【1.背景・目的】
天体画像では、撮影条件や光学系、大気の揺らぎなどの影響により、本来存在する微細な構造が不鮮明になることがある。
大赤斑や帯状雲の複雑な模様が観測対象となるため、画像鮮鋭化(デコンボリューション)による視認性向上を適用してみる。
本記事では、市販の画像鮮鋭化ソフトを用いて木星画像を処理し、その効果を簡易的に検証した。
【2.対象】
対象は木星の可視光画像です。
木星大気には大赤斑をはじめとする巨大な渦構造や複雑な雲模様が存在しており、それらの境界や内部構造がどの程度強調されるかを観察します。
左:元画像 右:画像鮮鋭化後
【3.実験方法と評価方法】
元画像に対し、画像鮮鋭化ソフトを適用した。
また、見た目だけでなく客観的な比較を行うため、ImageJを使用して同一位置のラインプロファイル(輝度プロファイル)を取得した。
評価箇所として、「大赤斑周辺」の明暗境界を横切るラインを設定し、処理前後の輝度変化を比較しました。
【4.結果】
下図は、左が元画像、右が鮮鋭化処理後の画像。
元画像(左)では、大赤斑周辺の境界がやや緩やかで、雲模様も全体的に滑らかな印象を受ける。
鮮鋭化後画像(右)では、雲の帯構造や渦の境界がより明瞭となり、大赤斑周辺の明暗差も強調されました。
さらにラインプロファイルを比較すると、鮮鋭化後は明暗変化の勾配が大きくなり、局所的なコントラストが向上していることが確認できた。
【5.考察と展望】
今回の結果から、画像鮮鋭化処理によって木星大気の雲構造や渦境界の視認性が向上することが確認できた。
一方で、今回確認できたのは主として「解像感」や「局所コントラスト」の向上であり、新たな情報が復元されたかどうかについては別途検証。

