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spresenseAdvent Calendar 2021

Day 13

Spresenseカメラからのキャプチャ画像をリアルタイムにProcessingに転送してライブストリーミング再生する

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はじめに

Spresenseカメラから撮影したJPEG画像をリアルタイムにPC上に転送してPC上でストリーミング再生(っぽいことを)するアプリケーションを作成しました。SpresenseをUVC(USB Video Class)カメラデバイスとして使うようなイメージです。

PCアプリケーション側はProcessingツールを用いて動画再生、実際には動画ではなくJPEG画像のパラパラ漫画風再生、を行います。

実際に動作している様子(Qiitaにアップするためにgif化しているのでカクカクしてます)
UsbLiveStreaming2.gif
JPEGデータの転送は、USB UVCクラスの代わりにCDC/ACMクラスを使用してシリアル転送します。今回のアプリを実現するのに、UVCクラスドライバがあればそれで良いんですが、真の目的はストリーミング再生ではないのでCDCクラスの方が自分にとっては都合が良くて、このあたりは後述します。

用意するもの

つらつらと挙げましたが、必要なボードはメイン、拡張、カメラボードの3点セット、ソフトウェアは、ProcessingとArduino IDEがインストールされていること、Spresense Arduinoパッケージを入れていない人は、公式サイトのSpresense Arduinoスタートガイドを参照してインストールしてください。また、USBSerialライブラリ(自作)を使用するので、Arduino/libraries以下にインスールしてください。
USBSerialについての過去記事はこちら

通信仕様

ProcessingとSpresenseとの通信仕様は超シンプルなものにしました。
image.png
Processingから開始トリガを送ったら、SpresenseからJPEG画像データのサイズ、実データの順番で転送します。サイズ分の転送が終わったら、最後にProcessingから終了トリガを送ります。

これをJPEG画像1枚ごとに繰り返し実行します。

転送間の同期や転送チェックサム等も省略したプロトコルなので、エラーが発生したらそのフレームは捨ててはじめからやり直すような簡単なエラーリカバリ処理を入れています。

使い方

ハードウェア接続

  1. メインボード、拡張ボード、カメラボードを接続します
  2. メインボードとPCをUSBケーブルで接続します
  3. 拡張ボードとPCをUSBケーブルで接続します

Arduino

  1. Arduino IDEを起動します
  2. Arduino/UsbLiveStreaming/UsbLiveStreaming.ino スケッチをオープンします
  3. 書き込みを行います

デフォルトの画サイズはVGAにしています。MainCoreしか使用しないので、[ツール]->[Memory]のサイズは、最大の1536KBを選択しておきます。
ArduinoIDE

Processing

  1. Processingを起動します
  2. Processing/UsbLiveStreaming/UsbLiveStreaming.pde スケッチをオープンします
  3. スケッチ内のSERIAL_PORTNAMEをお使いの環境に合わせて変更します
    シリアルポートは、拡張ボード側のUSB CDC/ACMで接続されたシリアル番号を指定します。
    SERIAL_PORTNAMEのデフォルトは、macOS用に/dev/cu.usbmodem01になっています。
    画サイズのデフォルトはVGAです。変更する場合は、Arduinoスケッチと合わせて変更してください。
    Processing
  4. スケッチを実行すると、UsbLiveStreamingウィンドウが表示されます。
    UsbLiveStreaming
  5. この画面をクリックすると、そのときのJPEG画像をdataディレクトリに保存します。

さいごに

本当はライブストリーミングをしたかったわけではなく、AI機械学習するときに例えばカメラ画像をSDカードに保存してそれを取り出して、というのが面倒だったので、画像データをその場でラベリングできて直接PCに転送できれば便利だなと思って作成したのがきっかけです。単なるJPEG転送だけの表示に簡素化したものが本アプリケーションです。

今後の応用として、通信プロトコルのコマンド仕様をもっとちゃんと決めて、カメラの細かいパラメータを設定しつつ描画結果を確認できるような画づくりツールにしたり、画像データに限らず、音声データも含めて任意のデータをPCに転送できるようにしたり、ということを検討しています。

メインで使用している開発マシンのMacBookでは問題無く動作していたのですが、Windowsで試すとシリアル通信エラーが多発しました。なんちゃってプロトコルのせいもありますが、USB CDC/ACMの動作がPC側のスペックに大きく依存してしまってそうです。

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