AIは、プロンプトから整った文章を数秒で作れる。難しいのは、その前にある問いだ。
今、何を書く価値があるのか。
モデルに聞けば、それらしいテーマを10個並べてくれる。しかし、そのテーマが今日話題になっているのか、実際に誰かが関心を示しているのかまではわからない。現在の情報がなければ、モデルはすでに知っていることから推測するしかない。
そこで今回は、Agentに実際の調査タスクを渡した。
直近24時間のXで注目を集めているAI関連の話題を探し、根拠を確認できる短いトレンドブリーフにまとめる。リアルタイムのソーシャルデータにはBeatAPI Social Dataだけを使う。
1. まず、問いの範囲を決める
「今、AIでは何が話題なのか」だけでは、信頼できる答えを作るには広すぎる。
今回はUTCで正確な24時間を指定し、対象をXに限定した。検索キーワードも AI、AI agent、AI model の3つに分けた。
AgentはBeatAPI Social Dataのカタログを確認し、twitter.web.fetch_search_timeline を選択した。3つのキーワードで1回ずつ実行し、合計60件の投稿を取得した。
ただし、ここまでで終わると検索結果の一覧にすぎない。まだトレンドブリーフにはなっていない。
2. 検索結果を、使えるサンプルに変える
Agentは重複していた1件を除き、59件の投稿を残した。次に各投稿の時刻を確認し、指定した24時間内に公開された21件に絞り込んだ。
そのサンプルを閲覧数を中心に並べ、反応数を補助的な判断材料として確認した。関連する投稿を5つのテーマにまとめ、それぞれが注目された理由を短く整理した。
処理の流れは数字でも確認できる。
- 取得した投稿は60件
- 重複を除いた後は59件
- 指定した24時間内の投稿は21件
- 最終的なブリーフでは5つのテーマに整理
これは3つの広いキーワードから得たサンプルであり、X全体のAIトレンドを網羅したランキングではない。検索語を変えれば、見える一日も変わる。
大事なのは、Agentが結論だけを返していないことだ。どこからデータを取得し、どの範囲で絞り込み、どの情報を残したのかを人が確認できる。
3. リアルタイムデータが、Agentにできることを変える
今回のタスクで足りなかったのは、文章を書く能力ではなかった。必要だったのは、現在の状況を知るためのデータだった。
データにアクセスできれば、Agentは投稿を集め、時刻を比較し、重複を取り除き、反応を見ながら情報を整理できる。その結果は、調査メモにも、コンテンツの切り口にも、記事の下書きにもつなげられる。
BeatAPIが担うのは、このワークフローに必要な専門能力をAgentへ渡す部分だ。汎用Agentがタスクを理解して手順を組み立て、BeatAPIが必要なタイミングでSocial Dataを提供する。モデルやワークフローAPIも、同じ考え方でAgentから利用できる能力として用意している。
新しい種類の情報が必要になるたびに、Agentを離れて別のサービスを探し、アカウントを作り、ドキュメントを読み、新しいAPI接続を保守する。その繰り返しを減らしたいと考えている。
4. 何を公開するかは、人が決める
リアルタイムデータがあっても、判断そのものが不要になるわけではない。判断に使える材料が増えるだけだ。
検索範囲は十分だったか。閲覧数の多い投稿は今回の目的に合っているか。複数の投稿が同じ出来事を扱っていないか。そこから作った切り口に、自分たちが加えられるものはあるか。
Agentは調査にかかる時間を短くできるが、編集上の判断をすべて代わりに行うことはできない。
私たちが改善を続けているのは、次のような流れだ。
問いを定める → 現在のデータを集める → 根拠を絞り込んで並べる → ブリーフを作る → 人が公開内容を決める
AIはすでに、ほとんどどんな文章でも書ける。そこに今起きていることを知る手段が加われば、何を書く価値があるのかを考えるところから手伝えるようになる。
Agentを使ったプロダクトを作っているなら、まずは時間範囲を明確にした実際の調査タスクを一つ渡してみてほしい。BeatAPI Social Dataのactionを一つ実行し、取得元、結果、利用履歴を確認してから、次に何をするかを決める。
