Raspberry PiもZabbixで監視したいなぁ、でもパッケージ公開されていないんだよね、ソースからのインストール面倒だなぁ、とお嘆きの方に、Raspberry Pi上のRaspbianでのパッケージビルド方法を確認したのでご紹介します。
環境としては、以下の環境で確認しました。
ハードウェア： Raspberry Pi 3 Model B
OS： Raspbian Stretch
Zabbix： 3.4.10(2018/06/05現在)
ただし、Raspberry PiのSDカードだけでのZabbixサーバーの運用はお勧めしません。
データベースへの読み書きが大量なので、SDカードの寿命が早く来やすくなってしまうようです。
Zabbix用リポジトリの登録
まず、作業用のディレクトリに、Zabbixのリポジトリ登録用のパッケージをダウンロードしてインストールします。
下記の例は、Zabbix 3.4用のパッケージです。
別のバージョンのビルドを行いたい場合は、そのバージョン用のリポジトリを登録するようにしてください。
$ cd ~/Downloads/
$ wget http://repo.zabbix.com/zabbix/3.4/debian/pool/main/z/zabbix-release/zabbix-release_3.4-1%2Bstretch_all.deb
$ sudo dpkg -i zabbix-release_3.4-1+stretch_all.deb
$ sudo apt-get update
新しいリポジトリを登録したら、「apt-get update」を実行して、必ずリポジトリの情報を更新しておいてください。
ビルド用ツールのインストール
ビルドを始める前に、ビルド作業自体に必要なツールとZabbixのパッケージをビルドするために必要なパッケージをインストールしておきます。
$ sudo apt-get install devscripts
$ sudo apt-get build-dep zabbix
Zabbixのソースパッケージの取得
ビルドの環境は準備できたので、ビルドするソースファイルを取得します。
$ mkdir Zabbix3.4
$ cd Zabbix3.4/
$ apt-get source zabbix
Zabbixパッケージのビルド
ソースが正常に取得できたら、あとはビルドの実行です。
以下の例は、取得できたソースが、3.4.10であった場合の実行例です。
そして、debuildの引数で「-uc -us」を指定しているのは、パッケージへの署名を行わないためです。
$ cd zabbix-3.4.10
$ debuild -uc -us
$ cd ..
$ ls *.deb
zabbix-agent-dbgsym_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-agent_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-frontend-php_3.4.10-1+stretch_all.deb
zabbix-get-dbgsym_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-get_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-java-gateway_3.4.10-1+stretch_all.deb
zabbix-proxy-mysql-dbgsym_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-proxy-mysql_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-proxy-pgsql-dbgsym_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-proxy-pgsql_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-proxy-sqlite3-dbgsym_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-proxy-sqlite3_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-sender-dbgsym_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-sender_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-server-mysql-dbgsym_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-server-mysql_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-server-pgsql-dbgsym_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
zabbix-server-pgsql_3.4.10-1+stretch_armhf.deb
$
これで、debパッケージができたので、あとはaptを使用するか、gdebiを利用するなどしてインストールすればよいでしょう。
ただし、今回ビルドしたのは、署名されていないパッケージです。インストール時に警告されるのでご注意ください。