オンプレミスからAWSへの動画管理システム移行
近年、多くのメディア企業が膨大な動画データを効率的に管理し、検索性を向上させるために、オンプレミス環境からクラウドへの移行を検討しています。本記事では、移行前後のシステムフロー図を用いて、課題と移行による改善点を具体的に解説します。
移行前のシステム
フロー図:移行前
現状の構成と課題
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オンプレミス環境
- 動画データはオンプレミスのテープライブラリに保存され、MAMソリューションが管理。
- 動画の参照や検索は可能ですが、メタデータがないため、検索性が限定的。
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課題
- 検索性の低さ:動画内容に基づく検索ができず、ユーザー体験に制約。
- 収対速度の低下:物理的なテープライブラリからデータを収対するため、リクエスト処理が遅い。
- 拡張性の制約:データ量が増えるにつれて物理ストレージの負担が大きくなる。
移行後のシステム
フロー図:移行後
移行後の構成と改善点
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AWSクラウドへの移行
- オンプレミスのデータをAWS Storage Gatewayを介してAmazon S3に移行。
- Amazon Rekognitionで動画内容を自動解析し、モノ、人、テキスト、シーン、アクティビティなどを識別。
- MAMソリューションに必要なメタデータを統合。
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メリット
- 検索性の向上:自動生成されたメタデータにより、動画内容に基づく高度な検索が可能に。
- 高速なデータ収対:AWS Direct Connectで安定した高速転送を実現。
- 拡張性の確保:クラウド環境でデータ容量に制約がなくなり、長期運用が可能。
移行前後の比較表
No | 項目 | 移行前(オンプレミス) | 移行後(AWSクラウド) |
---|---|---|---|
1 | データ保存 | テープライブラリ | Amazon S3 |
2 | 検索性 | メタデータなし(限定的) | 自動生成されたメタデータで検索 |
3 | 収対速度 | 低速(物理的制約) | 高速(Direct Connect使用) |
4 | 拡張性 | 容量制約あり | スケーラブル(クラウド利用) |
5 | メンテナンス負荷 | テープライブラリの物理管理が必要 | クラウドにより管理負荷辻減 |
結論
AWSへの移行により、動画データの管理効率が飛躍的に向上します。特に、Amazon Rekognitionを活用したメタデータ解析によって、動画内容を精密に検索・分析することが可能になります。また、AWS Storage GatewayとDirect Connectを利用することで、オンプレミスからクラウドへのスムーズな移行が実現します。