Cost Categoriesとコスト配分タグの違い
Cost Categories(コストカテゴリ)とコスト配分タグ(Cost Allocation Tags)は、AWSのコスト管理において使用される2つの異なる機能で、それぞれに独自の目的と特性があります。以下にその違いを整理します。
項目 | Cost Categories | コスト配分タグ |
---|---|---|
目的 | コストをカスタム分類して分析やレポートを容易にする | 特定のリソースに関連付けてコストを分類する |
設定対象 | アカウント全体のコスト分類 | 個々のリソースごとの分類 |
分類の基準 | タグ、サービス、アカウント、請求書などの複数の基準 | タグのみ |
設定方法 | AWS Cost Categoriesで直接設定 | AWS Billing and Cost Managementで有効化 |
適用範囲 | 組織全体でのカスタムコスト分析に適用 | 各リソースの詳細なコスト分類に適用 |
動的更新 | 動的ルールで自動更新可能 | タグをリソースに付与することで分類を反映 |
レポートとの連携 | AWS Cost Explorer、Budgetsと連携 | Cost ExplorerやCSVファイルで確認可能 |
管理の柔軟性 | ルールベースで柔軟に設定可能 | タグの付け忘れがあると反映されないリスクあり |
詳細な違い
Cost Categories
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主な用途
コストをより高いレベルで分類し、組織全体でのカスタムビューを作成。 -
使用例
- 部門ごとの分類(開発部門、営業部門など)
- 複数プロジェクトをまたいだコスト分析
- サービスごとの全体的な支出管理
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利点
- アカウントやサービスを横断したコストの可視化。
- 動的ルールにより管理が効率化。
コスト配分タグ
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主な用途
AWSリソースの個別コストを追跡し、詳細なコスト分析を可能にする。 -
使用例
- 特定のEC2インスタンスに付与したタグでコストを分類。
- S3バケットごとのストレージコスト管理。
- タグ「Project:A」でプロジェクトごとの支出追跡。
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利点
- 詳細なレベルでのコスト割り当て。
- 特定のリソース単位での追跡が可能。
使用する場面の違い
Cost Categoriesを使用すべき場面
- 部門やプロジェクト単位で組織全体のコストを管理したい場合
- コストデータを単純化してレポートやダッシュボードで表示したい場合
コスト配分タグを使用すべき場面
- 特定のリソースや環境(例えば開発環境や本番環境)のコストを正確に追跡したい場合
- リソースごとの詳細なコスト分析を必要とする場合
組み合わせた運用の例
両方の機能を組み合わせることで、より効率的なコスト管理が可能です。
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コスト配分タグでリソースを分類
各リソースに「Environment: Dev」や「Project: A」などのタグを付与。 -
Cost Categoriesで高レベルな分類を作成
「開発環境」「営業部門」などのカテゴリを作成し、複数タグをまとめる。 -
Cost Explorerで分析
カテゴリ別の月次レポートを確認しつつ、タグ別に詳細を分析。