプリ自体を公開するかどうか、ログインを必須にするかどうかなどもチェックボックス一つで切り替えられます。

デザインのクセが少ない

好みの問題かもしれませんが、AIで作った感じが少ない気がしました。良くも悪くも特徴のないシンプルなデザインなイメージです。
Boltをよく使って何度もデザインを作らせていると、色の使い方やアイコンを多用してくる感じなど、AIっぽさを感じることが多かったのですがそれがなかったです。

モデルはいくつか選べるし対応は早い

Sonnet4.5もすぐに使えるようになりました。GPT-5, Gemini 2.5 Proも使えます。
ただし、あまりsystemプロンプトが良くないのか分かりませんが、そこまで良い感じはしないです。CursorとかClaude Codeで同じモデル使った方が個人的には満足感が高いです。

悪いところ

リリースの概念がない

日本語で指示を書いて開発をしてくれますが、毎回自動でリリースされています。
コードの変更後に毎回 apply... のような表示がされ、それが完了すると実際に反映がされます。

テストをする前に自動でリリースされてしまうので、急に動かなくなってしまうリスクがあります。
特にDBの定義変更も一気に行われてしまうので、かなりリスクが高い印象です。

運用観点でいくと詳細なログも見れないので、ユーザーに長く安全に使ってもらうプロダクトを作るのことは難しい印象です。

開発が思ったより遅い

先ほどのリリースの続きですが、毎回リリースが走ってしまうので1回の指示が完了するまでが遅いです。
この前時間を測ったら、ちょっとしたデザイン修正を投げただけで1分40秒ほどかかりました。

同時に複数の指示を投げられるわけでもないので、かなり待ち時間が長いです。また、DBやバックエンドもまとめて対応はしてくれるものの、対応範囲が広い分処理も遅く漏れも多い印象です。
漏れがあるたびに修正 → リリース → 確認 → 修正 → リリース というサイクルは高速で修正を回すには体験がかなり悪いです。

DBありがデメリットになるケースも

認証とDBも含まれているツールなのですが、色々とまとめて出来るのは良さそうな感じがしますよね。
初速はめちゃくちゃ早いです。1リクエストでDBも作ってくれて認証もできてそれっぽい画面もできます。

しかし、プロトタイプを作るという観点で行くと、何度も変更を加えるはずです。
その際にちゃんと設計されていないDBが残り、それをベースに変更を加えていくことになります。

特にこれから新しいものを作るという場合には、まだチーム(ステークホルダーとの間)で作るもののイメージも共有できていないかもしれません。
その際の認識合わせにはDBなどは不要で、画面だけを先に作り切ってしまう方が良いはずです。

本当にDBが必要なのか?という観点はBase44を採用する上では重要です。
DBなしで良いならBoltとかの方が早いです。

他サービスについて

BoltでもDBなどが使えるようになっている

昔はReactで画面だけ作ってくれて、Supabaseと組み合わせるという方法でした。
最近はBoltの中でDBが使えるようなので、これによりBase44の優位性というか特徴はかなり弱まったように感じます。

似たような問題はどちらもあると思うのですが、プロダクトの成熟度としては圧倒的にBoltの方が高いです。
処理の速さもそうですが、プランモードもありますし、Stripeとの連携などもスムーズです。

エンジニア観点でいくと、Boltの方がその後コードをダウンロードしてそのままローカルで開発をする前提で進められます。使うツールやバージョンなどの指定もできます。

その点Base44は、コード自体の確認はできるものの、package.jsonがあるわけではなく、どのバージョンなのかも良くわかりません。

エンジニアがチームにいるならどうするのが良いか

個人的に、今から開発をするとしたら流れとしては下記のケースが多いです。

  1. Boltなどで画面だけのプロトタイプを先に作りチームで認識を合わせる
  2. プロトタイプをベースにディスカッションをして細かい仕様を詰める
  3. プロトタイプは捨ててエンジニアが開発をする

最近の開発では、エンジニアでも日本語で指示を書いて開発をさせています。
Base44だと日本語で全部作れる、すごい!と判断してしまうのは間違いで、それはもはや今の時代のスタンダードです。
昔のシステム開発とBase44を比較してしまうと判断を間違えるので、Base44との比較は今のシステム開発と比較をしましょう。

Base44を導入しても良さそうなケース

ここまでやや批判的な意見を多く書いてしまったので、こんなケースなら導入しても良いのでは?ということも書いてみます。

個人開発で何か作りたい

これはなんでも良いと思うのでありです。特にすぐに何か動くものを作ってみたいという人は良いと思いますし、DBも使いたいけどSupabaseの設定ミスなどが怖いなどであればBase44はアリなんじゃないでしょうか。

チームにエンジニアがいないけどDBも含めて作りたい、検証したい

これも長く運用をするものでなければありだと思います。カンファレンスの時に動くプロトタイプを持っていきたいとか。

社内で使うもの

社内で使うツールにBase44がOK出るのかわかりませんが。リリースの問題などは回避しやすいですし。

補足

Wixに買収されたことによって開発スピードが上がり色々と改善されるかもしれません。

redditやdiscordでの情報共有は盛んなので、興味ある人は使ってみてください。

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