はじめに
Graph API を利用するにあたり、アプリケーション開発の経験がないと Graph API がどのようなものなのかイメージが湧きづらいかと思います。
この記事では、Graph API を初めて使う方向けに、Graph API がどのようなものなのかまとめてみました。
API とは?
Graph API の API とは、アプリケーション プログラミング インターフェース (Application Programming Interface) の略です。
まず、そもそもインターフェースとは何でしょうか?
インターフェースの例
インターフェースとは、異なるデバイスなどが情報をやり取りする接続口のことです。
身近な例では、USB もインターフェースのうちの 1 つです。例えば、PC にヘッドセットを USB で接続すると、USB を介して PC と ヘッドセットの間で音声データがやり取りされます。
Web API
同じように、API は異なるアプリケーションが情報をやり取りする接続口です。特に、インターネットを介して情報をやり取りする API を Web API と呼びます。
例えば、Google Map や Instagram などのアプリケーションは、Web API によってインターネット上のサーバから情報を取得することで、地図や写真を表示しています。
Web API で情報をやり取りする仕組みは HTTP が使用されます。これは、私たちが普段ブラウザで Web サイトにアクセスしているのと同じ仕組みです。
Graph API とは?
Graph API も Web API のうちの 1 つです。Graph API は Microsoft 365 アプリケーションがインターネットを介して情報をやり取りする接続口です。
Teams や Outlook などの Microsoft 365 Apps は、Graph API によってインターネット上のサーバから情報を取得して、メッセージやメールの情報を表示しています。
ユーザーが利用するアプリケーション (クライアント側) とサーバー側で動作するアプリケーションの間で、Graph API によって情報のやり取りが行われます。
(参考:Microsoft Graph API を使用する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/graph/use-the-api
Graph API の活用例
Graph API は Microsoft 365 Apps 以外のクライアント アプリケーションからも利用することができます。
以下のような利用方法があります。
- Microsoft 365 の運用管理
テナント管理者が Graph API を利用して、テナントの情報取得や設定変更が行えます - Power Automate による自動化
Power Automate から Graph API を実行することで、処理の自動化が行えます
Microsoft 365 の運用管理
Graph API には Graph Explorer という Graph API を利用するための専用のアプリケーションが用意されています。Graph Explorer を利用して、テナント管理者がテナント内の情報にアクセスしたり、設定を変更することができます。
Graph API は PowerShell からも利用することができます。PowerShell を利用すると、スクリプトによって運用業務を自動化することができます。
(参考:Graph エクスプローラーを使用して Microsoft Graph API を試す)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/graph/graph-explorer/graph-explorer-overview
(参考:Microsoft Graph PowerShell SDK をインストールする)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/graph/sdks/sdk-installation#install-the-microsoft-graph-powershell-sdk
Power Automate による自動化
Power Automate は様々な処理をフローとして自動化することができるツールです。Power Automate フローからも Graph API を利用することができます。
(参考:HTTP アクション)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-automate/desktop-flows/actions-reference/web#invokewebservicebase
関連記事
Graph API でテナント内の情報にアクセスするためには、アクセス許可が必要です。Graph API のアクセス許可の概要については以下の記事で紹介しています。