0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

使っているAI共通のナレッジ基盤を立ち上げた話〜Obsidian原本×シンボリックリンクで複数AI(Claude / Cursor / Antigravity / ChatGPT)を完全同期する〜

0
Posted at

以前の記事で、自分の文体を学習させようと「僕氏LLM」を作ってみたものの、モデル自体のファインチューニングはトーンや精度の調整が難しく、一旦ステイ(保留)にしたという話をしました。

一方で、日々のメディア運営(カゴシマニアックス)やWeb制作、クライアントワーク(地場企業や医療機関のWeb集客伴走)では、Claude、Cursor、Google Antigravity、ChatGPTという4つのAIを用途に合わせてフル稼働させています。

しかし、ここで大きな課題にぶつかりました。
**「AIごとに前提条件、トーン&マナー、ローカルルールを教え直すのが超絶めんどくさい」**ということです。

「Claudeにはあの設定を入れたけど、Cursorには入っていない」「ChatGPTの壁打ちとClaudeの執筆で文脈がズレる」……。

そこで今回、私が日常的に情報管理している Obsidian Vault を「Single Source of Truth(唯一の信頼できる情報源)」 と位置づけ、全AIが共通で参照するマスターナレッジ基盤を構築しました。

さらに、Macのシンボリックリンクを活用することで、**「Obsidian側を書き換えたら、全AIに0秒で自動同期される仕組み」**を実装しました。その設計と運用の全貌をご紹介します。


1. 構築した共通ナレッジ基盤のファイル構成

原本(Master)は、日常的に使っているObsidian Vault内に配置しました。

配置先:~/Documents/Obsidian Vault/AI共通用ナレッジ/

役割ごとに以下の7つのMarkdownファイルに分割・構造化しています。

ファイル名 役割と内容
profile.md 自己紹介・ペルソナ定義
・人物像、保有資格(上級ウェブ解析士、上級SNSマネージャー、PRプランナー等)
・自社メディア(BtoC)とクライアントワーク(BtoB)の2大事業ポートフォリオ
・ネット草創期からの原点、愛用ギア(MacBook、iPad、Anker製品等)
domain.md 鹿児島特化ドメイン知識
・詳細な地理感覚(中央駅、天文館、騎射場、名山町、谷山、姶良、霧島等)
・交通事情(桜島・垂水フェリーうどん、超マイカー社会・駐車場情報の絶対性)
・商業施設・生活文化(桜島の降灰・克灰袋、鳥刺し文化、ラーメン屋の大根漬物)
references.md 黄金お手本記事 & ビジネスコミュニケーション見本
・過去記事5,500本から抽出した実食レポ、催事、リリース速報の黄金構成
・僕氏ならではのパワーワード集(「茶色い天国」「エルドラド」等)
・クライアント向け改修報告・定例MTG調整メール見本
ng-rules.md NGルール & AI臭完全排除規約
・禁止フレーズ(「いかがでしたでしょうか」「魅力に迫ります」等の完全排除)
・医療広告ガイドライン(YMYL)や景表法の遵守ルール
・Markdownの太字アスタリスク生出力防止、1〜2行テンポのリズム規定
strategy.md メディアSEO & クライアントワーク伴走戦略
・月120本(1日4本)配信のポートフォリオ設計
・親記事(ピラー)と子記事(取材)のトピッククラスター内部リンク構造
・医療・不用品回収・飲食など業種別のWeb集客勝ち筋
CLAUDE.md Claude Projects / Claude Code用エントリーポイント
・3大モード(僕氏モード/編集部モード/プロマーケターモード)の自動切替定義
AGENTS.md Antigravity / Cursor用マスター定義
・4大AIエコシステムの役割分担、100点満点ルーブリックによる品質クロスレビュー基準

2. シンボリックリンクで「0秒自動同期」する技術的仕組み

この仕組みの最大のポイントは、**「AIごとに設定ファイルをコピペしない」**ことです。コピペした瞬間、ナレッジの二重管理が発生し、いずれ形骸化して破綻します。

そこで、Macのファイルシステム上で、各AIの参照先からObsidian Vault原本へ**シンボリックリンク(ln -s)**を張りました。

実際の自動配備スクリプトの例

開発ワークスペース(mainkagoshimaniaxhakko等)に対して、以下のリンクを一括配備しました。

# Claude Code用
ln -s "/Users/.../Obsidian Vault/AI共通用ナレッジ/CLAUDE.md" ./CLAUDE.md

# Cursor用(レガシー互換および新仕様mdc)
ln -s "/Users/.../Obsidian Vault/AI共通用ナレッジ/AGENTS.md" ./.cursorrules

# Antigravity用
ln -s "/Users/.../Obsidian Vault/AI共通用ナレッジ/AGENTS.md" ./AGENTS.md
ln -s "/Users/.../Obsidian Vault/AI共通用ナレッジ/AGENTS.md" ./GEMINI.md

