はじめに
Microsoft Teams の Teams 会議 / ウェビナー / タウンホールの概要や作成方法などについてまとめてみました。
Teams 会議 / ウェビナー / タウンホールの主な違い
Teams で会議を行う方法には用途によって以下の 3 つがあります。
- Teams 会議
- ウェビナー
- タウンホール
※ タウンホールは "ライブ イベント" の後継の機能です
ウェビナーとタウンホールは、講演など発表者と出席者が明確に分かれている場合に利用します。
Teams 会議 / ウェビナー / タウンホールの主な違いについて、ポイントを絞って表にしてみました。
名前 | 最大出席者 | 参加登録フォーム | 出席者のカメラ / マイクの使用 | eCDNの使用 (※3) |
---|---|---|---|---|
Teams 会議 | 1,000 人 (※1) | × | 〇 | × |
ウェビナー | 1,000 人 | 〇 | 〇 | × |
タウンホール | 10,000 人 (※2) | × | × | 〇 |
ウェビナーでは出席者が登録フォームから参加登録を行うことができます。
タウンホールは発表者のみがカメラやマイクを使用し、出席者はカメラやマイクが必要ない大規模な講演などに向いています。
※ 1 Teams 会議では 1,000 人以降、10,000 人まで出席者はカメラ / マイクが無効な状態 ("表示のみの参加者") で会議に参加できます。
※ 2 Teams Premium ライセンスがあると上限が 50,000 人に増加します。
※ 3 イベントの配信をエンタープライズ コンテンツ配信ネットワーク (eCDN) で最適化する機能です。
以下の公開情報に詳細な比較表があります。
(参考:会議、ウェビナー、およびタウン ホールの機能の比較)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/meeting-webinar-town-hall-feature-comparison
(参考:Microsoft Teams の制限事項と仕様)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/limits-specifications-teams#meetings-and-calls
ネットワーク要件
音声やビデオによる通信の帯域幅の要件は以下の公開情報に記載されています。
(参考:Microsoft Teams 用に組織のネットワークを準備する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/prepare-network#bandwidth-requirements
Teams 会議
会議の作成
Teams 会議はカレンダータブから作成できます。
この記事の手順は [新しい予定表] のトグルが "オン" の場合の手順です。
-
[カレンダー] タブから任意の時間帯をクリックします
会議の名前や会議に招待するユーザーを入力します。
※ ユーザーを招待すると [Teams 会議] のトグルが自動で "オン" になります。
- [送信] をクリックすると会議の予定が作成されます
[カレンダー] アイコンが表示されていないときは、[…] をクリックして "カレンダー" と検索すれば表示されます。
チャネル会議
チャネル会議を作成すると、チャネル (チーム) メンバー全員を会議に招待することができます。
-
[新しいイベント] のプルダウンから [チャネル会議] をクリックします
-
[チャネルを追加] から会議を開催するチャネルを選択します
-
[個人に招待を送信する] トグルを "オン" にするとチームメンバーに会議の招待メールが送信されます
プライベートチャネルではチャネル会議を開催することができません。
(参考:プライベート チャネルの制限)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/private-channels#private-channel-limitations
チャネル会議をスケジュール設定できない。 チャネル予定表は使用できません。
会議参加者の種類
Teams 会議の参加するユーザーには以下の 4 種類があります。
- 組織内ユーザー
- ゲストユーザー ※ 組織にゲストとして招待されているユーザー
- 組織外ユーザー (外部ユーザー)
- 匿名ユーザー ※ Teams にサインインせず会議へ参加するユーザー
ユーザーの種類によって会議に参加した際の動作が異なります。
組織内ユーザー
組織内ユーザーは [今すぐ参加] ボタンをクリックすると、すぐに会議に参加することができます。
ゲストユーザー
ゲストユーザーとして会議に参加する場合は、Teams にサインインしているアカウントを招待されているテナントに切り替えてから、会議に参加します。
既定の設定では、ゲストユーザーも [今すぐ参加] ボタンからすぐに会議に参加することができます。
外部ユーザー
外部ユーザーが [今すぐ参加] をクリックした際は、すぐ会議へ参加せずに会議の開催者が [参加許可] を行うまで待機状態になります。
Teams 会議では参加を許可されるまで待機している状態のことを "ロビーで待機している" と表現します。
