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前庭電気刺激(GVS)で仮想空間の加速度を感じる

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はじめに:この記事を読んだ結果生じたいかなる損害に対しても責任は負えません.特に電気の事故は生命に関わる場合もあるため,よく理解した上で遊んでください.

前庭電気刺激について会社のエンジニア向けのLTで発表したところ結構ウケたので,内容を整理しつつ書きます.

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より詳細な解説や製作記をコミックマーケット88で頒布予定の「ななかInside PRESS vol.7」に書きました.詳しくは第7開発セクションのサイトへ.

前庭電気刺激(GVS)

前庭電気刺激というと聞きなれない言葉かも知れませんが,古くから知られている現象で100年以上前から存在は知られています.前庭というのは,加速度を知覚し平衡感覚を司る前庭という組織で,内耳内の角速度を感じる三半規管に接する場所にあります.

前庭に1~2mAの電流を流すと平衡感覚が狂い架空の加速度を感じます.加速度の方向は電流の向きでコントロールできることも知られています.頭に電流を流して感覚を操作するというと難しそうに感じるかもしれませんが,電流を流してみるだけなら簡単な回路で実現できるので作ってみることにします.

実験

手頃な電流源が家になかったため,定電流回路と簡単なプログラムを書いて実験してみました.

回路

circuit.png

部品名 購入場所 価格(円) 備考・URL
オムロン 電極パッド Amazon 1,345 http://www.amazon.co.jp/dp/B0002ERMBE
DC-DC昇圧回路 aitendo 600 http://www.aitendo.com/product/6872
MOSFET 2SK3234 秋月 200 耐圧とゲート・ソース間電圧に注意
OPアンプ LMC662CN 秋月 150 フルスイング出力可能なもの
D/Aコンバータ MCP4922 秋月 200 SPIなのでマイコンと接続が楽です
AVR ATMEGA88 秋月 170 SPIで通信できるお好きなマイコンでOK
2c接点ラッチングリレー 鈴商 不明 5Vで動作するもの

注:価格は参考です

各種パーツの購入場所リンク:

基本的には教科書通りの定電流回路です.回路図上ではATMEGA88を使っていますが,MCP4922とSPIで通信できて,リレーを制御するIOが2本あれば,お好きなマイコンやArduino等が利用可能です.

プログラム

ATMEGA88からMCP4922にコマンドを送ったり,リレーで極性を切り替えるテストプログラム.

https://github.com/binzume/gvs/blob/master/firmware/da_test.c

makeして出てくるtest_da.hexを実行すると,Ipp=±2mAな台形波(?)が出力されます.最初は矩形波で実験していたのですが後述する問題があったので,台形波にしました.

動作確認

  1. 電極になにも繋いでいない → 約200Vかかっている
  2. 10kΩの抵抗をつなぐ → ±20Vが周期的に変化 (±2mA流すテストなため)
  3. 抵抗値変える → 電圧も追従して変化する
  4. 一度電源を切り腕に電極を貼り再スタート → 多少ピリピリする程度なら大丈夫
  5. MOSFETのドレインとソースをショートさせる → 腕が感電して痛いが,許容範囲なら次へ ※1
  6. 耳の後ろあたりに電極を貼って前庭に電流を流す

じっとしているのに左右に身体が揺れている感じがしたら成功です.

※1: 試行錯誤しているうちにほぼ間違いなく感電するので許容できるかを事前に確認.このとき右手に電極を貼って左手でMOSFETの足に触ったりすると胴体を電流が流れて危険なので注意.

色々

当初,矩形波を流して実験していたのですが,どういうわけか実験中に電気の味がするので調べたところ,矩形のエッジ部分で電圧が上がりすぎ口の中にまで電流が流れてしまっているようでした.立ち上がりを緩やかにしたら改善しました.

こういう実験をすると慎重に作業していても,ちょっとしたミスで感電するので,感電した場合も致命的なことにならないことを確認しつつ進めましょう.一人暮らしなので自宅で実験して何かあっても誰も助けてくれないので,最初は会社のオフィスでやってました.

色々なパターンの電流を流してみましたが,左右に傾いたとか,揺れているとかの大雑把な加速度は感じられますが,細かい制御は難しそうです.重力加速度を打ち消す程の大きな加速度も与えられそうに無いのと,人間は前庭以外の全身でも加速度を感じているので,感覚をごまかすのは難しいです.

動画をOculus Riftに表示しつつ,映像に合わせて電流を流すというのも試してみましたが,少し面白いかなあ,くらいの感想.

まとめ:

  • 舐めなくても,電気の味がするよ
  • 慎重にやっても感電する可能性は常にあるので注意
  • あまり複雑なことできないが,可能性感じます
  • SAOのナーヴギアはまだまだ遠いです

課題

  • 昇圧回路は非絶縁なので複数同時に使えない
  • 三半規管もどうにかしたい
  • 安全性とか

参考文献

binzume
Androidアプリを開発したり,Erlangで動画配信システムを開発したりする仕事をしていました.今はUnityでゲームを作る仕事をしています.
http://www.binzume.net/
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