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はじめてのGrok Bot

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はじめに

2026年8月、SpaceXAIからGrok Botが公開されました。
Grok Botは、クラウド上のコンピュータを使ってWebやアプリを操作し、複数ステップの業務をバックグラウンドで進められるAI Agentです。
SpaceXAIでは、Sales、Growth / Marketing、Operations / Finance、Product Engineeringなど、さまざまなチームでGrok Botを活用していると紹介しています。

本記事では、Grok Botの基本的な仕組みや他のAI Agentとの違いを整理した上で、実際にBotを作成して動かしてみます。

主に以下の内容を取り上げます。

  • Botの作成
  • Web調査
  • Cloud Computer
  • Plugin
  • Skill / Routine
  • Approval

Grok Botとは

Grok Botは、SpaceXAIが提供する 継続的に仕事を任せられるAI Agent です。
BotはCloud Computerを持っており、Webサイトやアプリを操作しながら、複数ステップの仕事を進められます。
また、単発のChatとは異なり、Contextを引き継ぎながらバックグラウンドで仕事を続けたり、Routineとして繰り返しの仕事を任せたりできます。

ざっくり整理すると、Grok Botは次のような要素を持っています。

  • Agent:役割を持って仕事を任せられる
  • Cloud Computer:Webやアプリを実際に操作する仕事場
  • Plugin:外部サービスと連携する
  • Routine:繰り返しの仕事を自動で実行する
  • Context:これまでのやり取りを踏まえて仕事を続ける

Grok Botをはじめる

今回は、macOS版を使って進めます。
Grok Botをダウンロードして、アプリを起動します。

起動したら、Grok Botを利用する Cursorアカウントでサインイン します。

Grok Botを利用するには、Cursor Ultra / Teams Premium seat / SuperGrok Heavy などの対象プランが必要です。

サインインが完了したら、最初のAgentを作成します。

Agentには、名前や役割などを設定できます。

  • Avatar:Agentのアイコン。色や形を選べるほか、Generateや画像のUploadもできます
  • Name:Agentの名前
  • Title:Agentの役割や肩書き
  • Description:どんな仕事を担当するか、仕事の進め方や継続して守ってほしいルールなどを設定
  • Notifications:Agentが仕事を完了したときや、確認・入力が必要になったときの通知を設定

例えば「技術情報を調査する」「一次情報を優先する」「外部への投稿は承認を取る」といった、今後の仕事でも継続して守ってほしい役割やルールを設定できます。

実際にGrok Botに仕事を任せてみる

ここからは、実際にGrok Botを使ってみます。

今回は、AIやCloudまわりの最新情報を調べてくれる Tech Intelligence Botを作り、Cloudflareの最新情報を調査してもらいます。

Agentを準備する

まずは新しいAgentを作成します。

今回は以下のように設定しました。

  • Name: Tech Intelligence Bot
  • Title: Technology Intelligence
  • Description: 技術情報の調査方針を設定
  • Avatar: 任意
  • Notifications: 任意

Descriptionには、以下を設定しました。

AI / Cloud / AI Agent領域の最新技術情報を調査するTechnology Intelligence Agentです。

調査では以下を重視してください。

- 公式Blogやドキュメントなど一次情報を優先する
- 公開日を確認する
- 事実と推測を分ける
- 何が変わったのかを整理する
- 技術者への影響まで考える
- 回答や成果物は原則として日本語で作成する

これで、Tech Intelligence Botとしての準備は完了です。

実際に仕事を任せてみる

Tech Intelligence Botの準備ができたので、実際に仕事をお願いしてみます。
今回は、直近のCloudflareのAI Agent関連アップデートを調査してもらいます。
Chatには以下のように入力します。

直近7日間に公開されたCloudflareのAI Agent関連のアップデートを調査してください。
重要なものを最大5件選び、それぞれ以下をまとめてください。
- 何が発表されたか
- 従来と何が変わったか
- なぜ重要なのか
- 技術者への影響
- 一次情報

Cloud Computerを見てみる

Grok Botには、Botが仕事をするための Cloud Computer が用意されています。
これは自分のPCを操作しているわけではなく、Grok Bot用にクラウド上で動いているLinux VMです。
Cloud Computerには、BrowserやFilesystem、Terminalなどが用意されており、Botはこの環境を使ってWebサイトを操作したり、ファイルを扱ったりできます。

先ほどの調査では、Cloud Computer上のBrowserが動く場面は特に確認できませんでした。
Grok Botは、タスクに応じてPluginやMCPなどを利用し、必要な場合にはCloud Computer上のBrowserを使ってWebサービスを操作します。

Pluginを接続してみる

次は、Grok Botを外部サービスと連携してみます。
Grok Botでは Plugin を使って、SlackやGmail、Notionなどの外部サービスと接続できます。
今回は Slack を接続してみます。
サイドバーから Plugins を開き、MarketplaceからSlackを探します。

