はじめに
転職して改革推進課に配属されたとき、
- 色々改善して、みんなから感謝されるぞ!
って燃えてました 😍
けど、世の中そんなうまくなくて、最初は諦めを感じることもあった。
7 年以上経った今、振り返ってみると、なんかやってきてよかったなぁと思えることがちらほら出てきててて・・
今回このアドベントカレンダーで書くきっかけをもらって、振り返られたのはとてもよかった。ありがとうございました ![]()
この記事は、上から改革を指示するだけじゃダメだろ!って気づいてから、現場に飛び込んで草の根活動を続けたの話・・かな?
入社直後:改革を担うってことで転職したけど、理想と現実のギャップがすごかった
「改革推進課」っていう、めっちゃカッコいい名前の部署。採用理由も「なんとかします」って言葉を買われたらしい。後から聞いたことだけど
やってたこと:BPM で業務フローを見直す
BPM(Business Process Management) で業務フローを作成し、関連部門との全体最適化を考慮した、フロー見直しを推進する。
これ自体は正しいアプローチだと思う。
- 各部署の業務フローをヒアリング
- プロセスマップを作成
- ボトルネックを特定
- 改善案を提示
理論的には完璧。でも...
実態:音頭取り = 指示出しの軍隊的組織
実際の現場はこんな感じだった:
改革推進課「フローを記述して、期日までに提出してください」
現場「はい...(でも具体的にどうすれば?)」
改革推進課「次回までに進捗報告お願いします」
現場「はい...(何から手をつければ?)」
- 書き方は教えるが、改善には口を挟まない。そこが重要だろ!と思いつつ・・転職直後で黙ってしまっていた・・
指示するだけ、音頭取るだけ。まるで軍隊的な「上から言われたことをやる」組織文化
本当に必要なのはサーバントリーダーシップとか冒険的組織的なアプローチだったんだけど、転職直後で空気も読めないし、問題点を指摘するのも難しかった。
冒険的組織の作り方、はとってもいい本なので、知らない人は、書店で立ち読みしてください。
サーバントリーダーシップ系の本でも大丈夫
失敗:上から言うだけじゃ、現場は 1 ミリも動かない
ひと月ほど様子をみて、痛いほど分かったこと。
BPM のフロー見直し自体は正しいのに...
理論は正しい。でも手段と目的を履き違えてる。
そもそもの問題は
- 個別最適化にみんなが行ってしまうのは、誰もが
Takerだから。 -
Giverになる利点を、組織として提供してないから
なぜか?:
- 現場の人は日々の業務で忙しい
- 「改善しろ」って言われても、具体的にどう手を動かせばいいか分からない
- ツールの使い方も、そもそも知らない
- 「また上から何か言ってきた」って感覚
- 他人のために貢献しても評価されない
組織の問題も大きいよね
口だけの限界
- 分析もしない
- 提案もしない
- 単に、やらせようとしてるだけで、本当に改善したい、という熱意が部署にもない << ココ
これじゃダメだ。「やってみせる」がないと、何も伝わらない。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
ですよね
転機:現場に入る決断 & Yammer で発信を始めた
悩んだ末、上長に提案したのがこれ:
「現場に入って、困っていることをソフトウェアの力で解決させてください」
幸い、上長は理解してくれた 👍
戦略:手を動かして信頼を得る
方針を変えた:
- 現場の困りごとを直接聞く
- 自分で解決策を作って見せる
- 一緒に使い方を覚える
コンサル(にもなってないけど)じゃなくて、一緒に働く仲間になることにした。
閉塞感打破:Yammer を積極的に発信場所に
もう一つやったのが、Yammer(社内 SNS)の活用。
社内は結構閉塞感があって、部署間の壁も厚かった。だから、Yammer で積極的に発信することにした:
- 「こんなツール便利ですよ」
- 「この業務、こう効率化できます」
- 「困っている人いませんか?」
- 困っている人への手助けを、公開の場で継続
最初は反応ほぼゼロ 😇 でも、めげずに続けた。
そしたら徐々に仲間が増えていったのが、幸せの始まり ![]()
実装:小さく始めて、種を蒔いていく
現場に入って、実際にやったこと。
Phase 1: RPA 投入(WinActor, BizRobo!)
最初はRPA(Robotic Process Automation) から。
なんで RPA から?
