はじめに
オフィスに出社している時、会社の代表電話などに着信があったら、各座席に配置されている電話機が一斉に鳴動するかと思います。
Teams 電話を使って、このように着信があった際に複数のユーザーを同時に呼び出すには、いくつかの方法があります。この記事では、それらの方法の違いについてまとめました。
構成方法の比較
Teams 電話で着信があった際に複数のユーザーを同時に呼び出すには、以下の 3 つの方法があります。
- 通話グループ
- 代理人
- 通話キュー
これらの違いについて以下の観点で表にまとめました。
機能名 | 最大同時呼び出し数 | 代表番号による発信 | 通話履歴の共有 |
---|---|---|---|
通話グループ | 25 ユーザー | × | × |
代理人 | 25 ユーザー | 〇 | 〇 |
通話キュー | 200 ユーザー | 〇 | × |
表のとおり、まず同時に呼び出しできる最大ユーザー数に大きな違いがあります。25 人を超えるユーザーを同時に呼び出す必要がある場合、通話キューを使用します。
同時呼び出し数が 25 人以下の場合、ユーザーが代表番号で発信を行ったり、ユーザー間で着信履歴の共有が必要であれば、代理人を使用します。
これらの同時呼び出し先のユーザーが通話転送 (Forward) を設定していても、通話は転送されません。
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通話グループ
通話グループは最もシンプルな方法です。ユーザー A に対して通話グループを構成し、着信があったら通話グループを同時に呼び出すよう設定します。
通話グループには以下のような特徴があります。
- 各ユーザーは通話グループによる着信を自由にオフにできます
- ユーザー数が 5 人以下であれば、各ユーザーを指定した順番で呼び出すこともできます
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(参考:通話の共有およびグループ通話ピックアップ)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/call-sharing-and-group-call-pickup
代理人
代理人は、委任者となるユーザーが代理人に対して、自身の代わりに通話の受発信を委任することができる機能です。この場合、代表番号を割り当てるユーザーが委任者、同時に呼び出されるユーザーが代理人となります。
通話グループと異なり、代理人は代表番号 (委任者の電話番号) から発信することができます。また、代理人には委任者の通話履歴が共有されます。
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(参考:Microsoft Teams での共有回線の外観)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/shared-line-appearance
通話キュー
通話キューは、チームや Microsoft 365 グループなどを指定して、呼び出し先を 200 ユーザーまで設定することが可能です。呼び出し方法は同時呼び出しのほか、順番に呼び出す、プレゼンスが応答可能なユーザーを呼び出す、などの制御が行えます。
通話グループや代理人とは異なり、通話キューでは着信があると実際のユーザーではなく、最初にボットが通話を受話します。
通話キューの用語
- リソースアカウント:ボット用の仮想的なユーザーアカウント
- エージェント:通話キューから呼び出されるユーザー
通話キューでは、ボットが通話を受話することで以下のような制御を行うことができます。
- 着信時の挨拶メッセージの再生
- タイムアウトなどの例外処理
例:- エージェントが通話を受話しない場合、別の番号に通話を転送する
- 許容量を超える着信があった場合、メッセージを再生して通話を終了する
通話キューでは、代理人のようにエージェント間で通話履歴を共有することはできません。
(参考:Microsoft Teamsで通話キューを作成する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/create-a-phone-system-call-queue?tabs=general-info
おわりに
通話グループ、代理人、通話キューは Teams 電話の異なる機能ですが、複数のユーザーを呼び出すことができる点は同じです。どれを使えばいいか検討するにあたり、ポイントを絞って比較してみました。ご参考になれば幸いです。