Slackを追加します。

今回のSlack Pluginには、以下のようなSkillが含まれています。

  • slack-api:Slack Web APIを利用するためのガイド
  • slack-messaging:Slack向けのメッセージを作成するためのガイド
  • slack-search:Slack内のメッセージやファイル、チャンネルなどを検索するためのガイド

Slackアカウントを認証する

Pluginを追加しただけでは、Slackアカウントとの認証が必要な場合があります。
Slack Pluginの詳細画面からアカウントを追加すると、ブラウザにSlackの認証画面が開くので、接続したいWorkspaceを選択して認証します。

今回の環境では、Plugin追加時に自動で作成された default アカウントが Failed to load MCP server となり、そのままでは接続できませんでした。
Add Another Accountからアカウントを追加することで、Slackの認証画面へ進むことができます。


Slack認証画面にリダイレクトされます。
認証が完了すると、接続済みになります。

これでSlackを使う準備は完了です。
次は、実際にGrok BotからSlackへメッセージを投稿してみます。

Slackに投稿してみる

Slackのステータスが Connected になったので、実際にGrok Botからメッセージを投稿してみます。

今回はテストとして、Slackのチャンネルに以下のメッセージを投稿してもらいました。

Slackの #tech-news チャンネルに、以下のメッセージを投稿してください。
Grok Botからのテスト投稿です!

スクリーンショット 2026-08-24 16.36.42.png
指定したSlackチャンネルにメッセージを投稿できました。
これで、Grok BotからSlack Connectorを使って、実際にSlackへActionできるところまで確認できました。

Skillを使ってみる

ここまでで、Grok Botに実際の仕事をお願いするところまで試しました。
次は、うまくいった仕事の進め方を Skill として再利用できるようにします。
Skillは、タスクをどのように進めるかをまとめた再利用可能な手順です。
手順だけでなく、判断ルールや出力形式、Approvalが必要なポイントなども含められます。
今回は、先ほど行った技術情報の調査プロセスを Tech News Research というSkillとして保存します。
Skillは設定画面からフォーム入力して作るのではなく、Chatからそのまま作成をお願いできます。

先ほど行った技術情報の調査プロセスを、
「Tech News Research」というSkillとして保存してください。

以下を含めてください。

- AI / Cloud / AI Agent関連の情報を調査する
- 公式Blogやドキュメントなど一次情報を優先する
- 公開日を確認する
- 何が変わったのかを整理する
- 技術者への影響をまとめる
- 一次情報へのリンクを含める


Grok Botが内容を整理し、Tech News Research というSkillとして保存してくれます。
作成したSkillは /@ から呼び出して再利用できます。

作成したSkillを確認する

保存したSkillは、Plugins から 非公開Skill を開くことで確認できます。
Skillの詳細画面では、以下の内容を確認・編集できます。

  • 名前
  • 説明
  • 指示

今回作成した Tech News Research でも、一次情報を優先することや公開日の確認、技術者への影響を整理するといったルールが、Skillの指示として保存されています。
また、作成直後は 非公開Skill となっており、必要に応じて公開設定を変更できます。
これで、毎回同じ調査ルールをChatに書かなくても、Skillとして仕事の進め方を再利用できます。

Routineを使ってみる

Skillとして仕事の進め方を保存できたので、次はそのSkillを Routine として定期実行してみます。
Routineは、特定のBotに「いつこの仕事を実行するか」を設定する仕組みです。
Skillが「どうやって仕事を進めるか」を定義するのに対して、Routineは「いつ実行するか」を担当します。
ざっくり整理すると、

  • Skill:HOW(どうやるか)
  • Routine:WHEN(いつやるか)
    という関係です。

今回は、先ほど作成した Tech News Research を毎朝実行するRoutineを作ります。
Chatから以下のようにお願いしてみます。

毎朝8:00(日本時間)に「Tech News Research」Skillを使って、前回の実行以降に公開されたAI / Cloud / AI Agent関連の最新情報を調査してください。
重要なものを最大5件に絞り、Slackの #your-channel-name チャンネルに投稿してください。

#your-channel-name は、投稿先のSlackチャンネル名に置き換えてください。

Chatから指示後、Routineに登録されたことが確認できました。

Routineの設定を確認する

作成したRoutineは、BotのChat画面にある 右サイドバー から確認できます。
右サイドバーの Routines を開くと、このBotに設定されているRoutineの一覧が表示されます。

Routineを選択すると、Scheduleや実行内容、実行履歴などを確認できます。
また、Routineの一時停止や設定の編集、Test runなどもここから行えます。

Approvalを使ってみる

Routineを使うと、調査からSlackへの投稿まで自動化できます。
一方で、外部サービスへの投稿や変更まで自動化すると、意図しないActionがそのまま実行される可能性もあります。
そこでGrok Botでは、重要なActionの前に人間の確認を挟む Approval を利用できます。
例えば、メッセージの送信やコンテンツの公開、ファイルの削除、購入、Production環境の変更などでは、実行前にApprovalを挟む設計ができます。
今回はシンプルに、Slackへメッセージを投稿する直前にApprovalを求めるよう、Chatから指示してみます。

