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『LeanとDevOpsの科学』を読んだ感想

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読んだ書籍

『LeanとDevOpsの科学[Accelerate] テクノロジーの戦略的活用が組織変革を加速する』

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著:Nicole Forsgren Ph.D / Jez Humble / Gene Kim
訳:武舎 広幸 / 武舎 るみ
出版:株式会社インプレイス

書籍の概要

ソフトウェアの開発とデリバリを高速化し、ひいては組織全体への価値提供をも高速化する効果が高いのは、どのようなプラクティスとケイパビリティなのか。
全世界の組織を対象にしたアンケート調査の回答を厳格な研究方法で分析し、これを明らかにしている。

構成

  1. 調査研究の結果
  2. 調査方法(統計、分析)
  3. 改善努力の実際(オランダの金融機関 ING の例)

今回は「2. 調査方法(統計、分析)」の部分は読み飛ばした。
統計・分析の専門知識が無いので、この部分は機会があれば改めて。

全体の感想

ソフトウェア開発に関わってきた経験から感覚的には分かっている部分が多かったが、それに対してきちんとした調査・分析に基づく裏付けが得られたことが大きい。

特に収益や株価などの企業業績や、職務満足度や文化などの労働環境との関連が明らかになったことにより、ソフトウェアデリバリへの投資について理解が得られやすくなるように思う。

「アンケート回答者の主観」「ソフトウェアデリバリに限る」1という点には注意が必要だが、個人的な感覚よりもずっと有効だと思う。
いろいろな角度からのこうした分析が増えることを期待したい。

分析結果について

気になった部分をいくつかピックアップ。

組織文化のモデル化

良い文化とはどういうものか?文化の良し悪しをどう測るのか?
こうした疑問について「情報の流れの良し悪しで予測することができる」と知れた。

内製か外注か

ローパフォーマーは「構築中のソフトウェアは、他社が開発したカスタムソフトウェアである」と回答する傾向が強い。

これを受注して開発していた立場としても、非常にパフォーマンスが悪いと思う。
こうした事実も踏まえて、内製すべきか外注すべきかの検討が必要。

開発者の人数増加とデプロイ頻度

開発者の人数が増えるにつれて、

  • ローパフォーマーではデプロイ頻度が落ちる
  • ミディアムパフォーマーではデプロイ頻度が変わらない
  • ハイパフォーマーではデプロイ頻度が有意に上がる

安易に人を増やすとむしろスピードが落ちるイメージだが、正しく投資していればちゃんと増員の効果を得られる。

変更管理プロセスについて

本番環境に対する変更についてチーム外の人や組織の承認が必要となるプロセスは、システムの安定性は向上せず、むしろ確実に作業の後れを招いてしまう。変更承認のプロセスが無いほうがまだまし。

内部の人間にとっても複雑なシステムを外部の人間が把握できる事はなく、もはや政治的な意味合いしか見いだせない。
「スピードが遅くなれば質も低下する」という点を踏まえると、中・長期的には安定性も下がっていくのだろう。

オランダの金融機関 ING の改善努力について

良い情報が組織のヨコ方向とタテ方向に流れるようにして、「学ぶ組織」が構築されているのが印象的だった。

重要なのは単純にプラクティスを実践するのではなく、常に学びを得て変化していく仕組み。

まとめ

ソフトウェアデリバリのパフォーマンスは、組織のパフォーマンスと関連する。
「改善促進効果の高い24のケイパビリティ」に投資することで、組織全体への価値提供をも高速化させることができる。
単純にプラクティスを実践するのではなく、学習する仕組みを備えて変化に対応していくことが重要。

  1. Martin Fowler氏の「本書に寄せて」より

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