1. はじめに
先日OpenStudioのチュートリアルを試してみる その12の記事にて、以下のリンクの動画シリーズで紹介されているOpenStudioを用いたfire station(消防署)のモデル作成・シミュレーションの14番目の動画についての手順を追っていきました。今回はこの動画シリーズの15番目の動画の手順を追っていきたいと思います。
2. 実施環境
CPU: CORE i5 8th Gen
メモリ: 8GB
OS: Windows 11 22H2
3. 手順
本記事で内容・手順を追った動画(上記動画シリーズの15番目の動画):今回はトラブルシューティングだそうです。
3.1 シミュレーションの設定
以下の図で赤枠で囲んだ"Simulation Setting"のタブをクリックします。
そして以下の図で赤枠で囲んだ"Timestep"を6から1にします。これは計算を早くするためだそうです。
3.2 Measuresの設定
以下の図で赤枠で囲んだ"Measures"のタブをクリックします。
そして以下の図で赤枠で囲んだ"Library"の"Reporting"の"QAQC"の中から、"Add Output Diagnostic"を選択すると解説動画の中ではありましたが、私の環境ではありませんでした。
そこでFind Measures on BCLからダウンロードしてきた上で、以下の図で赤枠で囲んだ"EnergyPlus Measures"のところに黄枠で囲んだ"Add Output Diagnostic"をドラッグアンドドロップしてきます。
3.3 シミュレーションの実行 1回目
以下の図で赤枠で囲んだ"Run Simulation"のタブをクリックします。
そして▶ボタンをクリックし、シミュレーションを開始すると、解説動画とは様子が違いますがシミュレーションがエラーで止まりました。
3.4 トラブルシューティング その1
先ほどシミュレーションを回したファイルを保存しているところにアクセスし、以下の図で赤枠で囲んだ"run"ファイルを開きます。
以下の図で赤枠で囲んだ"eplusout.err"をメモ帳などで開きます。
そして"eplusout.err"の中に解説動画と同じように「** Severe ** CTF calculation convergence problem for Construction="ROOF METAL BUILDING".」というエラーがあることを発見しましたので、これに対処してきます。
まず以下の図で赤枠で囲んだ"Constructions"のタブをクリックします。
次に以下の図で赤枠で囲んだ"Materials"のタブをクリックします。
先ほどの"eplusout.err"の中のメッセージよりエラー対象が"PURLINS AND INSULATION -R29"と"THERMAL BREAK -R3"となっておりますので、それを確認します。そして解説動画と同じように"PURLINS AND INSULATION -R29"の設定に誤りがありましたので、以下の図で赤枠で囲んだ"Conductivity"を0.335に修正します。
そして再度シミュレーションを実行します。
3.5 再シミュレーション結果とトラブルシューティング その2
注:解説動画では様々な警告についての確認と対処をしてきますが、修正せず警告を無視するものもあったり、私の環境では既に解決済みであったりしたものもありました。この記事ではそのような警告については以下に示すtime stepの警告以外は省略していきます。
ここで先ほどと同じように"eplusout.err"を確認します。そして解説動画と同じように「Warning ** Timestep: Requested number (1) is less than the suggested minimum of 4.」という警告が出ていました。どうやら設定しているスケジュールとtime stepが合っていないようです。
そこで以下の図で赤枠で囲んだ"Schedule"のタブをクリックします。
そして"FireStation - Locker BLDG_LIGHT_SCH"のスケジュールを見ると以下のように細かいタイムスケジュール設定になっています。これが警告として出ているようです。解説動画の中ではこのエラーに対しては特に対処していませんので、この記事でもそのままとします。
次に、解説動画の中では「There are 9 nominally unused constructions in input.」という警告が出ています。私の環境では「There are 7 nominally unused constructions in input.」でしたが、解説動画の中ではこれについて対処していますので、この記事でもそれを追っていきます。
まず以下の図で赤枠で囲んだ"Constructions"のタブをクリックします。
次に以下の図で赤枠で囲んだ"Constrcution"をクリックして、黄枠で囲んだ"Purged unused objects"をクリックして使っていないオブジェクトを一括で削除します。なお、"Materials"のタブにおいても同じことをします。
ここで先ほど"Measures"のタブの中で設定した"Add Output Diagnostic"の"Output Diagnostic Value"をDisplayUnusedSchedulesにして再度シミュレーションを実行します。
3.6 再々シミュレーション結果とトラブルシューティング その3
再々シミュレーションの後に"eplusout.err"を確認すると使われていないスケジュールがあると警告が出ていることが確認できます。
解説動画の中ではSchedules Setsのタブの中で使っていないスケジュールセットを削除していってますが、私の環境ではそれらは既に削除済みでした。そこで以下の図の赤枠で囲んだ"Schedules"タブをクリックしたあとに、黄枠で囲んだ"Schedules"タブをクリックした後に、緑枠で囲んだ"Purged unused objects"をクリックして使っていないSchedulesを一括で削除しました。
この修正をしたのに、再々々シミュレーションを行いましたが、使われていないスケジュールがあるという警告の数は減りはしましたが、完全には消えませんでした。ただ、無視しても構わなそうな警告ばかりでしたので、トラブルシューティングはここまでにしました。
4. まとめ
今回は解説動画を参考にしてトラブルシューティングのやり方を紹介することができたと思いますが、すべての警告を解決するのは無理だなとも感じました。なので、どれに対処し、どれを無視するかということが本番のシミュレーションでは重要になってきそうだなと思いました(当然のことではありますが、、)。
次回は動画シリーズの16番目:https://www.youtube.com/watch?v=osftawugpL0&list=PLRW2KXkdSVUdY2iQ6yjohNT5E5ElLVIhU&index=16 を実施していきたいと思います。