- RPA 出てきた当初は万能感があった
- 「ロボットが代わりにやってくれる」って分かりやすい
- 単純作業の削減で、すぐに喜んでもらえる
実際に導入した例:
【導入前】
- 毎朝、複数のExcelファイルを開いて手作業でコピペ
- 30分〜1時間かかる
- ミスも発生
【導入後】
- RPAが自動でデータ収集・集計
- 5分で完了
- ミスなし
これで**「この人、本当に役に立つ」**って信頼を得始めた。
まぁ、実際はこの程度は、RPA じゃなく、Power Query だったり、Power Automateなんかで対応したわけで、現場の人に、RPA とか自動化をすることでの利点を感じてもらおうとしたってところがポイント
Phase 2: Power Platform 導入、市民開発者育成へシフト
RPA やツール作成で信頼を得たところで、次のステップ。
Power Platform の導入を始めた。理由は:
- RPA は初戦、システム連対応待ちの時限策
- RPA を外注したり、継続開発したら、運用費用がうなぎのぼりで無駄もいいところ
- ローコードだから、プログラミング経験なくても使える
- 市民開発者を育成できる(IT 部門に依存しない)
- Power Automate、Power Apps、Power BI で幅広く対応可能
自分の業務を自分で改善出来るようになる。これが目標だった。
ドメイン一番詳しい人が改善できるのが最強だよね
Phase 3: Excel Power Query から教育スタート
でも、いきなり Power Apps とか言っても難しい。だからなじみの深いところから攻める戦略にした。
Excel Power Queryから入った理由:
- みんな Excel は使える
- Excel の延長線上にある機能
- データ整形の基本が学べる
- ここで慣れたら、Power BI へ移行しやすい
教育を何度も実施した。社内勉強会、部署別講習、個別サポート。
Yammer での発信も続く
並行して、Yammer での発信も続けてた:
- Tips 共有
- グループ会社内での困りごと支援
- 新技術やニュースの紹介
地道に、地道に。
転機 2:小さな活動が、思わぬ形で広がり始めた
続けてたら、思わぬ展開が来た。
グループ内「情報共有 MVP」的な表彰を受賞
Yammer での発信活動が評価されて、グループ内の情報共有 MVP 的な表彰を受賞した 🎉
正直、びっくりした。「ただ困っている人を助けてただけなのに...」って感じだったけど、見てくれている人はいたんだなってのが嬉しかった 🤣
グループ会社内イノベーターチームに誘われる
そして、その受賞がきっかけでグループ会社内のイノベーターチームに招待された。
このチームがめちゃくちゃ重要だった。なぜなら...
親会社の IT 統括系の人と出会う
イノベーターチームには、親会社の IT 統括系の人が主催してた
ここで知り合えたことで、後の グループ内 User 会立ち上げがめちゃくちゃスムーズになった。組織の壁を越えて動くには、こういうネットワーク(人脈)が本当に大事。
小竹さんの事例に触発される
この頃、こんな記事に出会った:
「一歩踏み出したその先に、何があるかわからなかった。でも、その先の景色を見てみたかった」
実際には、Microsoft の Power Platform 導入支援の情報共有会みたいなのに参加した中で知ったわけだけど
社内 SNS での一つの投稿から、部署を越えた有志の輪が広がり、全社学会で発表するまでになった事例。
めちゃくちゃ共感した。「草の根活動の先に楽しいことありそう」って。
この記事を見て、User 会を立ち上げる決意が固まって、書いた記事がこれ:
苦労:10 人教えても、身につくのは 1 人いるかどうか
教育の現実
勉強会開催して、10 人とか受けに来ても、ほとんど身につかないことが多かった。
受講者100人
↓
実際に使ってみる人:3人
↓
継続して使う人:1人 << いればいい方
↓
他の人に教えられるレベル:0人
こんな感じ。歩留まり率、めちゃくちゃ低い 😅
離脱率超高いので、サービスなら憤死もの
それでも、アーリーアダプターが出たときの嬉しさ
でも、たまにアーリーアダプターが現れる。
- Power Query を覚えて、部署のデータ整形を自動化した人
- Power Automate で通知フローを作成した人
- Power BI で社内の技術発表で視覚化プレゼンした人
こういう人が出ると、めちゃくちゃ嬉しい🥰
特に、Power BI で視覚化し始めた人が出たときは、嬉しかった
まぁ・・そのころにはその部署も、その事業所からも離れてましたけど ![]()
地道に種を蒔き続ける日々
成功率が低くても、続けるしかない。
- 常に情報発信
