この度、自動更新購読を使ったアプリを、ストアから削除することになりました。
かなしいですね。
ところで、実際に自動更新購読を使ったアプリをストアから削除した場合、ユーザー側で既にダウンロード済みのアプリってどうなるんだろうか。
なにかアプリ側で特別な処理がいるんだろうか。
ググってもどうもちゃんとした情報が見つからなかったので、実際にAppleに問い合わせをしてみた。
念の為に書いておくと、この話はあくまで2017年8月28日時点でのAppleからの回答です。
ここ最近自動更新購読のシステムが変わったりしているので、未来永劫ここに書いて有ることが正しいとも限らないです。
少しでも不安に思ったらAppleに問い合わせると良いかと思います。
アプリのストアの配信状態と、アプリのプロダクトの配信状態はそれぞれ独立
これはAppleのテクニカルサポートにも連絡して確認したが、アプリをストアから取り下げたとしても、アプリの自動更新購読プロダクトをストアから取り下げない限りユーザーは自動更新購読で継続課金をすることができるとのこと。
Appleへの質問とその回答は次の通り。
Q1. When we remove the app from app store, users who downloaded the app can refresh and verify Auto-Renewable Subscription receipt?
Response - If all you do is to remove the app from sale, but leave the In-App Purchase auto-renewing subscription items as “Cleared for Sale”, then the existing users will still their credits cards charged for the auto-renewing subscription items. As the auto-renewing subscription items renew, the transactionObserver in the app should continue to detect the renewal purchases and the appStoreReceipt in the app shall be updated to reflect the renewals.
この回答から、自動更新購読プロダクトの配信可能設定がオンになっている限り（Cleared for Sale）、プロダクトは自動更新購読され続けるとのこと。
なので、iTunesConnectのプロダクトの配信可能設定をオフにしないといつまでも自動更新購読され続けてしまう。
配信可能設定はiTunesConnectのプロダクトの設定から変更することができる。
コンテンツをAppleから配信している場合は特に問題はないのだが、コンテンツを自社サーバーから配信している場合は、アプリをストアから削除してコンテンツ配信サーバーも落としちゃうと、ユーザーのアプリ継続課金中なのに使えない、ということになりかねないので気をつけるべし。
自動更新購読プロダクトの配信をオフにした場合の挙動
自動更新購読プロダクトの配信をオフにした場合、ユーザーのプロダクトは自動更新が行われなくなり、自動更新に伴う新しい課金も行われなくなるとのこと。
ただし、すでにダウンロード済みのコンテンツについては引き続き利用できなければならないし、サービスを提供している場合は各ユーザーの自動更新購読期間満了まで使用し続けられなくてはならない。
ちなみに、自動更新購読プロダクトの期間は、ユーザーがプロダクトを購入したときから積算するので、ユーザーによっては購読満了日がまちまち。
なので、全てのユーザーの購読期間が満了するには最低でもプロダクトの配信設定をした期間だけ待たなければならない。
ユーザーの購読期間満了前に自社のコンテンツ配信サーバーを落としちゃった場合
これ結構微妙な話なのでなんとも言えないのだが、Appleに問い合わせた際の話だと、ユーザーから問い合わせがあった時に個別に対応して返金、ということがあるとのこと。
ただ具体的な返金基準等は教えてもらえず、また、ユーザー毎に購読期間満了日を勘案して個別対応で返金額を算出するらしい。
最終的にすべての返金分は、iTunesConnectを通してデベロッパーに請求するそうなので、気をつけようという話。
最終的なアプリの取り下げ方。
- 事前に余裕を持ってユーザーに対してサービス終了の告知をする
- サービス終了期日にアプリをストアから削除。同時にアプリ内自動更新購読プロダクトの配信設定もオフ
- 自社サーバーからコンテンツを配信している場合は、自動更新購読プロダクトで設定していた配信期間は最低でも稼働させておく。
- 配信期間終了をもって自社のコンテンツ配信サーバーを停止