Claudeに新しい機能が増えるたびに、こんなことになっていませんか。
- リリース記事は読んだ。でも触っていない
- 「そのうち試そう」と思ったまま、気づけば来月
- 数ヶ月後、後輩に「それ、まだ使ったことないんですか」と言われる
私はIT企画部門のマネージャーとして、日々AIをどう業務に活かすかを考える立場にいます。それなのに、肝心の自分自身が新機能を「知ってるだけ」で止まっていることに気づきました。
Claude Designが出た。ふーん、便利そう。
Artifactsでアプリが作れるらしい。へえ、今度試そう。
そんな「今度」は、だいたい来ません!忙しさを言い訳に、キャッチアップが記憶と気合いだけの属人的な運用になっていたのです。
この記事では、AIキャッチアップを気合いではなく仕組みで回す方法を紹介します。実際に私が設計・実装し、Claude Codeのプラグイン「ai-catchup」としてGitHubに公開しました。
この記事でわかること
- なぜAIキャッチアップは属人化して止まるのか
- 「知ってる」を「触った」に変える3つの仕組み
- 自分の手元で今すぐ試す方法
「知ってる」で止まっていませんか?
AIキャッチアップの目的は、Claudeの新機能を「知っている」から「触ったことがある」状態にすることです。
Anthropicは月に何度も新機能を発表します。Claude Design、Claude Science、Claude Tag。名前を聞いたことがあっても、実際に触ったことがある機能は意外と少ないのではないでしょうか。
「知ってる」と「触ったことがある」の間には、思っている以上に大きな溝があります。ニュース記事を読んだだけでは、いざという場面で使いこなせません。手を動かして初めて、自分の言葉で説明できる知識になります。
問題は、その手を動かす時間を確保できないことです。属人的なメモや気合いに頼ったキャッチアップには、次のような限界があります。
- 記録が残らず、何を試そうとしていたか忘れる
- 忙しくなると真っ先に後回しになる
- 学んだつもりでも、翌月には内容を覚えていない
IT企画の立場では、これは個人の学習だけの話では済みません。自分が触ったことのない機能を、自信を持って事業部に勧めることはできないからです。曖昧な理解のまま「AIを使いましょう」と言っても、説得力は生まれませんよね。
ということで、この問題を「仕組み」で解決しようと思い、そのソリューションとしてSkillを作りました!
「型」にした3つの仕組み
ai-catchupがやっていることは、大きく3つです。
機能マップ:最新の機能一覧を可視化する
Web検索でAnthropicの発表を確認し、Claudeの機能一覧を最新の状態に保ちます。カテゴリは開発ツール・チャット&作業・構築&デザイン・拡張&連携・APIの5つです。新機能が出れば追加し、役割が変わればステータスを更新します。
対話アセスメント:自分の状態を棚卸しする
機能マップに対して、自分の知識レベルを4段階で申告します。
知識レベルの定義
- 0:知らない
- 1:知ってる(存在は知っているが触っていない)
- 2:触った(Hello World以上を体験済み)
- 3:使いこなしてる(実務で継続活用)
ポイントは、レベルをAIが勝手に判断しないことです。会話の内容から「触ったことがありそう」と推測して評価を上げることはしません。読んだだけの機能は、レベル1(知ってる)から先には進みません。自己申告制にしているのは、実態と乖離した「わかったつもり」の記録を残さないためです。
Hello Worldカリキュラム:触るための手順書を作る
知識と経験のギャップを埋めるために、最小単位の学習カリキュラムを自動生成します。この「とりあえず触った」と言える最小単位を比喩的に「HelloWorld」と言っています。
最小の成功体験を作るHello Worldパートと、自分の実務ネタを使って一通り作業する通し体験パートの二部構成です。読むだけで終わる章は作らない、というのがここでの徹底したこだわりです!
AIキャッチアップでやれること
ここからは実際の画面で動作を紹介します。ただ、主役はツールの機能一覧ではなく、ここまで説明した型が実際にどう動くかです。
実際の動きを確認
「AIキャッチアップして」と話しかけると、まずWeb検索でAnthropicの発表を確認します。以下のように最新情報をキャッチして追記してくれます。
新しい機能が見つかれば、カテゴリ単位で知識レベルを聞かれます。以下のようなイメージです。
未経験の機能から候補が提案され、学習ボリューム(1テーマ集中/複数テーマ/知識だけ)を選ぶと、カリキュラムが生成されます。
実際に私は、この仕組みでArtifactsとClaude Designのカリキュラムを実行しました。Artifactsでは独立準備の進捗をダッシュボード化しました。Claude Designでは過去の職務経歴を素材に、ポートフォリオのプロトタイプを作りました。
触ってみると、思考の質が変わります。「これはどういう機能か」ではなくこれをどう実務に活かせるかを考え始めるのです。
Claude Designであれば、一度デザインシステムを組んでしまえば展開の幅が広がります。パワーポイントのテンプレートやWebサイト、名刺まで同じトーンで作れるのではないか。触った瞬間、そんな発想が浮かびました。
学ぶから使うへ。この変化こそが、「触った」の本当の価値だと感じています!
対応漏れを防ぐGitHub Issue連携
カリキュラムを作っただけで満足してしまうのを防ぎたいと考えました。そこで生成と同時に、GitHub Issue(タスク管理用のチケット)を自動で起票します。学習計画が個人のメモの中で埋もれるのではなく、普段見ているタスク管理の画面に自然と現れるようにするためです。
カリキュラムをやり終えたら「終わったよ」と伝えるだけで、知識レベルが更新され、対応するIssueも自動でクローズされます。
なお、このGitHub連携は必須ではありません。連携していなくても、ai-catchup自体は問題なく使えます。
毎月の仕組み化をする
Skillを作ったところで、ちゃんと実行されないと意味がありません。そこで、キャッチアップという行為を、既存の習慣に強制的に結びつけます。
私自身は、以前公開した「jibun-os」というAIワークスペースがあります。その月次振り返り(monthly-review)に、ai-catchupを組み込んでいます。
あの記事のmonthly-reviewのカスタマイズ紹介で、「AIの新機能キャッチアップ」に少し触れていました。それが、このai-catchupです。組み込むと毎月の振り返りの中で最新機能がアップデートされます。それに合わせて「今月のHello World」が自動で生成されます。
ここまでの動きを、実際に手元でも試してみましょう。
導入手順
動作要件はClaude Codeのみです。作業履歴を自動記録するツール(git)があると、学習記録をコミットで残せます。GitHub Issue連携を使う場合は、GitHub操作用のコマンドラインツール(gh CLI)も必要です。なくても本体は動きます。
インストールは2コマンドです。使いたいプロジェクトのフォルダでターミナルからClaudeを起動し、対話画面の中で次を実行します。
このインストールはClaudeのデスクトップアプリだとできないので注意が必要です。
/plugin marketplace add atsushi04/ai-catchup
/plugin install ai-catchup@ai-catchup
ということで、ターミナルでClaudeを起動して以下を打ち込みます。