会議の参加者に外部ユーザーがロビーで待機している旨が通知されます。参加を許可すると、外部ユーザーが会議に参加できます。
(参考:Microsoft Teams で外部参加者との会議を計画する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/plan-meetings-external-participants
会議オプション
外部ユーザーが会議に参加した際の動作は [会議オプション] から変更することができます。
- 会議予定をダブルクリックして、[会議のオプション] をクリックします
-
[会議へのアクセス] タブの [ロビーを迂回するユーザー] や [ロビーから参加を許可できる人] の設定を適宜変更します
※ 既定では組織内ユーザーとゲストがロビーを迂回できる設定になっています。
"開催者" は会議を主催したユーザーです。 会議オプションの [ロール] タブで任意の参加者を "共同開催者" に設定して開催者と同じ権限を付与することができます。
既定ではすべてのユーザーに [発表者] のロールが割り当てられています。
会議オプションを変更できるのは "開催者" または "共同開催者" だけです。
(参考:Microsoft Teams会議でのロール)
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/c16fa7d0-1666-4dde-8686-0a0bfe16e019
会議ポリシー
既定では会議オプションの [ロビーを迂回するユーザー] は [組織内のユーザーおよびゲスト] が選択されています。
会議ポリシー を使用すると、ユーザーの開催する会議について、管理者が会議オプションの既定値を変更することができます。
(参考:Microsoft Teams で会議とイベントのポリシーを管理する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/meeting-policies-overview
匿名ユーザー
匿名ユーザーは Teams へサインインせずに会議へ参加することができる機能です。
ブラウザを InPrivate モードで開き、会議の参加リンクを貼り付けると、匿名参加で参加した場合の動作を確認することができます。
-
[参加] プルダウンから [参加リンクのコピー] をクリックします
- ブラウザを InPrivate モードで開き、参加リンクを貼り付けてアクセスします
ポップアップが表示されたら [キャンセル] して [Continue on this browser] をクリックします
- マイクに関するポップアップが表示されたら [許可] をクリックします
- 会議中に相手へ表示される名前を入力し、[今すぐ参加 (Join now)] をクリックします
外部ユーザーと同様に参加が許可されるまでロビーで待機します
- 参加を許可すると匿名ユーザーが会議に参加します
※ 匿名ユーザーは名前の後ろに "(未確認)" と表示されます
会議のレコーディング / トランスクリプト (文字起こし)
会議をレコーディングすると会議の終了後に視聴したり、動画ファイルをダウンロードすることができます。
レコーディングの開始
会議中に […] - [レコーディングと文字起こし] - [レコーディングの開始] からレコーディングを開始することができます。
レコーディングを行うと自動的に文字起こしも行われ、トランスクリプトとして保存されます。文字起こしだけを行いたい場合は、[文字起こしの開始] をクリックします。
レコーディングの確認
会議を終了すると自動的にレコーディングとトランスクリプトが保存されます。[チャット] ボタンから "会議チャット" を開くと、保存されたレコーディングを確認できます。
外部ユーザーの場合は会議チャットからレコーディングを確認することができません。確認しようとすると以下のようなメッセージが表示されます。
(参考:会議とイベントの Teams レコーディング ポリシーを管理する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/meeting-recording
会議に招待されたユーザーにはレコーディングを表示するアクセス許可が与えられます (ゲストと外部の出席者は、レコーディングが明示的に共有されている場合にのみレコーディングを表示できます)。
以下の "Stream で開く" ボタンより、レコーディングのリンクを共有することで、組織外のユーザーもレコーディングを確認することができます。
組織外の会議に外部ユーザーとして参加している場合に会議チャットを開くと、以下のような警告メッセージが表示されます。[許可] をクリックすると組織外の会議チャットにアクセスすることができます。
レコーディングの保存先
レコーディングの動画ファイルは会議開催者の OneDrive に保存されます。
※ OneDrive からのレコーディングの確認方法はこちらの記事にあります。
非同期メディアストレージ
会議の開催者の OneDrive の容量が一杯だったり、ライセンスが無く OneDrive が利用できない場合は、レコーディングは "非同期メディア ストレージ" に一時的に保存されます。
非同期メディア ストレージのレコーディングの保存期間は 21 日間です。
