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社内のロールチェンジでオウンドメディアを立ち上げて編集長になった話

Last updated at Posted at 2017-12-22

ジャーニーマン( @beajourneyman )と申します。システムインテグレーターでCOBOLプログラマ、SE、PMなどを経て、現在はコンテンツマーケティング(オウンドメディア/SNS)を担当しています。まだ運用を始めて半年に満たない駆け出しです。

こちらは 編集とライティングにまつわるアレコレ Advent Calendar 2017 の22日目の記事です。

書かせていただこうと思ったきっかけ

自社のITソリューションの名前を冠したオウンドメディアを運営しています。Webマーケティングの1つ、コンテンツマーケティングを行うためのメディアです。そこで、編集長兼時々ライターをしています。

メディアの役割は、扱っているITソリューションや導入事例の紹介と、流通小売業のITご担当者さまに今後の業務に活かしていただけるとこちらが考えている情報をお届けするコンテンツの発信、その2つです。

スタートアップ、Web、アプリ業界の方から見ると、何を今更と感じられるかもしれません。所属は、エンタープライズ(企業)向けのシステム開発事業を本業にしているいわゆるSIer(システムインテグレーター)です。

同様のセグメントで見ると、メディアを運営している企業は多くなく、何らかのサイトを運営していてもコーポレートサイトに紐づいて少し記事があるケースが多いように感じてます(調べてはいません)。その点では、ロールモデルになるお手本のないチャレンジだと認識して、日々試行錯誤しています。

そんな中で、社内のロールチェンジでオウンドメディアを立ち上げて編集長になり、4ヶ月程運用した経験から、編集とライティングについて、一度アウトプットしてみようと思い立ちました。

メディアを運営する心構えについては、先日 「コンテンツマーケターのDevRelへの関心」 にて整理してみました。よろしければ、ご笑覧ください。

今日からあなたは編集長です

昔ながらのシステムインテグレータで10年余りのPM経験はありますが、メディアの編集長は全くの畑違い。「はて、どうするのか?」とは考えましたが、「無理だ出来ない」とは思いませんでした。飽きっぽくて比較的新しいことに対する免疫がある方だからかもしれません。

とは言え、社内でも前例のない取り組みでロールモデルもない、外に目を向けてもエンタープライズ系は「オウンドメディア始めましたがヤメました」という数々の声、屍累々…。強いて言えば、比較するのもおこがましいですが、企業色を徹底的に排し、チームワークというコンテキストに集中して社会現象を起こされているサイボウズさんの「サイボウズ式」位しか思いつきません(スタートアップでは少なくないと思います)。

自分なりに企画して設計して実践して検証するサイクルの始まりです。立ち上げ時は、僅かにあった過去のコンテンツを新しいデザインでリニューアルしました。必要な移行を終えて、ある程度"型(サイトの雰囲気)"が見えるところまでは、オウンドメディアのサイトの構築がメインミッションでCMSと格闘する日々でした。サイトの立ち上げ自体は、今回の編集やライティングのコンテキストではないので、簡単なご紹介にとどめたいと思います。

何もない

サイトもゼロからコンテンツもゼロからだったので、初期は、今後のコンテンツに繋がる過去リリースのWeb化に取り組みました。アイキャッチやOGPなどの画像、システム概念図、ディスクリプション(説明文)などを補完して、何にもない状態から少しずつ、コンテンツの充実を計って行きました。

最低限のメディア体裁が整ってきたら次のフェーズは、いよいよ編集長としての企画編集ミッションです。オーディエンスとしてエンゲージしたいペルソナを明確にします。流通小売業のITご担当者さま、年齢は30〜40代、男女の構成比、現場で利用するシステムやITソリューションの目利きスキルが必要、要約するとそんなイメージです。

何を書くのか?

彼らが読みたいコンテンツとは何か? キーワードを拾いトレンドをリサーチする、繰り返し繰り返しインプットを増やして、そのトレンドを体感していきます。その中でも、カンファレンス、フォーラム、サミットなどの名がつくイベントは、ヒアリングなど双方向のコミュニケーションが取れ、場の空気感から感覚的にどんなコンテキストが要注目なのか分かるため、大変助かります。

トレンドをある程度感じられたら、「トレンド×自社の持っているモノ」の組み合わせでコンテンツの企画を考えていきます。もう少し抽象化すると「ニーズ×アセット=コンテンツ」のような関係性です。今年の大きなトレンドの一つに"働き方"があったとして、それがニーズになります。アセットはそのキーワードで何が語れるのかというコンテキストによって変わってきますが、あくまで自社のアセットに拘っています。というのは、コンテンツを届ける上で、このサイトにしかない一次情報であることが、他では届けられない価値になると考えているからです。

さて何を各書くかのフレームが出来ました。次はどう書くかです。

自前主義そしてエンジニアにとってライティングは業務外

フレームに合わせて運用して4ヶ月ほど立ちました。ライターさんにはお願いせず、自前でライティングしています。編集長である自分も技術者出身なので、あるタームで1本ずつコンテンツを担当しています。

残り7,8割のコンテンツはブランドに関係のある社員メンバーに趣旨を説明し書いてもらうのが基本的なスタイルです。自分も駆け出し編集長で、ライターも普段からブログなど書いていないシステムインテグレーターの社員メンバーです(SNSをやっている方も少数派です)。仮に100人のメンバーがいたとします「書きます」と手を上げてくれる方は、1人いれば御の字です。かつ、彼らにとって、コンテンツライティングは"業務外"でインセンティブもありません。あるのは、思い「協力する!応援する!発信したい!」です。

4ヶ月経った今少しずつですが、草稿を書いてくれるメンバーが増えました。2ヶ月経過時点では、著者情報を掲載してもらえるメンバーも現れました。何人かライティングに協力してくるメンバーが支えてくれています。

「代理店使えば?」「ライターさんを雇えば?」という声が聞こえてきそうですが、自前である理由があります。大きいのは、システムインテグレーターの置かれている危機です。エンジニアリング部分をアウトソーシングした結果、技術の空洞化を招き、作れない状況を招いたという…。初めから代理店さんやライターさんにお願いしていては、自分たちで運営しているメディア、なのに自分たちのモノではない、そうなりかねません。他にも、立ち上がるか分からないリスクの大きいミッションに費用は掛けづらいや、そもそも未経験なので評価も難しいなど、後ろ向きなものもあります。

これからのこと

実際に寄稿までに至らなくても、コンテンツマーケティングの有用性に理解を示してくれるメンバーをもっと増やしていきたいと思います。そのためのエンジンは、コンテンツの末尾にある「いいね!」ボタンです。コンテンツのストーリーに共感いただいた方からのリアクションは、ライターさんのモチベーションやライティングすることの意義や意味そのものに繋がっています。

オーディエンスの思いを丁寧に捉えて、思いに知見のあるメンバーにライティングして貰う、コンテンツにリアクションが集まりお返ししていく、そのループを回せるように、日々活動して行きたいと思います。

メンバーの皆さん、本当に草稿を寄せていただきありがとうございます。この場を借りて改めてお礼を言わせてください。

駆け出し編集長の拙いブログを最後まで読んでいただきありがとうございます。もし、来年も同じように携われた(道半ばでクローズになっていなければ…)、是非また1年の振り返りを書かせていただきたいと思います。このような機会をいただくことに繋がったアドベントカレンダーの発起人 Mohri さんにも御礼申し上げます。ありがとうございます。

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