はじめに
銀行などの窓口へ電話した際に「お電話ありがとうございます。新規口座移設についてのお問い合わせは 1、お振り込みについては 2、解約については 3 を押してください」のような自動音声が流れ、押した番号に応じて担当者に繋がるかと思います。
Teams 電話の自動応答を利用すると、このような音声ガイダンスを構成することができます。この記事では自動応答の概要についてまとめました。
自動応答とは?
自動応答を利用すると、条件と転送先を指定して通話フローを構成することができます。
- 着信した通話をボットが受話する
- 応答メッセージが自動で再生される
- 発信者が押したダイヤルキーに応じて、通話が転送される
営業時間外の場合は別途設定した処理を行う
自動応答の用語
通話フロー:ダイヤルキーや時間帯の条件による通話の転送ルール
転送先には以下を指定することができます。
- 特定のユーザー
- 別の自動応答や通話キュー
- 外部の電話番号
- ボイスメール
自動応答では通話転送と時間外の処理を定義して、通話フローを制御します。
■ 通話転送
- メニューオプション
ダイヤルキーの割り当てと転送先の組み合わせ - ディレクトリの検索 / ダイヤルスコープ
発信者が転送先のユーザーを自分で検索できるようにする
■ 時間外の処理
- 営業時間外 / 休日における通話フロー
通話キューでは営業時間を設定することができないため、常に着信します。自動応答から通話キューへ転送することで、営業時間外は通話キューへ転送しないよう制御することができます。
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補足
外部の電話番号へ転送する場合
利用している Teams 電話のサービス形態によっては、通話を外部の電話番号へ転送するためにリソースアカウントへ電話番号やライセンスの割り当てが必要です。
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(参考:外部電話番号の転送 - 技術的な詳細)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/create-a-phone-system-auto-attendant?tabs=call-flow#external-phone-number-transfers---technical-details
別の自動応答や通話キューへ転送する場合
通話をさらに別の自動応答や通話キューへ転送して、多段構成にすることができます。
1 回の通話の転送回数には上限があり、最大で 25 回まで転送されます。
(参考:通話ルーティングのベスト プラクティス)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/plan-your-call-routing-flow#call-routing-best-practices
自動応答の作成
通話キューには多数の設定項目がありますが、最低限必要な設定は以下の 2 つだけです。
- リソースアカウント
- 通話フロー
(参考:Microsoft Teams自動応答を設定する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/create-a-phone-system-auto-attendant?tabs=general-info
1. リソースアカウントの作成
リソースアカウントの作成方法は 通話キューの場合 と同様です。
[リソースアカウントの種類] では [自動応答] を選択します。
2. 自動応答の作成
2.1 通話フローの設定
[音声] - [自動応答] - [+ 追加] ボタンをクリックします。[一般情報] タブで [タイムゾーン] を選択し、[次へ] をクリックします。
[一般情報] タブ の [オペレーター] には、以下のような場合における転送先を指定します。
- 転送先となるユーザーが削除されていて転送に失敗した場合
- 発信者がダイヤルキーを押さない場合
[通話フロー] タブの [通話ルーティングオプション] で通話の転送方法を以下から選択します。
設定 | 説明 |
---|---|
切断 | 通話を切断する |
通話をリダイレクト | 通話を特定の宛先に転送する |
メニューオプションを再生 | 発信者がダイヤルしたキーに応じて通話を転送する |
例として、1 を押すと特定のユーザー、2 を押すと既存の通話キューへ転送するよう設定してみます。
発信者へ流す音声ガイダンスの設定
[通話ルーティングオプション] で [メニューオプションを再生] を選択します。[応答メッセージを追加] を選択し、発信者へ流すメッセージを入力します。
ダイヤルキーと転送先の設定
[メニューオプションを設定] - [ダイヤルキーを割り当てる] をクリックします。各ダイヤルキーを押した場合の転送先を設定します。
[ディレクトリ検索] は [なし] を選択します。
2.2 リソースアカウントの割り当て
既定の設定のまま [リソースアカウント] タブまで [次へ] をクリックして進みます。[リソースアカウント] - [追加] ボタンから、1 で作成したリソースアカウントを検索し、追加します。
テスト
作成した自動応答へ発信すると、設定した音声ガイダンスが流れ、入力したダイヤルキーに応じて通話が転送されます。
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自動応答のディレクトリ検索と勤務時間外の通話フローの設定については、以下に記載しています。