はじめに
学習も兼ねて、GCPの**Always Free(常時無料枠)**を利用してVMを作成しました。
今回は、実際にVMを作成する中でつまずいたポイントや、無料枠を利用する際に注意すべき設定についてまとめます。
「GCPで無料のサーバーを使ってみたい」という人の参考になれば幸いです。
GCP Always Freeとは
Google Cloudには、一定の条件を満たすことで継続的に無料で利用できるAlways Freeがあります。
今回利用したのは、Compute Engineのe2-microです。
公式ドキュメント:
Always Freeを利用する際の注意点
Always Freeは「Compute Engineなら何を使っても無料」というわけではありません。
対象となるリソースやリージョン、容量などに条件があります。
そのため、VMを作成する際には設定を確認する必要があります。
1. 対象リージョンを選択する
Compute EngineのAlways Freeを利用する場合、対象となるリージョンを選択する必要があります。
対象リージョンの例:
us-west1
us-central1
us-east1
今回私は、
us-central1
を使用しました。
リージョンはVM作成後に変更できないため、作成時に確認しておくことをおすすめします。
2. マシンタイプはe2-micro
マシンタイプには、
e2-micro
を使用します。
e2-microは、
2 vCPU
1GB RAM
のインスタンスです。
ただし、vCPUは共有コアなので、一般的な高性能サーバーのような性能ではありません。
とはいえ、
- 静的なWebサイト
- 小規模なWebサーバー
- Linuxの学習
- SSHの練習
- Dockerの学習
などであれば十分利用できます。
3. ディスクの種類に注意
ここは特に注意したポイントです。
VM作成画面では、デフォルトで「バランス永続ディスク」が選択されている場合があります。
しかし、Always Freeの対象となるのは**標準永続ディスク(pd-standard)**です。
そのため、
OSとストレージ
↓
ディスクタイプ
↓
標準永続ディスク
を選択します。
容量についても無料枠の上限を超えないようにします。
4. 「月間予測」に料金が表示されても焦らない
VMの作成画面では、
2 vCPU + 1 GB メモリ $6.11
のように料金が表示されることがあります。
私も最初にこの表示を見て、
「無料じゃないのでは?」
と思いました。
しかし、これはAlways Freeの割引を考慮する前の定価ベースの見積もりです。
無料枠の条件を満たしているリソースについては、無料枠が適用されます。
ただし、無料枠の対象外となる設定をしている場合は実際に課金されるため、金額だけを見て判断せず、内訳を確認することが重要です。
5. ネットワークサービスティアに注意
ネットワーク設定では、
ネットワークサービスティア
を確認します。
デフォルトでは、
プレミアム
になっている場合があります。
Always Freeのネットワーク無料枠を利用する場合は、
スタンダード
に変更します。
6. 外部IPアドレスに注意
外部IPv4アドレスについても確認します。
今回のような無料枠目的の場合は、
エフェメラル
を使用します。
静的IP(予約済みIP)は、利用状況によって料金が発生する可能性があります。
そのため、
外部IPv4アドレス
↓
エフェメラル
になっていることを確認しておきます。
7. スナップショットに注意
今回特にハマったのがスナップショットスケジュールです。
VM作成時に、データ保護の設定でスナップショットスケジュールが設定されている場合があります。
スナップショットはAlways Freeの対象ではないため、不要であれば、
データ保護
↓
スナップショットスケジュール
↓
なし
にしておきます。
私の場合、ここを見落としていたことで数円程度の課金が発生しました。
無料枠で利用する場合は、「デフォルトで有効になっている追加機能」にも注意が必要だと感じました。
8. VM作成時に確認する項目
最終的に、VM作成画面では最低限以下を確認します。
| 確認項目 | 設定 |
|---|---|
| リージョン | Always Free対象リージョン |
| マシンタイプ | e2-micro |
| ディスク | 標準永続ディスク |
| ディスク容量 | 無料枠の範囲内 |
| ネットワークサービスティア | スタンダード |
| 外部IP | エフェメラル |
| スナップショット | 不要なら「なし」 |
9. 予算アラートを設定する
万が一に備えて、GCPの予算アラートも設定しておくと安心です。
GCPコンソールから、
お支払い
↓
予算とアラート
↓
予算を作成
と進みます。
予算額や通知するしきい値を設定できます。
ただし、ここで注意したいのが、
予算アラートは課金を自動的に停止する機能ではない
ということです。
あくまで「料金が発生していることを通知する」ための機能です。
そのため、
無料枠の条件を守る
+
予算アラートを設定する
という使い方がおすすめです。
10. 実際に課金された場合
「無料枠のつもりなのに課金された」という場合は、請求レポートを確認します。
GCPコンソールの請求画面で、料金を
サービス
や
SKU
などでグループ化すると、何に料金が発生しているのか確認しやすくなります。
例えば、
Compute Engine
├── VM
├── Persistent Disk
├── Snapshot
└── Network
のように、どのリソースが料金の原因になっているのかを調べられます。
まとめ
GCPのAlways Freeを利用すると、無料でCompute EngineのVMを使ってLinuxサーバーの学習などができます。
ただし、「VMを作ったら全部無料」ではなく、無料枠の条件を満たす必要があります。
特に注意したいのは以下です。
- Always Free対象のリージョンを選択する
-
e2-microを使用する - ディスクは標準永続ディスクを選択する
- ディスク容量を無料枠の範囲内にする
- ネットワークサービスティアをスタンダードにする
- 外部IPはエフェメラルにする
- 不要なスナップショットスケジュールを設定しない
- 予算アラートを設定しておく
- 課金されたら請求レポートで原因を確認する
特にスナップショットなどの「気づきにくい追加リソース」には注意したほうがいいです。
無料でサーバーを触りながらLinuxやDocker、SSHなどを勉強したい場合には、Always Freeは良い学習環境になると思います。