1. はじめに
CentOS 7を更新する際に、MariaDBパッケージに関連するエラーが発生することがあります。
この記事では、GPGキーエラーの解決方法とMariaDB 10.6から10.11へのアップグレード方法を簡単に説明していきます。
Downloading packages:
warning: /var/cache/yum/x86_64/7/mariadb-main/packages/MariaDB-server-10.6.xx-1.el7.centos.x86_64.rpm: Header V4 RSA/SHA512 Signature, key ID c74cd1d8: NOKEY
file:///etc/pki/rpm-gpg/MariaDB-Server-GPG-KEY から鍵を取得中です。
GPG 鍵の取得に失敗しました: [Errno 14] curl#37 - "Couldn't open file /etc/pki/rpm-gpg/MariaDB-Server-GPG-KEY"
1.1. GPGキーエラーだけを解決する場合
このエラーは、MariaDB ServerパッケージのGPGキーが取得できなかったことを示しています。この問題を解決するには、次のコマンドを実行してGPGキーを手動でインポートすることもできるのですが、今回は、アップデートも兼ねての手順となります。
sudo rpm --import https://downloads.mariadb.com/MariaDB/MariaDB-Server-GPG-KEY
2. MariaDBレポジトリの更新
まずは、MariaDBのレポジトリを更新していきましょう。
2.1. 公式リポジトリの追加
次のコマンドを実行して、MariaDBの公式リポジトリをシステムに追加します。
curl -sS https://downloads.mariadb.com/MariaDB/mariadb_repo_setup | sudo bash
2.2. 追加されるリポジトリについて
なお,このスクリプトでは /etc/yum.repos.d に以下の3レポジトリが設定されます。
- MariaDB Server Repository
- MariaDB MaxScale Repository
- MariaDB Tools Repository
参照先: MariaDB Package Repository Setup and Usage
3. MariaDB 10.6から10.11へのアップグレード
それでは、MariaDBのアップグレードを行いましょう。
3.1. キャッシュのクリアとパッケージインデックスの更新
次のコマンドを実行して、キャッシュをクリアし、パッケージインデックスを更新します。
sudo yum clean all
sudo yum makecache
3.2. MariaDBパッケージのアップグレード
以下のコマンドで、MariaDBのパッケージをアップグレードします。
sudo yum update MariaDB-client
MariaDB-server
は競合が発生するので、一度削除してから、再度入れなおします。
sudo yum remove MariaDB-server
sudo yum install MariaDB-server
3.3. MariaDBサーバーの再起動と確認
MariaDBサーバーを再起動して、アップグレードが正常に完了したことを確認しましょう。
sudo systemctl restart mariadb.service
3.4. mariadb-upgrade
を実行
最後に、mariadb-upgrade
を実行します。これにより、以下の2つの作業が行われます。
sudo mariadb-upgrade -u root -p
- mysql データベース内のシステムテーブルが新しいバージョンと完全に互換性があることを確認します。
- すべてのテーブルを素早くチェックし、新しいバージョンの MariaDB と互換性があることをマークします。
4. まとめ
この記事では、CentOS 7でのMariaDBアップグレード時に発生するGPGキーエラーの解決方法と、10.6から10.11への移行方法を簡単に説明しました。これらの手順に従って、問題なくMariaDBのアップグレードが行えることが確認できます。