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NICじゃない、チームに必要なチーミング

Last updated at Posted at 2017-12-16

ディップ Advent Calendar 2017 2日目でスプラネタな、チームに参加する人目線の記事を書いたので、
こちらは、チームを作る側の目線で書いてみます。

チームの機能不全

なんか、みんな個人プレーで、情報共有も曖昧なんだよなー
とか、陰口が多いな、このチームは。。。
とか、気持ちよく仕事できなくて、成果もそんなに出ないけど、
まぁこんなもんでしょ?って終わってしまう経験、ありませんか?

チームで仕事してるのに、達成感があるわけでもなく、自分の仕事は終わらせた。
って感じることが多い時は、すでにチームである必要がありません。
機能不全に陥ってる可能性が高いです。

チームが機能するとは、どういうことか

こちらの本
のタイトルなんですが、チーム作りをする時に、気をつけるべきエッセンスが
沢山載っています。実際に試し、試行錯誤した結果、わかったことをまとめてみます。

結論

成功すると、プロジェクトに参加した人々がまとまり、チームがまるで「1人の人」
のように、各所が自立しながらも、適切な指示伝達が届き、
失敗は改善され、楽しそうに仕事をします。

NICではなく、仮想の1人の人として、沢山の人をまとめる チーミングでした。

ただし、そこに至るまでの道中は、なかなかにしてしんどい。

前提

チームとは

一つの目標について、あらゆるジャンルで協力すべき人たちの集まり

エンジニアだけの問題ではないというところを考えないといけません。
企画、ディレクター、営業、バックオフィス、etc...
とにかくその「目標」に関わる人達全てを チームと言います。

なんのためにやるか

■ 不安定な未来に対し、チームとして成長しつつ、目標を達成する

  1. チームとして成長することで、安心感が増す。
  2. 安心感が増すと、人はさらに行動に移す。
  3. 行動に移し、勉強すると、人は成長する。
  4. 人が成長し、チームに寄与すると、チームとして成長する。
  5. チームとして成長することで、安心感が増す。
  6. 安心感が増すと。。。(以降繰り返し)

■ チームで達成した時の一体感と多幸感を味わいたい

ユーザーに喜んでもらう前に、自分たちは喜んでいますか?

どんなに美味しい料理でも、作る人の心情によって味が左右されるものです。
それは、「心遣い」という形で、つくられるモノに表現されてしまうからだと思います。

システムも同じ。自分達が悲壮感に溢れて作るなら、きっと仕様通りのシステムは
できるでしょうが、きっとそれだけのモノにしかならないでしょう。

個人の成長は、一緒に仕事をする仲間に依存するのを知っていますか?

転職する時は、「刺激的な仲間」「安心できる仲間」と、仲間を追い求めるのに、
いざ働いていると、「仲間のため」とか考えなくなったりしませんか?
刺激的で安心できる仲間が見つかるまで、転職を繰り返すのでしょうか。

無ければ作ればいい。がエンジニア魂
刺激的で安心できる仲間も、いないと感じるのであれば、作ればいいんです。

チーミングのやり方

とても簡単で、

  • 率直に意見を言う
  • 試みる
  • 省察する
  • 協働する

を行い続けるだけです。

なんですが、とても難しい。細かく見ていきます。

率直に意見を言う

これは、「成長・達成するための意見」を指します。
愚痴は笑いのネタにする程度。

「なぜ失敗したのか」
「なにが問題だったのか」
「なぜ回避できなかったのか」
を、犯人探しのためではなく、成長・達成のために意見を言います。

また、一度チームとして肯定したものを、後から「結果だけを批判する」のは、フェアではありません。
失敗はチームの責任として捉え、成長するために会話をする必要があります。
「だからいったのに!」は禁止です。

ちなみに、議論に参加しない人ほど、結果だけ批判することが多い気がします。
議論に参加しないのは、ただ唯々諾々と従うことを承諾しているのと同義。
意見があるなら、最初から話をして行きましょう。

省察する

失敗をした人は責められることが怖いし、自分のせいと捉え、恥ずかしい思いをするかもしれません。
ここで「黙る」を選択すると、何も教訓が得られなくなります。
自分が失敗したことを、誰よりも知っているのは自分なので、
一番発言をするべき人は、実は失敗した人です。

