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TI-36X Proをレビュー! 気になる使い心地は?

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はじめに

祝 大手関数電卓メーカー全制覇!
↑何やってんだろ(笑)

ということで今回はTI電卓です。これで

  • CASIO
  • SHARP
  • Canon
  • HP
  • Texas Instruments

の5社をコンプリートしました。まぁ、強いて言うならあとはNumWorksかな。

今回はTIのスタンダード関数電卓の最高峰・TI-36X Proをしていきます。

どんな電卓

日本人には到底理解し難い電卓です。以上

という冗談はさておいて、少し古い最高峰です。CASIOでいうところのfx-115ES Plusあたりに近いのかな。

IMG_0069.jpeg

一応、日本の他の機種と比較しておきますか。
寸法はカバー(背面装着・使用状態)を含みます。

TI-36X Pro fx-JP900 EL-5160T
メーカー TI CASIO SHARP
寸法 173x83x21 167x81.5x18 169x86.5x18
画面 31x96 63x192 32x96
キー数 45 50 51
電池 CR2032 LR44 LR44
電池ボックス $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
太陽電池 $\sqrt{}$ $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
基本計算
$\sum{} \prod{} \int{} \frac{d}{dx} $
$\sqrt{}$ $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
複素数 $\sqrt{}$ $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
n進 $\sqrt{}$ $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
統計 $\sqrt{}$ $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
回帰計算 $\sqrt{}$ $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
分布 $\sqrt{}$ $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
行列 3x3 4x4 4x4
ベクトル 3D 3D 3D
ソルバー $\sqrt{}$ $\sqrt{}$ $\sqrt{}$
方程式(次数) 3 4 3
方程式(元数) 3 4 4
不等式 $\sqrt{}$
表計算 $\sqrt{}$

こうして比べてみるとやっぱfx-JP900は強いですね。ぱらおつおい

CASIOの素晴らしさにTIが霞んで見えるどころか一部SHARPにも負けていますが、TIは素晴らしい機能を持っています。

そう、全てのデータが保持されます。あとモード切り替えもないので結構シームレスに切り替えが可能です。

電源については電池ボックス以外の問題はないです。

キーは押していて気持ちの良いものです。押し込むとプチっと言った感じのクリック感があります。しかもSHARPみたいにキーのメンブレンが沈むこともないのでキーは最優秀かもしれません。

レビュー

まず、TI電卓の操作はイマイチ意味不明です。まず、モード選択という概念がありません。modeキーは日本の関数電卓で言うSETUPです。じゃぁどうするかと言うと、キーを押して一時的にその機能を使える状態にします

dataを押せば統計エディタになるし、tableを押せば数表モードになる、と言った具合です。しかし、clearを押せばいつでもホーム画面に戻れ、また特殊機能で求めた値(ベクトルの内積など)をそのまま別の計算に流用できます。(後述)

また特筆すべきはマルチタップキーです。

同じキーを何度も押すことで別の関数などを呼び出せる機能です。例えば、変数aを呼び出したい時、xキーを5回押すと
x -> y -> z -> t -> a
の順に表示が切り替わります。これを$sin$キーで行うと
$sin$ -> $sin^{-1}$ -> $sinh$ -> $sinh^{-1}$ -> $sin$ ...
と言った具合に変化します。これは指の移動が減るので非常に助かります。

唯一困るのが$\sqrt{}$キーを裏に回したこと。これは恨みます。

そして画面は素晴らしい。青色液晶ですが、画面範囲の扱いが丁寧です。

IMG_0064.jpeg

1行で式と答えを明確に区別できる状態で表示できるときは1行で示されるので、表示行数がエセじゃない(CASIOの自然表示とかあれ実質2行やろ)。

しかも、作り込みが無駄にすごいのです。

IMG_0065.jpeg

一番上の行、わかりますか?前の計算を端まで丁寧に表示しています。これはスクロールされていることを感じやすく、なんとも心地よいです。


ここで操作方法について少し説明します。なぜなら少し複雑だからです。

まず、基本的にモード切り替えの概念はありません。先ほども述べましたが本体のキーを押して、一時的にその機能を使うというほうが近いでしょう。

統計機能を利用したい場合、日本の関数電卓ではメニューを開き、データを入力して、ほしい統計値を求めます。しかしTI-36X Proでは、**dataキーを押して統計エディタを開き、2nddataを押し、stat-reg/distrを呼び出します。ここで統計の種類を選ぶことで統計値を求められます。

またこれを、数値変数などへの代入なしでシームレスにほかの計算に流用できます。これが非常に便利です。

残念なところ

まず、微分計算において古いタイプの方式で算出していることです。これにより以下のような結果が吐き出されます。

\frac{d}{dx}(\frac{x^3}{3}) _{|x=3}=9.000000333

これは本来9を返すべきなのですが…解せぬ。

私の個体はおそらくマイナーアップデート後の個体化と予想でき、そこでは多少の改善されていたのですが、演算バッファが貧弱です。以下の計算をさせてみます。

\int_{x=0}^{1000}{x(sin(x)+cos(x)+1)}

あれ、この計算はエラーが起きませんでしたね…
ではこちらを…

\int_{x=0}^{10000}{x(sin(x)+cos(x)+1)}

これを解かせるとあら不思議!


  MEMORY LIMIT
     Error
     

と、「メモリ上限エラー」、すなわちメモリ不足というエラーが吐かれます。

これはなかなかに貧弱じゃないでしょうか。

あと、80文字までの式という制約も少しきつく、関数を重ねる機数の制限も少しきついです。しかし、電卓喫茶様のレビューによると40字までの制限ということなので、改善されていそうです。えらい。

おわりに

今回はTI-36X Proをレビューしてきました。

投稿間隔が短くなっていますがその理由は今後4本の記事を立て続けに投稿しなければいけないからです。(お楽しみに)

挨拶はほどほどに、それではまた〜

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