はじめに
こんにちは、bockringです。現在、fx-CG50のレビュー記事の執筆とそのための検証を進めているのですが、中々に時間がかかるので一度箸休め的にレビューをしていこうと思います。
Luaスクリプトの紹介をするために少し勉強していたら全然箸休めにならなかったのは内緒。
ちなみに、今回はこの安い商品と比べたものの高い方を買った感じです。
AVHzY CT-3とは
AVHzY CT-3(以後CT-3
と表記)は、YK-LAB Shizukuの外装カスタム品です。26V=6Aまで対応し、数値は6桁で表されます。そのため10V未満では0.01mV(10μV)で、10V以上でも0.1mVの精度で測定できます。電流についても0.01mA(10μA)の精度で測定可能です。
また、液晶に128×160画素のカラー液晶を搭載しているので、機能も豊富です。日本語対応も1つの特徴と言えるでしょう。
電子負荷搭載モデルにするか迷いましたが、電子負荷は自作出来そうなので一旦パスとしました。
というか中華製の負荷装置を2つ持っています。1つは3.0~21.0V=0.00~3.50A(35W)のUSB電子負荷、もう1つは1.00~30.00V=0.00~9.99A(60W)の電子負荷です。USBテスターで20Vのトリガーを掛けた上で前者を1.75A、後者を3.00Aに設定して負荷試験を行うと合計4.75A、つまり95Wで、ほぼ100Wの負荷試験が可能です。
簡易オシロスコープ機能も搭載しているようですが、以前組み立てたオシロスコープキットより性能が良さそうです。(サンプリングレート約1.5倍)
→今度USB↔︎BNC-Jの変換アダプタを自作してオシロスコープ化しようと思います。(しっかり過電圧保護の回路も追加します)
そして外部電源/通信ポートを搭載します(何かと便利)。
First Impression
まず最初にこれだけは言っておかないと気が済みません。画面が見やすい!そして、日本語表示ありがたい!多機能ではあるものの一応繋げば動く系のデバイスでもあるので、気軽に使えます。
しかし、操作に問題があります。全ての機能を1つの入力デバイスで実現しているため、操作性に難があります。また付属のクイックマニュアルには基本的な機能の説明のみ記載されているため、詳しい操作はWeb上で確認する必要があります。
というのもこの製品の入力デバイス(Alps製と謳われています)の入力操作は3種類で、右倒し・左倒し・押し込みだけなので、これに1回押し・2回連続押し・長押しの3種類を重ね、以下のような機能を持ちます(ホーム画面からの推移)
クリック・倒し | クリック方法 | 機能 |
---|---|---|
押し込み | 1回 | 表示切り替え |
押し込み | 2回 | 電圧推移グラフ |
押し込み | 長押し | 設定 |
右倒し | 1回 | 電子負荷メニュー |
右倒し | 長押し | 時計 |
左倒し | 1回 | ツールメニュー |
左倒し | 長押し | 高度な機能のメニュー |
※メニュー名などは私が勝手に命名したものです。
また、メニュー画面や設定画面では、以下のようになります。
クリック・倒し | クリック方法 | 機能 |
---|---|---|
押し込み | 1回 | 決定 |
押し込み | 2回 | 戻る |
右倒し | 1回 | 右/下の項目を選択•設定値の増加 |
右倒し | 長押し | 1回右倒しの連続操作 |
左倒し | 1回 | 左/上の項目の選択•設定値の減少 |
左倒し | 長押し | 1回左倒しの連続操作 |
この操作はわかりやすいですね。
とはいえ、1つの入力デバイスで最大7つの機能を割り当てています。そのせいで操作がかなり難しくなっています。
便利機能
このテスター、細かいところの芸が細かいのですが、1つが画面回転です。中にジャイロセンサーが組み込まれているようで、上下方向を自動的に切り替えてくれます。何気に便利です。
そして、この手のUSBテスターには搭載されている機能ですが、急速充電のトリガー機能は便利です。特に、PD PPS対応あるいはQC 3.0移行に対応のACアダプタを使えばかなり自由に電圧を変えられます。
私の例では、CIO SMARTCOBY Pro Slimにこのテスターを差し込み(USB-C)、以下のように操作します。
[←][↓][↓][→][→][↓][→][↓]
その後、←
と→
キーの操作で電圧を調整します。私の場合、PPS 3.3-11V = 3A
までの対応なので、それ以上の電圧を求める場合は12V = 2.92A
/15V = 2.33A
/20V = 1.75A
の3種類の固定電圧(Fixed)オプションを選択する必要があります。PPSでは20mVずつ(QC 3.0では200mVずつ)電圧を変更できるので、安定化電源の代わりになります。
5V/9V/12V/15V/20Vが使えればほとんどの物は動作すると思いますし、3.3Vが必要ならPPSを使えば対応できます。この広範囲な設定には若干の欠点があります。それは、4V以下のトリガーをかけると落ちることです。というのもテスターに外部電源を接続しないままだと、最低動作電圧の4Vを下回るため、電源が落ちます。
逆にその点だけ注意すれば、ある程度出力ができるType-AあるいはType-C端子を持つモバイルバッテリーを用いてどこでも電源が使えるわけです。非常に便利。
PC接続
CT-3は製品上部のUSB Micro-B端子でPCと接続することが可能です。接続すると、保存容量がほぼ青天井のなります。PC経由(オンライン)レコードでは20Sa/Sが上限のようで、オフラインレコードでは100Sa/Sまで可能なので、少し微妙には感じます。
ということで充電が死にかけのiPad(最大20W給電)への給電の様子です。
なかなか見やすいグラフになっていると思います。(まぁ、なぜか32W給電の瞬間があるのは置いといて…) これはオフラインレコードしたものを読み込んでいます。しかし、拡張子が.shizukuRecord
みたいな独自のもので、.csv
で保存してくれよ〜とも思います。
Luaスクリプトによる制御
待っててくれ!