(参考:非同期メディア ストレージ)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/tmr-meeting-recording-change#async-media-storage
21 日以内にダウンロードされない場合、記録は削除されます。
ライブキャプション
トランスクリプトのほかに、"ライブキャプション" を使用しても文字起こしを行うことができます。
ライブキャプションでは会議中のみ文字お越しが表示されます。トランスクリプトのように会議の後で確認することはできません。
出席者レポート
[出席] タブから会議の "出席者レポート" を確認することができます。[ダウンロード] をクリックするとテキストファイルでダウンロードできます。
※ ダウンロードされる出席者レポートの例
1. 要約
会議のタイトル テスト会議
出席済み参加者 2
開始時刻 6/23/25, 4:11:49 PM
終了時刻 6/23/25, 4:19:41 PM
会議の長さ 7 分 52 秒
出席時間の平均 7 分 27 秒
2. 参加者
名前 初めての参加 最終退出 会議の長さ メール 参加者 ID (UPN) 役割 エンゲージメント: カメラ オン エンゲージメント: 挙手 エンゲージメント: ミュート解除
テスト ユーザー01 6/23/25, 4:11:50 PM 6/23/25, 4:19:41 PM 7 分 50 秒 testuser01@atsmin.net testuser01@atsmin.net 開催者
テスト ユーザー02 6/23/25, 4:12:36 PM 6/23/25, 4:19:41 PM 7 分 4 秒 testuser02@atsmin.net testuser02@atsmin.net 発表者 1
3. 会議中のアクティビティ
名前 参加時間 退出時間 期間 メール 役割
テスト ユーザー01 6/23/25, 4:11:50 PM 6/23/25, 4:19:41 PM 7 分 50 秒 testuser01@atsmin.net 開催者
テスト ユーザー02 6/23/25, 4:12:36 PM 6/23/25, 4:19:41 PM 7 分 4 秒 testuser02@atsmin.net 発表者
4. 会議への参加
名前 契約の種類 時間
テスト ユーザー02 ミュート解除 6/23/25, 4:16:29 PM
ウェビナー
ウェビナーは Teams 会議と似ていますが、参加者が登録フォームを利用することができます。
ウェビナーの作成
-
[新しいイベント] のプルダウンから [ウェビナー] をクリックします
-
[タイトル] を適宜変更し [保存] ボタンをクリックします
-
[イベント アクセス] で組織外にも参加登録フォームを公開するかどうかを選択し、[サイトの発行] をクリックします
-
[保存して公開] をクリックすると、参加登録フォームが発行されます
- コピーボタンから参加登録フォームのリンクをコピーすることができます
参加登録フォーム
ユーザーがブラウザから参加登録フォームの URL へアクセスすると、ウェビナーへ登録することができます。
- (イベント アクセスを "あなたの組織" に設定した場合のみ) サインインを促す画面が表示されます
-
[Registar] ボタンをクリックします
- チェックボックスに✅を入れ、[Registar] ボタンをクリックすると参加登録が行えます
- 登録したユーザーには参加情報が記載された以下のようなメールが送信されます
参加画面
ウェビナーの参加画面は Teams 会議とほとんど同じですが、以下の点が異なります。
ウェビナーでは、開始すると自動的にレコーディングが行われるなど、既定でウェビナー用の会議オプションが設定されています。会議オプションは Teams 会議と同様に変更することができます。
タウンホール
タウンホールでは会議の開催者、出席者で会議中の画面レイアウトが異なります。
タウンホールの作成
-
[新しいイベント] のプルダウンから [タウン ホール] をクリックします
-
[タイトル] や [イベント アクセス]、[会議出席依頼] を適宜変更し、[保存] ボタンをクリックします
-
[保存して公開] ボタンをクリックすると、タウンホールの参加リンクが発行されます
参加画面
通常の Teams 会議やウェビナーでも Teams Premium ライセンスがあればこの機能を利用することができます。
(参考:Microsoft Teamsで出席者に表示される内容を管理する)
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/19bfd690-8122-49f4-bc04-c2c5f69b4e16
Teams ウェビナーや会議でこの機能を使用するには、Teams Premium ライセンスが必要です。
通常の Teams 会議やウェビナーでも会議オプションから出席者のマイク / カメラの無効化や、Q&A 機能の有効化を制御することができます。
(参考:Microsoft Teams の Q&A)
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/f3c84c72-57c3-4b6d-aea5-67b11face787