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PlanetscaleからTiDB Serverlessにデータを移行する

Last updated at Posted at 2024-03-07

はじめに

PlanetscaleのHobbyプランが4月8日に終了することが発表されました。

TiDB Serverless は、同じくMySQL互換のサーバレスデータベースで、クレジットカード不要で無料枠があります。 移行先として是非利用を検討してみてください。

PlanetscaleからTiDB Serverlessへのデータ移行方法について紹介していきます。

移行手段

TiDBもMySQL互換のため、基本的にはMySQLツール群、SQLが利用できますが、移行に関しては二点考慮点があります。

Planetscaleはsqlでのデータ出力に10万行の制限があります。このため、このデータ量を超える場合は単純なmysqldump & mysqlimportでの移行はできません。

TiDB Serverlessは現時点でMySQL 5.7互換のv7.1.1です。そのため、Planetscaleの標準COLLATIONのutf8mb4_0900_ai_ci に対応していません。

この記事では、これらを考慮した移行方法をご紹介したいと思います。利用環境はMacOSを想定していますが、Bash/Zshコンソールが利用出来る環境であれば同じ手順で移行できると思います。

前提条件

  • Bash/Zshが利用できること
  • pscale CLI がインストール済みであること
  • MySQL clientがインストール済みであること

移行手順

データのエクスポート

データのエクスポートには、pscale cliを利用します。pscale database dump [db] [branch] です。

> pscale database dump testdb2 main
Starting to dump all tables from database testdb2 to folder /Users/bohnen/.../pscale_dump_testdb2_main_20240307_164703
Dumping is finished! (elapsed time: 6.782051792s)

今回は700MBくらいのデータを利用しましたが、10万行の制限を超えていても問題なくダウンロードできています。

データは、新しく作成されたディレクトリの中に、スキーマファイルとデータファイルの形でエクスポートされています。

> ls
metadata 
testdb2.history-schema.sql
testdb2.new_order.00001.sql
testdb2.stock-schema.sql
...

基本的にはこのsqlを順次実行すれば、データ移行は完了します。

スキーマの変更

TiDB Serverlessではまだutf8mb4_0900_ai_ciに対応していないので、一律変換します。

TiDB Dedicatedで提供されている最新のLTS, v7.5.1ではutf8mb4_0900_ai_ciはサポートされています。詳細は公式Docを参照してください。

cd [exportしたディレクトリ]
for f in *-schema.sql; do sed -i -e  's/0900_ai_ci/bin/' $f; done;

データベースの作成

TiDB Serverlessクラスタを起動しておきます。
TiDBに接続して、データのインポート先であるデータベーススキーマを作成しておきます。

TiDB Serverlessが初めての方は、こちらの入門記事をご覧ください

Chat2Queryで作成してもよし、MySQL clientで接続してもよいです。

CREATE DATABASE [データベース名];

テーブルの作成

schema.sql を流していきます。TiDB Serverlessへ MySQL clientで接続していきます。

for f in *-schema.sql; 
do mysql --comments -u [user] -h gateway01.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.com -P 4000 -D [database] --ssl-mode=VERIFY_IDENTITY --ssl-ca=/etc/ssl/cert.pem -p[password] < $f ; 
done;

※実際は一行ですが見やすさのために改行しています。[user][password][database]はご自身のものをご利用ください。

データのインポート

同様に、00001.sql を流していきます。

for f in *[0-9].sql; 
do mysql --comments -u [user] -h gateway01.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.com -P 4000 -D [database] --ssl-mode=VERIFY_IDENTITY --ssl-ca=/etc/ssl/cert.pem -p[password] < $f ; 
done;

これで完了です。

消費RU確認

TiDB Serverlessは5GB、5000万RU(Request Unit)分は無料です。

このRUの計算は難しいですが、だいたい書込容量に等しいです。今回700MB程度のデータをImportしてみた消費RUを確認してみます。

image.png

これは他のデータが元々700MBほど入っていたクラスタなのでストレージ容量は正確ではありませんが、

  • 今回消費したRUは7.42M
  • 消費したRow-based Storageは500MB強(TiDBでの圧縮後)

となりました。データインポート後もまだまだ無料でご利用いただけます。

是非、TiDB Serverlessを使ってみてください。

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