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「Scrapboxにコードを書いて実行する」を説明してみる

Last updated at Posted at 2020-03-16

はじめに

今回の投稿はScrapboxのUserScriptテンプレートまとめに引き続き、Scrapboxネタです。(よっぽど好きだということです)

まずは以下のリンク先ページをご覧ください。
Scrapboxにコードを書いて実行する

なんとっ Scrapbox上に書いたJavaScriptのコードが実行されてるじゃないですか! すごい。UserScriptととはまた違ったことやってる!
自分もやりたいぃってことで、どうやって実現しているのか調べてみました。

Vue.jsタグにさせてもらいましたが、Vue.js自体は実演で使わせてもらっただけで、チュートリアルの域を出ていないです。ご注意ください。

知れること・知れないこと

知れること

  • Scrapbox上にコード記法で記載したJavaScriptのコードを実行して表示させる方法

知れないこと

  • Scrapbox上に書いたJavaScript以外(コンパイルが必要になるような言語)を実行させる方法
  • Scrapbox上に実行結果を埋め込む方法

仕組み

どうやって実現させているか紐解く鍵は、下のコードを実行のリンクの中身にあります。
遷移した後のURLを見るのでも構いませんが、
https://[アカウント名].github.io/[リポジトリ名]/?code=[ほにゃらら]/[ほにゃらら].jsとなっているはずです。

Tip1 : CDN

(他にもやりようはあるかとは思いますが)各種プログラムを実行するために、お馴染みのCDN(Contents Delivery Network)を利用します。

Tip2 : GitHub Pages

urlを見てもらったら分かるように、github.ioの静的ホスティングサービスであるGitHub Pagesを利用します。
(実際は静的ホスティングサービスであれば、何であっても構わないと思うのですが、今回は参考元のやり方のGitHub Pagesで説明させてもらいます)

Tip3 : ScrapboxのAPI

公式で大々的に説明があるAPIではありませんが、コード記法で書いた内容にアクセスできるAPIがあります。
形式 : https://scrapbox.io/api/code/[プロジェクト名]/[ページ名]/[付けたファイル名]
画面収録 2020-03-13 22.15.03.mov.gif
普段は上記のようにコード記法で書いたコードをコピーするために利用されます。
(APIのURLにアクセスすればブラウザ上にコードの中身が表示されます)

「Scrapboxにコードを書いて実行する」の仕組みを、一言で(ざっくり)言うなら
静的ホスティングしたサイトにScrapboxで書いたコードを返却するAPIを渡して、コード記法で書かれた該当のコードを書き込み、CDNを利用して実行する
となります。

実装方法〜〜ユースケースとともに〜〜

本家Scrapboxにコードを書いて実行するのように、動きのあるコードの方が、面白味があるとは思いますが、今回はVue.jsのチュートリアルのコードを実行してみます。

GitHub Pagesの準備(簡易説明)

  • Github上にリポジトリを作成する。
  • index.htmlファイルを作成する。
  • branch : gh-pagesを作成する
  • 後はrepositoryのURLにアクセスでindex.htmlの内容が表示される!

コードの全容

私が今回説明で使っているソースはこちらです。
フォルダ構成

├── index.html
└── index.js

Github上に置くファイルはGithub Pagesで準備したindex.htmlindex.jsだけ!!(簡単)
README.mdファイルは省略して記載しています。

index.js (ScrapboxのAPIのURLをGetパラメータから取得して、画面に読み込ませる)

ここが一番肝要なところですが、
本家様のコードをほぼほぼ流用しています。基本、本家様のコードを参照でお願いします。:bow:

本家様コード
ちなみにgh-pagesブランチとmasterブランチで内容が違っていたので、見比べて勉強させてもらいました。(jsだけでなくstyle読み込んだりなどなど)

今回Vue.jsのコードを動かしたい関係で、jQueryありきの部分については少し変更を加えています。
今回のindex.js

index.js
// jQueryお馴染みの「$」の部分
$(function(){

// 純粋なJavaScriptに変更
window.addEventListener('DOMContentLoaded', function(){

コードを見てもらったらわかりますが、JavaScriptでアクセスしたURLを解析して、
?code=の=以降の値(Getパラメータの値)を読み取って、その値をscriptタグとして追加する実装になっています。
(実行する際は?code=[ScrapboxのAPIのURL]としてアクセスしてください)

index.html (必要なCDNの読み込みや簡易のレイアウト記載)

今回はこんなかんじ。

index.html
<!DOCTYPE html>
<html>

<head>
    <title>Scrapboxでプログラミングの勉強をする</title>
    <!-- bulma -->
    <link href="https://cdn.jsdelivr.net/npm/bulma@0.8.0/css/bulma.min.css" rel="stylesheet">
    <link href="https://stackpath.bootstrapcdn.com/font-awesome/4.7.0/css/font-awesome.min.css" rel="stylesheet">
</head>

<div id="app">
    <app-template></app-template>
</div>

<!-- vue.js -->
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/vue"></script>
<script src="./index.js"></script>

</html>

基本CDNと先ほどのindex.jsを読み込んでいるだけ!
CDNはここで自分の利用したいものをカスタマイズしましょう。
今回はVue.jsと表示の調整でBulmaを書きました。

ここまでで下準備は完了!