インストールが終わったら、とりあえず実行してみましょう。
/ai-catchupと打ち込めばOKです!すると初期設定の質問が来ます。
最初は、どこに学習記録を保存するかです。よくわからなければ、デフォルトでOKです。後で変更もできます。

次はGitHubとの連携についてです。普段GitHubのIssueを使っていれば設定しましょう。そうでない方は「しない」を選べばOKです。
最後に、どのテーマについて取り組むかと、そのボリュームを決めます。

プラグインシステムを使わず、SKILL.mdを直接配置する方法もあります。詳しくはリポジトリのREADMEを参照してください。
もし、jibun-osを使っていて、月次の振り返りに組み込みたい場合は「ai-catchupをMonthly-reviewに組み込んで」と打ち込めば、後はClaude Codeがよしなに対応してくれるはずです!
まとめ
AI関連の情報は本当に多くて早いものです。だからこそ、情報を入手するだけにとどまらず、いかに触ったことがある状態まで持っていくかが、活用のカギだと思っています。
ai-catchupの実態は、機能マップとアセスメントとカリキュラムテンプレートを組み合わせた、ただのSkillです。
でも、このスキルを月次の振り返りに組み込むことで、AIキャッチアップが仕組みとして機能します。属人的な頑張りに依存せず、忙しい月でも最低限のキャッチアップが自動で回り続けます。
- 「知ってる」と「触った」は別物。読むだけで満足しない
- 気合いではなく、既存のルーティンに組み込んで意志力から切り離す
- カリキュラムは作って終わりにせず、タスク管理の目に見える場所に置く
インストールコマンドはたった2つです。まずは自分の環境で試してみてください!
おまけ:NGパターン
NG① 新機能に気づかないまま、何ヶ月も経つ
Anthropicは月に何度も新機能を発表します。日々の業務に追われていると、そもそもリリース情報を見逃したまま数ヶ月が過ぎてしまうことがあります。気づいたときには、もう何から手をつければいいのかもわかりません。
- 気づいたら知らない機能が3つも4つも増えている
- 「それ、もう使えるようになってましたよ」と言われて初めて知る
見逃しに気づく仕組みがなければ、キャッチアップはそもそも始まりません。
機能マップをWeb検索で毎月更新し、新規・更新・廃止を機械的に検出します。見逃しの入り口を、まず塞ぎます。
NG② 気合いでキャッチアップを続けようとする
「今月からちゃんとキャッチアップするぞ」と決意する。最初の数週間はうまくいきますが、案件が立て込んだ瞬間、真っ先に後回しになります。気づけば決意したことすら忘れています。
- 決意した直後は続くが、1ヶ月後には手をつけていない
- 半年前のカレンダーを見返して「あ、そういえば」と思い出す程度
意志力に頼る設計そのものが問題です。
既存の月次ルーティン(振り返りの時間)に強制的に組み込みます。単独のタスクとして扱うのではなく、すでに習慣化されている行動にひもづけることで、続く仕組みにします。
NG③ カリキュラムを作って満足する
学習計画を立てるところまでは楽しく進みます。ノートやメモアプリに「やりたいことリスト」が増えていくのは、達成感すらあります。でも、計画だけが増えていき、実行されないまま積み上がっていく。これもよくある落とし穴です。
- 「やることリスト」だけが月ごとに増えていく
- 半年後に見返すと、着手した形跡すらない項目ばかり
計画は、目に見える場所に置かなければ機能しません。
生成したカリキュラムをGitHub Issueに自動登録し、タスク管理の画面に載せます。計画専用のメモではなく、普段見ている場所に置くことで、対応漏れを防ぎます。
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