投稿を実行する前にApprovalが表示され、実行予定のActionを確認できます。
内容に問題がなければ承認して、Slackへの投稿を実行します。
このように、Grok Botではすべてを完全に自動化するだけでなく、必要なポイントだけ人間の判断を挟みながら仕事を進めることもできます。

利用するときの注意点

ここまで、Cloud ComputerやPlugin、Routineなど、Grok Botのさまざまな機能を試してきました。
最後に、利用するときに知っておきたいSecurity上のポイントを簡単に整理します。

BotごとにCloud Computerが分かれているわけではない

Grok Botでは、同じユーザーが作成したBotは1つのCloud Computerを共有します
そのため、Cloud Computer上のファイルやBrowser Session、ログイン状態などもBot間で共有されます。

Botを分けても、Security上の分離にはなりません。
例えば、あるBotでサービスにログインすると、そのログイン状態は同じCloud Computerを利用する他のBotからも利用できる可能性があります。
機密性の異なる仕事を「Botを分けるだけ」で分離しないように注意が必要です。

Pluginは必要なものだけ接続する

Pluginを使うと、Slackなどの外部サービスをGrok Botから操作できるようになります。
便利な一方で、接続するサービスが増えるほどBotがアクセスできる範囲も広がります。
そのため、必要なPluginだけを接続し、不要になったConnectorや認証は解除するのが基本です。
また、メッセージの送信や公開、削除、Production環境の変更など、影響の大きいActionにはApprovalを挟むようにします。

Grok Botはどんな立ち位置?

ここまでGrok Botを触ってみると、Chatで質問に答えてもらうというより、名前や役割を持ったBotに継続的に仕事を任せるという使い方が中心になっています。
では、他のAI Agent系サービスとは何が違うのでしょうか。
今回は、Claude Cowork、Cursor Cloud Agents、Cloudflare Agentsとざっくり比較してみます。

主な用途 特徴
Grok Bot 継続的な仕事の実行 名前や役割を持つBotがCloud ComputerやPluginなどを使って仕事を進める
Claude Cowork Knowledge Work ファイルや外部サービスを横断して、調査や資料作成などの複数ステップの仕事を進める
Cursor Cloud Agents Software Engineering Cloud上の開発環境でRepositoryを扱い、実装・Test・検証・PR作成などを進める
Cloudflare Agents AI Agentの開発 StateやScheduling、Browser、MCPなどを使ってAgentを構築・ホストする

Grok Bot

Grok Botでは、1つのBotが 名前や役割を持った継続的なAI Agent として動きます。
BotにはCloud Computerがあり、Browser、Filesystem、Terminalを利用できます。
今回試したように、PluginでSlackと接続したり、Skillとして仕事の進め方を再利用したり、Routineとして定期的に仕事を実行したりできます。
「AIに質問する」というより、「Botに仕事を任せる」 という使い方に近いサービスです。

Claude Cowork

Claude Coworkは、Anthropicが Knowledge Work Agent として提供している機能です。
Local FilesやSlack、Google Driveなどを扱いながら、Research、資料作成、レポート作成などの複数ステップの仕事を進められます。
Grok Botと近い領域もありますが、Coworkは特に 日常的なKnowledge WorkをClaudeに任せる ことにフォーカスしています。

Cursor Cloud Agents

Cursor Cloud Agentsは、Software Engineeringを中心としたAI Agentです。
Cloud上の独立したVMにRepositoryをCloneし、コードを変更するだけでなく、BuildやTest、動作確認まで行えます。
変更した内容をBranchへPushしたり、Pull Requestを作成することもできます。
そのため、Repositoryを中心としたSoftware Engineeringの仕事を任せることに強くフォーカスしています。

Cloudflare Agents

Cloudflare Agentsは、ここまでの3つとは少し立ち位置が異なります。
完成したAI Agentに仕事をお願いするサービスというより、AI Agentを自分で構築・ホストするためのPlatformです。
Agents SDKでは、Agentごとに状態を保持しながら、Scheduling、Browser、Sandbox、MCPなどを組み合わせたAI Agentを構築できます。
そのため、Grok BotやCoworkを「利用する」側というより、独自のAI Agentを開発する側の選択肢です。

まとめ

今回は、Grok Botを実際に触りながら、基本的な機能を一通り試しました。

  • Cloud Computerという実行環境を持つ
  • PluginでSlackなどの外部サービスと連携する
  • Skillとして仕事の進め方を再利用する
  • Routineで仕事を定期実行する
  • Approvalで必要なポイントだけ人間の確認を挟む

単発のChatだけではなく、仕事の進め方をSkillとして残し、Routineで繰り返し実行し、必要なところだけ人間が確認するところまで組み合わせられるのがGrok Botの特徴です。

一方で、Pluginを通じて外部サービスへActionできたり、同じユーザーのBotがCloud Computerを共有したりするため、権限やApprovalなどSecurity面もあわせて考える必要があります。

参考

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