メンバーは、それを責めたり、鼻で笑ったり、未熟だと侮ったりしてはいけません。

失敗した人の経緯を真剣に聞き、チームとして

  • どうしたらフォローできたのか
  • どうやったら回避できたのか
  • 次はどうしたらいいか

等を省察します。ここですごく大切なのは、

「失敗した人の行動を改善する」ではなく、「チームとして行動すべきことは何か。」
を考える必要があります。

失敗した人の行動を変えようとチームで話すことを、吊るし上げと言います。
吊るし上げると、人は話さなくなり、行動を変えなくなります。

そうではなく、チームに必要な行動として、みんなで考えます。
失敗した人も、許してもらえる!と甘えることなく、ストイックに積極的に、
自らの改善のために耳を傾けましょう。

これが続くと、「失敗」を話すことが怖くなります。

常に前向きに考え、ともに成長するチームとしてとらえられるようになります。

試みる

省察し、必要と判断したことは、全て試みます。
新たな成功と失敗を産み、さらに省察は深まっていきます。

そもそも、省察したり、試みる「時間が無い」という人もいます。
その時に気付けなかった「失敗」が後になって「発見」されるリスクと、
今はその時間すら惜しいのかは、天秤にかけて、チームでコントロールすべき事項です。
リスクが高いならやるべきですし、時間を費やすことのリスクが高ければ、やらなければ良いと思います。

ただし、

「時間が無い」は、できない理由だとは思いますが、やらない理由にはならない

とは思います。

協働する

順番が前後してますが、率直に言う、省察する、試みるの3点を行う上のベースとなる考え方です。

先がわからない状況下で、自在に舵を切って進んでいくためには、
協力して働く。という言葉通り、全員がこの意識を持ち、一つの目標に向かって進む必要があります。

チーミングのやり方まとめ

PDCAと何が違うの?という感じも受けますが、
PDCAは枠組みで、チーミングは心意気です。
また、ショートスパンどころか、チーミングは何かしらの結果が出た時点で、
速やかに行われるものです。特定の結果は速やかに、自然とチームに共有され、
必要な人が集まり、次はどうする?って議論が始まります。

エンジニア人生で、二桁のプロジェクトに参加してきましたが、
うまくいったな!またやりたいな!と思う仲間に出会えた時は、
チーミングなんて言葉は知らなくても、全てでは無いにしろ、近い動きになっていたと思います。

せっかく出会えた仲間たちと、より良い仕事と素晴らしい達成感を味わえる、
しっかりとしたチームにして行きたいですね。

チーミングを試される方へ

ここからは、ご自身がチーミングに興味があり、導入してみようと考えられている
リーダー層の方向けに書いて行きます。
基本的に、「私の経験では。」なので、どうぞご参考までに。

まずやることは

もう一度、チームをよく見てください。

  • メンバーとの関係性はどうですか?
    • 今のやり方を壊してでもやる必要がありますか?
  • リーダーシップの取り方はどうですか?
    • トップダウンの場合、あなたから傾聴することはできますか?
    • フォローアップの場合、丸投げしてはいませんか?積極的なチームへの関与はできますか?
  • あなたの上司やプロジェクトの関係者は、この取り組みに賛成していますか?
    • 失敗した時に、あなたの上司やプロジェクト関係者が、あなたのメンバーに直接怒ったりしませんか?
    • 上司の怒りを、全てあなたが吸収しきる余裕と自信がありますか?
    • 例え余裕と自信がなくても、やりきる意思はありますか?

Noが一つでもあれば、一旦次の機会を待ったほうが良いと思います。
周到に準備をしてからやりましょう。
特にチームが一時的にでも混乱し、アウトプット量が下がります。
その後量は戻るにしても、上司や関係者からは説明を求められるでしょう。
上司には、しっかりと説明して理解してもらわないといけません。
一番恐るべきは、これのせいで、メンバーの評価が下がることです。
そうなっては、二度と誰にも協力してもらえないでしょう。

メンバーにやってもらうこと

メンバーには、「どうやるのか」に書いた行動を、チャレンジしてもらってください。
それだけで良いです。

チーミングをすることも、チーミングの対象です。
なぜ、チーミングがうまくいかないのか。
言い換えれば、チーム内のコミュニケーションがうまくいかないのか。
を、素直に失敗を反省し、試行する必要があります。

うまくいかないから、諦めるのではなく、
うまくいかないから、学ぶものがある。

と捉えてもらえるように、進めていきます。

リーダーが考えること

リーダーポジション(PM、PL、課長、部長などなど)の方は、
メンバーのモチベーションを導き、保ち、行動を促すことが重要になります。

いざチーミングをやってみると、とにかく、自分に足りないところが山ほど見つかります。
五十六の言葉も、カーネギーの言葉も、色々試行錯誤しないといけなくて、
常に「伝え方」を工夫し、「意識」する必要があります。
人が変わるとポイントも変わり、そのたびに苦労しますが、軌道に乗り始めると、
少しづつ仕事がなくなっていきます。

