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25カ国出身が集まるバンコクの企業に日本人1人で飛び込んでみた

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はじめに

タイ・バンコクの多国籍企業でシニアソフトウェアエンジニアをしている。チームには25カ国以上出身のメンバーがいて、会議は100%英語、日本人は自分だけ。

「どうしてそんな環境に?」とよく聞かれる。答えは単純で、タイが好きだったからだ。

きっかけは交換留学だった

最初にタイに来たのは大学時代の交換留学だった。
気候、飯、人の適当な雰囲気、全部が自分に合っていた。

大学4年で就活をしていた当時、「未経験でもエンジニアになろう」的な雰囲気や広告に流され、プログラミングも3ヶ月謎の学生向けスクールみたいなのに通っただけで日本で新卒でエンジニアになった。
だが「またタイに住みたい」という気持ちが強く、2年ちょっとで移住した。

移住して最初に入ったのは日系企業のタイ法人だった。駐在ではなく現地採用。99.99% 日本語で仕事ができて、生活も安定していた。悪くはなかった。

その会社にいるときは AWS の資格を6つ取り、できる範囲で自分の能力を上げるよう努力したつもりだった。でもしばらくしてから自分の技術があまり伸びていないことに危機感を覚え、次の転職を決意した。

転職先を見つけるまで

次の職場に求めたのは2つ。

1. 英語で仕事できること

私自身英語は得意ではないが、なんとなく英語喋れるとかっこいいなと思っていたのと、キャリア的にもきっとプラスになるはずだと思っていた。
ぶっちゃけ自信はなかったができるなら挑戦してみたかった。

2. そこそこモダンな技術スタックがあること

エンジニアなのでモダンな技術スタックはやはり欲しい。市場価値的にも楽しさ的にも。
インフラだと k8s, CI/CD が整っている、バックエンド・フロントエンドはできれば流行っているものがよかった。

そして何十社とレジュメを送って、オファーをいただいた会社がこれらの条件をそこそこ満たしていたので承諾した。
転職活動期間はおよそ6ヶ月くらいだった。

飛び込んでみたらこうだった

自分が一番英語が下手だった

25カ国以上出身のメンバーがいる。ヨーロッパ、東南アジア、南アジア、中東……非ネイティブばかりなのに、みんな普通に流暢に議論している。

入社初日に気づいた。ダントツで自分が一番英語が下手だ。

会議のスピードが早い。誰かが話し終わる前に次の人が被せてくる。最初の数ヶ月は会議中、何を言っているか半分くらいしかわからなかった。発言しようとしても言葉が出てこない。日本語なら言えることが、英語になった瞬間に消える。

ドラゴンボールで言うとフリーザ様の軍団に1人だけクリリンがいるような感じ、英語戦闘力はまるで赤ん坊だった。

正直、死にそうなくらいきつかった。全然価値を提供できていない感覚で、試用期間で切られそうだと思い当時は色んな求人をまた漁っていた。
ただ、意外にも評価は低くなかったようで、なんとか試用期間をくぐり抜けた。今はまあまあきついくらいになった。これでも成長だと思っている。

12月にチームの8割が消えた

入社して初めての12月、チームの8割が休暇を取った。当然プロジェクトの締め切りは来る。残ったメンバーでとにかくミニマムな機能だけリリースして乗り切った。

クリスマス文化圏の人間が大多数のチームにいる、という意味をこのとき初めて理解した。

遅刻しがち

バンコクの渋滞を舐めてはいけない。「渋滞で遅れます」が毎日誰かから飛んでくる。


日系企業とローカル企業、両方いてわかったこと

日系のバンコク企業が悪いわけじゃない。安心感はある。でも「英語を使いたい」「グローバルな開発に関わりたい」という目的があるなら、正直ミスマッチだと思う。
あとガッツリ自分で手を動かして製品を開発したい場合、そういったことをバンコクでやっている日系企業は殆ど見つからなかった。

普通の日本の教育を受けてきた人にとって多国籍企業は最初の数ヶ月が一番きつい。言語も文化も違う人間が集まっていて、自分だけ取り残されている感覚がある。でも不思議と、みんなこちらの拙い英語をちゃんと聞いてくれる。多国籍チームは「お互い様」という空気があって、誰も完璧な英語を求めていない。これは思っていたより救われた。

1年ほど多国籍企業で働いてみてよかったこと

英語力が上がった

ヨーロッパ訛り、東南アジア訛り、インド英語、アメリカ英語……毎日いろんなアクセントにさらされると、少しずつ聞き取れるようになってくる。英会話スクールでは絶対に得られない経験だ。
今の環境で英語で苦しい思いをしていると、ぶっちゃけ日本の6年間の英語教育は正直効率がめちゃくちゃ悪いと思った。きれいなアメリカ英語の遅いリスニングではまっっったく歯が立たない。

PM, テックリード, QA との協力

PMやテックリード, QAと協力しながら機能をリリースする経験も積めた。まだまだ自分の能力が足りない部分は多く、フラストレーションは常に感じている。
これは英語力もあるが、単に私のシニアソフトウェアエンジニアとしての仕事の仕方がうまくない事も大きな要因だ。

チームの人間性

チームの人間性もいい。多国籍ゆえに差別や排他性がほとんどない。拙い英語でも、ちゃんと聞いて議論に混ぜてくれる。これは想像以上に精神的に助かっている。

バンコクという街について

過ごしやすい。日本食も多い。吉野家、すき家、ラーメン(二郎系、家系もある)、スシロー、リンガーハット、ココイチ、焼き肉もある。味も日本レベルだけど日本よりちょっと高いが、海外でこれだけ日本の味をいつでも楽しめる国はそう多くないはずだ。

生活コストは基本的に多分日本と同じくらい。人によってはもっと安く住める。あとタイ語が少しできると生活がさらにラクになるが、英語だけでも普通に暮らせる。

英語に自信がなくても、バンコクは思ったより飛び込みやすい街だと思う。

おわりに

交換留学で好きになった街で、日本人1人の環境で仕事することになるとは夢にも思っていなかった。

英語がしんどい日は今もある。でも25カ国出身の人間と毎日仕事しているという事実は、日本にいたら絶対に得られなかったものだ。

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