- 個別サポート
- Yammer/Teams での質問対応
- 成功事例の横展開
種を蒔き続ければ、いつか芽が出る。そう信じて続けた。
芽吹き:気づいたら、草の根で動き出す文化が育っていた
8 年目の今。景色が少しずつだけど違ってきた気がする
「誰かに聞けば教えてくれる」安心感の醸成
気づいたら、こんな文化ができてた:
- 「Power Platform で困ったら、User 会で聞けば誰か答えてくれる」
- 「Yammer に投稿すれば、誰かが反応してくれる」
- 「新しいツール試したら、共有すれば喜ばれる」
心理的安全性が高い環境に、ほんの少しなってるところが出てきた
小竹さんたちの事例と全く同じ構造のはず
コメント欄の盛り上がり・コミュニケーション・他部署同士でも心理的安全性を高めながら互いを高め合う「インスパイア合戦」
— 小竹さんたちの事例より
部署を離れても、文化は続いていく
該当部署は早々に潰れて、働く場所すらも今はちがっているけれど、
当時始めた活動は今も続けてることが多い。
そう、文化は続いてる。
User 会は、会社組織に運営が移管されて、新しいメンバーもどんどん増えてる。
※自社からは評価されたこと全くないんですけどね 🤣🤣🤣
文化が育った証拠
具体的な成果として:
1. グループ全体 3000 人超の Power Platform User 会に成長
最初は 3人で始めた User 会が、グループ全体で3000 人を超える規模になった。
- 組織的に月 1 回のオンライン勉強会があったり
- Teams での質問・相談チャンネル
- User間での助け合い
- 成功事例共有会
Giver 文化が育ってるのが素敵
2. Azure User 会も続けと立ち上げた
組織運営に変わったので、Azure 関係は別に、Azure User 会を立ち上げたら、すぐに声がかかって運営をしてくれる人が増えた
3. 社内クラウド勉強会も別に誕生
さらに、全社的なクラウド勉強会も別に立ち上がった。
これは完全に自主運営。「学び合う文化」が定着した証拠だと信じたい
4. Power Platform 文化の浸透
「Power Platform って何?」って状態だったのが、今では:
- 社員研修に Power Platform 講座が組み込まれた
- 会社内の Power Platform Team が作られた
- グループ全体のがあるんだから、ちょっと疑問ではあるけれど
現在は、生成AI推しでもあるんだけど、この文化は活きてきてると思う
5. 遠方事業所からの感謝の声が届く
たまに、会ったこともない遠方の事業所の人から、間接的に感謝の言葉が聞こえてくる。
- こういう場所を作ってくれたことで、相談しやすくて助かりました
こういうのが聞こえてくると、ほんとうに嬉しい🥰
あとがき
7 年やってきて、学んだこと。
「やってみせる」から「一緒にやる」、そして「文化になる」
レベル1:指示する(失敗)
↓
レベル2:やってみせる(信頼獲得)
↓
レベル3:一緒にやる(スキル伝達)
↓
レベル4:見守る(自走支援)
↓
レベル5:文化になる(自己増殖)
最初は「レベル 1」で失敗した。でも、「レベル 5」まで来れた。
トップダウンとボトムアップのバランス
組織改革って、どっちも必要だと思う:
トップダウン:
- 方向性を示す
- リソースを確保する
- 制度として支援する
ボトムアップ:
- 現場で実践する
- 成功事例を作る
- 横展開する
僕がやってきたのは、明らかにボトムアップ。でも、上長がリソースを確保してくれたから、できたこと。
文化は、指示じゃ作れない。小さな行動から育つ
一番伝えたいのはこれ。
文化は、上から「作れ」って指示しても作れない。
でも、小さな行動を続ければ、勝手に育つ。
- Yammer での発信
- 月 1 回の勉強会
- 個別サポート
- 成功事例の共有
どれも小さなこと。でも、続ければ芽が出る。
小竹さんたちの事例も同じ:
とりあえずやってみたことがよかったと思います。
— 小竹さんの言葉
次に繋がる人へのメッセージ
もし、今「組織を変えたいけど、どうすればいいか分からない」って悩んでる人がいたら、こう伝えたい:
- まず、自分がやってみせる
- 小さく始めて、継続する
- 成功体験を共有する
- アーリーアダプターを大切にする
- 文化は、時間をかけて育つものだと信じる
Yammer でも、Teams でも、Slack でも、なんでもいい。公開の場で、手助けを続ける。それだけで、文化は育ち始める。
時間かかったけど、やってよかったって今は思えるし、これからも頑張ろうって気になってます。
ほんと、誰かのためになる喜びって得難いものだよね
愛せよ、されば愛されん
みんなも Giver になろう!楽しいよ ![]()
参考リンク