はじめに
SES(システムエンジニアリングサービス)で働く場合、クライアント先で常駐して業務を行うことが一般的です。
フルリモートの仕事も多くなりましたが、いずれにしても「客先で働く」という環境には独自のルールや雰囲気が存在します。
そこで、これまでの経験から「これは意識しておいたほうがいいな」と感じたことを、いくつかのポイントに分けてまとめてみました。
現場ごとに違いはありますが、できるだけ多くの現場で通用するような基本的な内容をお伝えできればと思います。
これからSESとして働く方や、今まさに現場で頑張っている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
基本的な姿勢
● 自分の役割をしっかり認識しよう
どんな現場でも、まず大切なのは「自分が今、どんな立場でここにいるのか?」を意識することです。
たとえば、
-
チームの一員としてサポート役なのか
-
経験を活かして主導的に動くシニア枠なのか
-
マネジメントを任されているのか
この「期待されている役割」によって、仕事の進め方や求められる行動が大きく変わります。自分の役割を理解し、スムーズに進められるようにしましょう。
● 謙虚さと素直さを大切に
新しい現場では、初めてのことが多いです。そんなとき、「教えてもらう立場」だという意識を持つことが、物事をスムーズに進めます。
「ありがとうございます」「すみません、教えてください」と素直に伝えることで、信頼関係が築かれます。
立場について
● 客先社員(プロパー)が主役
SESは、クライアントの一員として仕事をするスタイルです。
与えられた仕事に対して責任を持っていますが、最終的な製品やサービスに対する責任は、基本的には客先の社員(プロパー)が持ちます。
そのため、チームの中でプロパーの方が「主役」になります。SESはそのサポート役として動くことで業務がスムーズに進行します。
● 郷に入れば郷に従え
現場が変われば、仕事の進め方やツール、コミュニケーションのスタイルなどもさまざまです。「前の現場ではこうだったのに」と思っても、まずは今の現場のやり方を受け入れてみるのが大切です。
もし、自分の知っているやり方のほうが効率的だと思っても、いきなり変えようとせず、まずは現場のルールを経験してみましょう。その上で、「こういうやり方もありますよ」と、柔らかく提案してみるのがおすすめです。
コミュニケーションについて
● 報連相を意識しよう(報告・連絡・相談)
「報連相」は、開発業務でも特に重要です。自分のタスクに集中していると、気づかないうちに「ひとり作業」になりがちです。しかし、
-
「今こんな作業をしている」
-
「この方針で進めようと思っている」
-
「ちょっと詰まっているところがある」
こうした情報を周りに共有することで、助けてもらえたり、逆に自分が誰かを助けられることもあります。
チーム全体のパフォーマンスを上げるためには、報連相は欠かせません。
● 相手や場面に合わせたコミュニケーション
チーム内だけでなく、他部署や他チームとのコミュニケーションも発生します。
その際、重要なのは「誰に何を伝えるか」ということです。
技術に詳しいエンジニア同士なら細かい話も通じますが、マネージャーや別の部署の人には、簡潔にポイントだけを伝える方が効果的です。
● 日頃からこまめに話そう
リモートワークが多い昨今では、直接会話をする機会が減りがちです。
しかし、ちょっとしたコミュニケーションでも積極的に取ることで、後で相談しやすい関係性が築きやすくなります。
雑談や日常的な会話も、仕事を円滑に進めるための重要なツールです。