# エディタから一発でナレッジ群を開くためのフォルダリンク
ln -s "/Users/.../Obsidian Vault/AI共通用ナレッジ" ./ai-knowledge

この設定のおかげで、

  • Obsidianで新店情報やNGワードを1行追記する
  • その瞬間、CursorもClaude CodeもAntigravityも最新の前提条件を読み込んで動作する

という、完全な「Single Source of Truth」が完成しました。


3. 過去ブログ6,600本(カゴシマニアックス5,524記事+個人ブログ1,141記事)の全データを注入

ナレッジの精度を極限まで高めるため、これまでに私が書いてきた全ブログのデータを洗い出し、文体と語彙を徹底解析して注入しました。

その結果、AIが書く文章にありがちな「よそよそしい解説文」が完全に消滅しました。

① 2大フォーマットの厳格な分離

  • 取材・実食記事(僕氏スタイル):
    • 冒頭:必ず「どうも、僕です◯┓」(お辞儀の顔文字 ◯┓ がトレードマーク)から入る。
    • 本文:1〜2行で刻むテンポの良い短文。「〜だぞ」「〜なのだ」「くいてぇなぁ」「茶色い天国である」。
    • 結び:必ず「そいじゃあまた!」で締める。
  • PR TIMES・プレスリリース速報記事:
    • 冒頭:「みなさんこんにちは、カゴシマニアックス編集部です。」で入り、客観的で読みやすい報道トーンを保つ。

② クライアントワーク(BtoB)への自動切り替え

中園信吾はメディア運営だけでなく、医療機関(はやかわクリニック様)や地域サービス(不用品回収のリサイクル八光様)などのWebマーケティング伴走支援も手掛けています。

そのため、クライアント向け業務の指示が入った際は、**「プロマーケターモード」**として、GA4やSearch Consoleの定量データを根拠にした誠実・丁寧なビジネス敬語(です・ます調)へ自動で切り替わるよう設計しました。もちろん医療広告ガイドライン等の法令遵守規約も埋め込んでいます。


4. ナレッジを日々育てる「自律育成プロトコル(inbox.md)」

共通ナレッジは「作って完成」ではありません。新しいお店ができたり、SEOの新しい勝ちパターンを発見したりと、日々アップデートされてこそ価値があります。

そこで、ナレッジフォルダ内に inbox.md という受け皿ノートを用意しました。

  • 移動中や日常のブラウジングで見つけた新店舗のURLや取材メモを、Obsidianの inbox.md にポイポイ放り込んでおく。
  • AIがそのメモを自動的に解析し、domain.md(エリア・店舗情報)や references.md(お手本・事例)の適切な位置へ自動でマージ・昇華してくれるプロトコルをプロンプトに組み込みました。
  • また、チャット上で「この記事、ナレッジに追加しておいて」とURLを投げるだけでも、AIが勝手にマスターファイルを更新してくれます。

まとめ:LLMを作るより「共通ナレッジ×シンボリックリンク」が圧倒的に実用的だった

かつて「自分の分身となる特化型LLMを作ろう」と奮闘したことがありましたが、個人やスモールチームの実務においては、**「既存の賢いAIたちに、共通の高品質なMarkdownナレッジを読ませる」**アプローチの方が、圧倒的に低コスト・高精度・メンテナンスフリーでした。

  • 原本は Obsidian で快適に管理
  • 開発系AI(Cursor, Claude Code, Antigravity)はシンボリックリンクで0秒同期
  • チャット系AI(Claude Projects, ChatGPT)はクラウドナレッジで同期

月1万円台の下位プラン布陣でも、知能の「共通マスター」を持たせることで、あたかも専属の優秀なチームが阿吽の呼吸で動いてくれるような環境が整いました。

複数AIの使い分けや、プロンプトの二重管理に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

そいじゃあまた!

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?