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DWHとは?分析基盤の全体像を理解する ~Snowflake・dbt・Power BIで実現するモダンDWH~(第1回)

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Last updated at Posted at 2026-08-21

はじめに

データ活用が進む中で、Power BIやTableauなどのBIツールを導入する企業は増えています。
しかし、BIツールを導入しただけですぐにデータ活用がうまくいくわけではありません。
例えば、次のような課題に心当たりはないでしょうか。

  • システムごとにデータが分散している
  • 同じ売上なのに部署によって数字が違う
  • 毎回Excelでデータを加工している
  • レポート作成に何時間もかかる
  • データ量が増え、分析に時間がかかる

このような課題を解決するために重要な役割を果たすのが DWH(Data Warehouse) です。

私は現在、Snowflake・dbt・Power BI を組み合わせた分析基盤の構築に携わっています。

本シリーズでは、実際のプロジェクトで得た知見も交えながら、DWHの設計から実装、BI連携、運用までを紹介していきます。

この記事では、その第一歩として 「DWHとは何か」「なぜ必要なのか」 を解説します。

DWHとは?

DWH(Data Warehouse)は、一言でいうと「分析に利用するためのデータを集約・蓄積する場所」です。
業務システムには、それぞれ目的の異なるデータが保存されています。

  • 販売管理システム
  • 顧客管理システム(CRM)
  • 会計システム
  • 在庫管理システム
  • Webアクセスログ

これらのシステムは日々の業務を支えるために設計されており、分析を目的としているわけではありません。
そのため、複数のシステムを横断した分析を行う場合は、必要なデータを集約し、分析しやすい形に整理する必要があります。
その役割を担うのがDWHです。

イメージすると、次のような構成になります。

image.png

DWHがあることで、分析に必要なデータを一元的に管理できるようになります。

なぜDWHが必要なのか

例えば、会社の月次売上を確認するとします。

営業部での売上計上:1,000万円
経理部での売上計上:980万円
マーケティング部での売上計上:1,050万円

同じ「売上」を見ているはずなのに、数字が違うという経験はありませんか。
原因として考えられるのは、

  • 集計対象期間が違う
  • キャンセルデータの扱いが違う
  • 税込み・税抜きが混在している
  • データ更新タイミングが異なる

などです。

このように、それぞれが独自に集計してしまうと、「どの数字が正しいのか」が分からなくなります。
DWHでは、集計ルールを統一し、全員が同じデータを参照できる環境を整えます。
これにより、「信頼できるデータ」をもとに意思決定ができるようになります。

DWHだけでは完成しない

DWHという言葉を聞くと、「データを保存する場所」と考えがちですが、実際の分析基盤はもう少し広い範囲で構成されます。

一般的な構成は次のようになります。

業務システム
      │
      ▼
 ETL / ELT
      │
      ▼
 Data Warehouse
      │
      ▼
 Data Mart
      │
      ▼
 Power BI

それぞれの役割を簡単に紹介します。

ETL(Extract → Transform → Load) / ELT(Extract → Load → Transform)

各システムからデータを取得し、分析可能な形に変換して取り込みます。
従来は取り込み前に加工する「ETL」が主流でしたが、近年ではSnowflakeなどのクラウドDWHの性能向上に伴い、データをそのままDWHに取り込んでからDWH上で加工・変換する「ELT」が採用されるケースも増えています。

Data Warehouse

分析に必要なデータを統合・蓄積する場所です。
履歴管理やデータ品質の担保なども重要な役割になります。

Data Mart

利用目的ごとに最適化したデータです。
例えば

  • 売上分析
  • 顧客分析
    など、BIツールが利用しやすい形に整理します。

BIツール

Power BIやTableauなどからData Martを参照し、

  • ダッシュボード
  • レポート
  • KPI

などを作成します。

最近のDWHでよく使われる技術

近年の分析基盤では、クラウドサービスを組み合わせるケースが一般的です。
例えば、以下のようなサービスが使われています。

分野 代表的なサービス
DWH Snowflake、BigQuery、Amazon Redshift
ELT dbt、Fivetran、Matillion
BI Power BI、Tableau、Looker
オーケストレーション Airflow、Azure Data Factory、Dagster

それぞれに特徴がありますが、本シリーズでは私が実務で扱っている Snowflake・dbt・Power BI を中心に解説していきます。

このシリーズで扱う内容(予定)

今後は、以下のテーマを予定しています。

内容
第1回 DWHとは?分析基盤の全体像
第2回 DWH設計(レイヤー構成・データモデリング)
第3回 Snowflakeを利用したDWH構築
第4回 dbtによるELT実装
第5回 Data Mart設計
第6回 Power BIとの連携
第7回 パフォーマンス改善
第8回 運用・監視・データ品質

単なる製品紹介ではなく、

  • なぜその設計にしたのか
  • どのような課題があったのか
  • どのように改善したのか

といった実務で得た知見も交えながら紹介する予定です。

まとめ

今回は、DWHの役割と分析基盤全体の構成について紹介しました。
DWHは単なるデータベースではなく、組織全体で共通のデータを活用するための基盤です。
分析の精度やスピードは、この基盤の設計に大きく左右されます。
次回は、実際にDWHを設計する際に重要となるレイヤー構成データモデリングの考え方について詳しく解説します。

おわりに

この記事が「DWHって何だろう?」という疑問を持つ方の第一歩になれば幸いです。
次回も、実務で役立つ知識をわかりやすくお届けします。

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