■ チーミングを始める前に、理想像を伝える

メンバーに活気があり、闊達に意見交換が行われ、一つの目標に進むチーム。

そんなチームを思い描き、理想像としてメンバーに共有し、
今のチームがここに到達するであろうチェックポイントを示し、
一定期間でフィードバックするようにしていました。

技術もそうだと思うのですが、漠然としたものより、明確で試せるものの方が、学びやすいと思います。
(言語の概念だけ理解する本と、実践できる本だと習熟度違いますよね)

これは、概念だけ伝えても、メンバーには「伝わらない」事を指しています。
理想像をより明確なものにし、メンバーとの差分を明確にし、到達までのステップを考え、
メンバーに、アクションは考えてもらいつつも、先を示す必要があります。

※階段は何段有り、上ったら何が獲れるのか。だけ伝え、上り方はチームに任せます

■ チーミングを開始する

恐らく考えている以上に思うようにいかないでしょう。
そうでもない方は、ご自身のリーダーシップが素晴らしいか、
メンバーの能力が素晴らしいか、もしくはその両方です。

このタイミングでは、リーダーもチーミングします。
一緒になって、チーミングができる空気に変えていきます。

■ チーミングが軌道にのったら

実はチーミングは「メンバーに決定権を与える」ことと等しい行いなので、
チーミングが軌道に乗り出した後のリーダーに必要な行動は、

  • 改善できると信じ、ダメ出しはしない
  • Whyを投げかける(なぜそれをするのか。)
  • チーミングを阻害する要因を除去
  • 何かあった時に、リカバリーする覚悟を決める
  • 決断をする

の5点しかありません。

1. 改善できると信じ、ダメ出しはしない

メンバーは、永続的なチャレンジを行っている最中です。
そして何よりも、メンバーの心を挫く行いは、論外です。
もともと性善説に寄り添う考え方なので、リスクを考えるのはいいですが、
根底は、メンバーを信じること。そして、信じていることを伝えることにあります。

2. Whyを投げかける

ダメだしをする代わりに、メンバーに気づきを与える質問をします。
「なぜ、その対応をするのか」「なぜ、その結論に至ったのか」
などなど。

気を付けないと、「なんで、そんなことしたんだよ」と、ダメ出しになります。
メンバーに気付かせることで、チーミングは活性化されます。

3. 阻害する要因を除去

他人の話を聞かない人。
圧倒的多量の仕事。
四方八方から投げられる、MUST(仮)の仕事
マイクロに聞かれ、提出を求められるレポート

etc....

チームを集中させるために、不要な阻害要因からチームを守ります。
※無論、「必要なこと」「有益なこと」は弾いちゃダメです。。。

4. リカバリーする覚悟

失敗を許容する以上、必要な覚悟です。

「失敗を許容するけど、お尻は自分でふいてねー」

なんて態度をとったら、メンバーは詐欺にでもあった気分でしょう。

でも、実はここが一番難しいところで、
どこまでリカバリーをチームに任せるのか。の塩梅が難しい。
リーダーがしゃしゃり出ては、結局リーダー頼りになってしまいますが、
出なきゃ出ないで、あいつなにやってんの?になります。

勘所は、よそに迷惑をかけるか否か。ですね・・・

5. 決断をする

チーミングを行っていると、複数案で滞ることがあります。
メンバーの行動をより迅速にするために、チーミングに加わり、
案を「決める」ことも、時に重要になります。
この時、「決められない」リーダーだと、メンバーはがっかりします。

まとめ

以上、本と経験をMIXした記事でした。

今の組織でできてるの?と問われると、まだまだです。
そもそも、即時性のある考えでもありませんし、終わりがあるわけでもありません。
でも、メンバーを信じることの大切さ、強さを知るには、素晴らしい取り組みだと思います。

きちんと意識して、素晴らしい体験を経て、成長できる組織にしたいですね。

あ、最後に、リーダーの方は、

これに賛同し、共にチャレンジしてくれるメンバーには、圧倒的感謝の気持ち

を持ち続けましょう。たとえ血反吐吐いて、後ろから切られ、ボロボロになっても、
これだけは忘れないで、やり直しましょう。

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