「AIエージェント」という言葉を最近よく見かけるようになった。
だが、ChatGPTと何が違うのか、最初は正直よくわからなかった。どちらもAIじゃないのか、と。
調べていくうちに気づいたのは、これは「性能の差」ではなく「アーキテクチャの差」だということだ。
ChatGPTは「応答する」、AIエージェントは「実行する」
ChatGPTはリクエストに対してレスポンスを返す。それで処理が終わる。
いわゆる「入力→出力」のステートレスなやり取りだ。次のアクションは人間が担う。
AIエージェントは異なる。
ゴールを渡すと、タスクの分解・ツールの呼び出し・エラーハンドリング・結果の返却までを自律的に行う。
具体例として「今週末の旅行を手配して」という指示を考えてみる。
ChatGPT:おすすめの場所や行程案を提示する
AIエージェント:カレンダーを参照し、交通手段を検索し、条件を比較し、予約処理まで進める
「情報を返す」のか「結果を出す」のか。この違いは、設計思想のレベルで異なる。
なぜ現状のAIツールは「高性能なのに使いにくい」のか
個々のAIツールの性能は高い。だが実際に使っていると、ユーザー自身が「つなぎ役」になっていることに気づく。
カレンダーツールはメールツールのコンテキストを持たない。分析ツールは実行ツールと連携しない。ツール間のギャップを、人間が手動で埋めている。
これは設計上の問題だ。
AIエージェントが解決しようとしているのは、まさにこのインターオペラビリティの欠如だ。ツール同士が通信し、タスクをハンドオフし、フローを止めずに処理を継続できる仕組みを作ること。
まだ未完成だからこそ、今が設計を理解するタイミング
率直に言うと、AIエージェントの技術はまだ発展途上だ。
信頼性、セキュリティ、コスト効率——課題は多い。
ただ、インターネット黎明期もスマートフォン登場初期も、「荒削りな段階」があった。その時期にアーキテクチャを理解していたエンジニアが、後の変化に対して自然に対応できていた。
AIエージェントも今がその段階だと考えている。
完成を待つより、設計の変化を追い続ける方が、エンジニアとしては面白いと思う。
