https://adventar.org/calendars/3353 の11日目のエントリーです。
自由なサウンドフォント・自由な音源
サウンドフォントまでの話を書いたので、今日は自由ソフトウェア互換の音源について書きます。
いわゆる「フリーの」サウンドフォントというものは数多くありますが、「無料」のフリーと「自由」のフリーの間には大きな違いがあります。特にサウンドフォントなどを扱うフリーソフトウェアで、自由に配布できるデータの存在は重要です。
fluidsynthをディストリビューションに含んでいるUbuntuの場合は、サウンドフォントもパッケージされています(Ubuntu 18.04であればfluid-soundfont-gm、fluid-soundfont-gs、fluidr3mono-gm-soundfontなど)。また、musescoreでもサウンドフォントの存在は重要なので、musescore-general-soundfontというパッケージが別途存在しています。musescoreのサウンドフォントはsf3で38MB程度、fluidR3_GMはsf2で150MBほど、モノラルsf3で23MBほどあります。
VSCO
今日はこの関連でひとつ面白い試みを紹介します。github上にリポジトリのあるVSCOプロジェクトです。
これは管弦楽器の生音をサンプリングして得られたものを、サウンドフォントなどの構築に向いた形で生PCMデータとして公開しているものです。ライセンスもCC-0 (public domain) なので安心して使えます。プロジェクトのサイトでは、これを活用したsfz、VSTi/AU、Kontakt音源などへのリンクが紹介されています。
残念ながらこれらをビルドするスクリプト等は公開されていないのですが(!)、まあ使うことはできるでしょう。
(サウンドフォントに「ライセンス」などというものがありうるのかという議論があるはず・あるべきですが、これは書体のプログラムとしてのライセンスとほぼ同様の論理構成で考えるのが筋でしょう。すなわちプログラムと称しうるものを複製しているか否かで決まるべき事柄です。)