Scrapboxにコードを書いて実行

では、Scrapboxでコードを書いて実際に実行してみましょう。
コードはVue.jsのチュートリアルを参考に書いています。
Githubに挙げているコードは変更しない方向で、<app-template></app-template>をカスタム要素として利用した書き方に調整しています。

コード記法は拡張子「js」でファイル名書くようにしてください。

  • Hello World
 const Messages = {
     template:
      `<div class="hero">` +
      '<div class="hero-body has-text-centered">{{ message }}</div>' +
      '</div>',
     data: function() {
       return {
         message: 'Hello World!!',
       }
     }
 }
 
 new Vue({
   el: '#app',
   components: {
     'app-template': Messages
   }
 })

実行の様子。上部は切り取っていますが、実行すると新規タブが開きます。
画面収録 2020-03-14 21.33.44.mov.gif

※押しているボタンについてはおまけで後述します。やってることはhttps://[アカウント名].github.io/[リポジトリ名]/?code=[ScrapboxのAPIのURL]にアクセスするだけです。

Scrapboxのコードを実行しているだけなので、Scrapboxのコードを書き換えると、当然結果も変わります。
画面収録 2020-03-14 21.55.59.mov.gif

他の例も用意したので、載せておきます。

  • v-for
const BlogPost = {
    template:
        `<div class="hero">` +
        '<div class="hero-body has-text-centered">' +
        '<div v-for="post in posts" v-bind:key="post.id">' +
        '{{post.title}}' +
        '</div>' +
        '</div>' +
        '</div>',
    data: function () {
        return {
            posts: [
                { id: 1, title: 'My journey with Vue' },
                { id: 2, title: 'Blogging with Vue' },
                { id: 3, title: 'Why Vue is so fun' }
            ]
        }
    }
}

new Vue({
    el: '#app',
    components: {
        'app-template': BlogPost
    }
})
画面収録 2020-03-14 22.26.39.mov.gif
  • ボタン
 Vue.component('app-template',{
 	data: function(){
 		return {
 			count1: 0,
 			count2: 0
 		}
 	},
 	template:
 		'<div class="hero">'
 		+ '<div class="hero-body has-text-centered">'
 		+ '<button v-on:click="count1++">You clicked me {{count1}} times.</button>'
 		+ '<br>'
 		+ '<button v-on:click="count2++">You clicked me {{count2}} times.</button>'
 		+ '</div>'
 		+ '</div>'
 })
 
 new Vue({ el: '#app' })

画面収録 2020-03-14 22.28.26.mov.gif

アクセスするたびに同じ画面だけど違う結果が出てくる
というのはなかなかに面白いものです。
上記の3つのコードを続け様で実行した場合↓
画面収録 2020-03-15 0.32.54.mov.gif

どういった時に使える?

本家にも書いてありますが「プログラミング体験」として抜群です。
自分で勉強するにしても人に教えるにしても、文面と実行できるコードを共存して管理できるというのは、利点が多いのではないでしょうか。(いろいろな使い方ができそうです)

注意

言わずもがな、自分のコードは自分のGitHub Pages(あるいは別の静的ホスティングサービス)にアクセス・実行するようお願いします。

といっても他人のページだとCDNのカスタマイズもできないですし、自分で用意した方がいろいろ可能性が広がって楽しいと思います。

おまけ

開いているページ(前回はカードと書いていた)上のコード記法にアクセスするAPIを抽出して、https://[アカウント名].github.io/[リポジトリ名]/?code=[ScrapboxのAPIのURL]を開くUserScript作っているので、参考で載せておきます。
(今までのgif画像でも使っていました)

ScrapboxのUserScriptの詳しい説明については前回記事ScrapboxのUserScriptテンプレートまとめScrapboxのヘルプ参照ください。

下準備

前回記事の番外テンプレート(1)を作成するために、画像を用意して1つページを作ります。
スクリーンショット 2020-03-15 1.20.05.png

UserScript

UserScriptとはこんな感じ。

script.js
const GITHUB_REPOSITORY = 'https://[githubユーザ名].github.io/[リポジトリ名]';
const SCRAPBOX_URL = 'https://scrapbox.io';
const $appRoot = $('#app-container');
$appRoot.on('click', 'img[class="icon"]', e => {
    const $icon = $(e.target).closest('img[class="icon"]');
    const iconName = $icon.attr('title');
    // 「programming」アイコンの場合に処理を実行
    if (iconName === 'programming') {
        let codeUrl;
        $('a').each(function (index, atag) {
            let hrefStr = String($(atag).attr('href'));
            // getパラメータの作成
            if (hrefStr.startsWith('/api/code') && hrefStr.endsWith('js')) {
                codeUrl = (codeUrl == null) ?
                    'code=' + SCRAPBOX_URL + hrefStr
                    : codeUrl + '&code=' + SCRAPBOX_URL + hrefStr;
            }
        })
        console.log('呼び出し先コードのURL :' + codeUrl);
        window.open(GITHUB_REPOSITORY + '?' + codeUrl);
        return false;
    }
});

これで、Scrapboxの[programming.icon]アイコン記法)と書かれた場所をクリックすれば、プログラムの実行(条件を満たした状態でGitHub Pagesにアクセス)できます!!

※ScrapboxのUserScriptは自分にしか効かない(Scrapboxのヘルプ参照)ので、Publicで公開しているプロジェクトにおいて、閲覧者に実行してもらいたい場合等は、リンクをScrapbox上に書くようにしてください。

おわりの余談

前回のブログを書いていた頃含め、1年以上Scrapboxを書いてきたわけですが、アドベントカレンダーやろう! ってなったときも、内容考えるのすごく楽でした。
Scrapboxは項目と項目をつなげることで新たな発想が生まれたり、思考がクリアになったりと、使うほどにいろんな効果があるような気がしています。(個人の感想)

ちなみに……
Scrapboxでアウトプットするというのも一つですが、私個人として「Scrapboxの内容をまとめてブログに書く」使い方はこれからもしていくと思います。(私にとってScrapboxはネタ帳の色合いが濃いです)

以上です!

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