プロジェクトをやっていると、こんな経験はないでしょうか。
- MTGが終わったのに、何も決まっていない
- 議論が盛り上がったのに、結局「また来週話しましょう」で終わる
- 時間が押して、重要な議題まで辿り着かなかった
そのたびに、「次はうまくまとめないとな〜」と思いながら、また同じ状況が繰り返されてしまう。。
本当は、
「ちゃんと準備してからMTGに臨まないといけないな」
「もっとうまく仕切れるようにならないといけないな」
と感じている。でも、何をどう準備すればいいのか、整理できていない。そんなPMも多いのではないでしょうか?
この記事では、MTGをうまく運営するための設計の考え方と手順を解説します。
この記事でわかること
- なぜMTG設計が必要なのか
- MTGの5つの種類
- MTG設計の手順(4STEP)
なぜMTG設計が必要なのか?
MTG設計と聞くと、ただMTGするだけなのに設計とかめんどくさいなと思うかもしれません。
でも、これをするだけで驚くほどMTGはスムーズになり、PMとしてもプロジェクトを進行しやすくなります。
ちなみに、このMTG設計の目的は、MTGをスムーズに進行させることではありません。
本当の目的は
最小工数で、MTGの目的を達成させること
です。
この目的のポイントは、次の2つです。
- 最小工数で
- MTGの目的を達成させる
それぞれ、設計なしだと何が起きるのか。順番に見ていきます。
① 最小工数で
MTGは参加者全員の工数を一度に消費します。
例えば、10人が参加する1時間のMTGは、10人時間。1人日=8時間としたら、1回のMTGだけでプロジェクトとしては1人日以上の工数を消費します。ハイコストですよね。
さらに、月に10回開催すれば、100人時間=12.5人日が消えていく計算です。なかなか、じわじわ効いてくる損失ですよね・・・。
もし、準備不足でMTGが時間オーバーになれば、その損失はさらに拡大します。予定外のMTGが増えるほど、予定していた作業タスクへの影響が出ます。これは遅延リスクです。
なので、予定していた時間で確実にMTGを終わらせる。そして、MTGで達成したかったこと(例えば、何かの意思決定など)を、達成し切ることが大切です。
これから説明するMTG設計をすることで、この2つが実現できます。
② 目的を達成させる
MTGを開催する目的はさまざまです。例えば、情報共有だったり、意思決定だったり。
いずれにせよ、MTGをするからには、その理由・目的が必ずあります。なので、MTGを開催したら、必ずその達成をする必要があります。
例えば、何らかの意思決定をしたいMTGをする場合、設計されていないMTGは「決まらないMTG」になりやすい。ゴール設定や、そこに至るまでの道のり(=AGENDA)が決まっていないと、時間ばかりかかってしまいます。
議論は拡散し、結局「また来週話しましょう」で終わります。決まらないMTGが続けば、次のアクションが止まり、プロジェクト全体が遅延していきます。
そして、PMへの信頼も失われる
こういったMTGを繰り返すと、工数の損失はもちろん、PMへの不信感も溜まっていきます。
以前、エンジニアへの要件説明のMTGで、こんな失敗をしたことがあります。
AGENDAを曖昧なまま進め、説明の準備も不十分だったため、MTGが時間内に終わりませんでした。工数を無駄にしたことはもちろん、参加していたエンジニアから「この人、大丈夫か?」という空気を感じました。
工数もオーバーし、目的も達成できなかった。MTG設計の失敗が、PMとしての信頼を損なった瞬間です。
多くの人を束ねるPMだからこそ、信頼を失うことは工数以上に大きな損失ですよね。。
MTGの種類を知る
MTG設計の必要性がわかったところで、ここからは具体的な設計方法を解説します。
MTG設計の第一歩は、そのMTGが「どの種類か」を把握することです。MTGは大きく、次の5種類に分けられます。
| 分類 | 目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| ① 共有型 | 情報を揃える | 定例、進捗共有、報告 |
| ② 解決型 | 問題を解く | 課題整理、リスク検討 |
| ③ 意思決定型 | 判断を下す | 方針決定、Go/NoGo |
| ④ 設計型 | 考えを作る | ブレスト、構想設計 |
| ⑤ 関係構築型 | 信頼を作る | 1on1、雑談MTG |
そして、種類によってMTGに求められるアウトプットが変わります。「何のためのMTGか」を最初に定義することが、設計の出発点です。
目的によって、必要な準備・参加者・AGENDAはまったく変わる
MTG設計の手順
ここからは、具体的な手順を解説します。MTG設計では、次の4つを設計します。
MTG設計で決めること
- MTGの種類
- 課題とゴール
- AGENDA
- 参加者
これらを順番に考えていくことで、MTGが設計されていきます。とはいえ、そんなに重くないのでご心配なく!
順番に解説していきます。
1. MTGの種類
まずは、これから開くMTGがどの種類なのか?を考えます。
種類によって、何をゴールにしたらいいのかや、どう進めればいいのかが変わってくるからです。
基本的には先に説明した5種類から選びます。種類が決まることで、このMTGで何をすればいいかが決まります。
このSTEPで決めること
①共有型、②解決型、③意思決定型、④設計型、⑤関係構築型のどれか
2. 課題とゴール
次に、課題とゴールの設定です。
MTGをするからには、その動機があります。そして、動機にはなんらかの課題感が含まれているはずです。
まずは、その課題感を言語化していきましょう!例えば、要件共有のMTGをしないとな〜と思ったなら、こんな課題感があるかと思います。
- 開発ベンダーが要件を理解していない
- 要件定義書は渡したが、読み解き方を知らない
なので、この課題をMTGを通して解決していく必要があります。
これを踏まえて、次はMTGのゴールを決めます。例えば、こんな感じです。
- 開発ベンダーが要件を理解し、設計に着手できる状態になっている
このように、課題とゴールを言語化することで、MTGが終わったらどうなってないといけないのか?が決まってきます。そして、MTGで何をすればいいのかが考えやすくなります。
このSTEPで決めること
・解決したい課題(このMTGが必要な理由)
・ゴール(MTGが終わった時点の状態)
3. AGENDA
次は、AGENDAを決めます。これは言い換えると、ゴールまでの道のりです。
「ゴールに辿り着くために、何をどの順番で話せばいいか?」を決めるイメージです。
先ほどの例で言うとこんな感じです。
- MTGのゴールの共有
- 現状の理解度確認
- 要件説明
- Q&A
- ネクストアクションの検討
AGENDAがないままMTGに突入すると、どうなるでしょう?
参加者は「このMTGはなんのためなのだろう?」と不安になるかもしれません。話す方も、時間配分ができなくて時間内に話しきれなくなるかもしれません。
AGENDAがあることで、MTGの全体像を把握しやすくなり、参加者も安心してMTGに参加できます。そして、話す側も適切に時間配分をして、順序よく時間を使うことができるようになります。
このSTEPで決めること
・ゴールまでの議題と順番
・各議題の時間配分
4. 参加者
最後に参加者を決めます。
冒頭にお話ししたようにMTGは非常にコストのかかる行いです。だからこそ、最小限の参加者に絞ることが重要です。
工数の他にも、参加者が多いことで、次のようなデメリットがあります。
- 議論が想定外に拡散する
- MTGの調整に工数を取られる
- AGENDAを決めても横道に外れてしまう
なので、可能な限り任意参加もやめましょう。必要最低限まで参加者を絞り、実施していくことが効果的です。
このSTEPで決めること
・このMTGに必要な人(意思決定者・情報提供者・実行者)
・不要な人(情報共有だけなら議事録で代替できる人)
まとめ
MTG設計の目的は、「最小工数で、MTGの目的を達成させること」です。
設計なしのMTGは、工数を無駄にし、何も決まらず、PMへの信頼も損なう。この3つのコストを払わないために、MTGに臨む前の設計が必要です。
MTG設計で決める4つのこと
- MTGの種類(共有型 / 解決型 / 意思決定型 / 設計型 / 関係構築型)
- 課題とゴール(このMTGで解決したいこと・終わった状態)
- AGENDA(ゴールまでの道のりと時間配分)
- 参加者(必要最小限のメンバー)
設計さえできれば、MTGの質は確実に上がります。まずは次のMTGから、この4つを紙一枚に書いてみることをおすすめします。
おまけ:NGパターン
ここからは、実際のプロジェクトでよくあるNGパターンを解説します。みかけたら要注意!!
NG① ゴールがない
「とりあえず集まって話しましょう」というMTGはありがちです。日時と参加者を抑えて、とりあえず集まる。
こういったMTGは要注意です!
- MTGが着地しない
- 話だけが拡散して、時間が浪費される
ゴールがないと、議論の終わりが見えません。参加してる側もなんのためのMTG?となってしまいます。工数の浪費であるとともに、不信感も募りますよね。
なので「このMTGが終わったとき、何が決まっていればよいか」を必ず設定しましょう。
NG② AGENDAがない
ゴールは設定したものの、そこへの道のりが決まっていないケースです。
とりあえず、⚪︎⚪︎機能の仕様を決めよう!と集まったものの、AGENDA(=決めるまでの順序)が決まっていないことはよくあります。
- 議論が紆余曲折して、ゴールに辿り着かない
- 「どう進めるか」の議論から始まってしまう
ゴールがあるのなら、どういう順番で議論を進めていけばいいのか?を設計していくことで、議論が拡散することなくゴールに辿り着けるようになります。
ゴールを決めたら、そこに向かうためのAGENDAをセットで設計しましょう。
NG③ 参加者が多い
「念のため」「関係しそうだから」でどんどん参加者を増やすのは危険です。
特に心配だからと、上司や関連しそうな人をとりあえず呼んでしまうケースも現場ではよくあります。
- MTGの消費工数が嵩む
- 発言者が増え、議論が拡散する
これまでの背景を知らない上司を呼んだりすると、余計な口を挟まれてプロジェクトが停滞するなんてこともよく見かけます。
参加者はこのMTGに本当に必要な人だけに絞りましょう。情報共有だけでよい人は、議事録の共有で代替できます。
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