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使っているGeminiモデル、あと何日使えるか想像できていますか。

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Last updated at Posted at 2026-08-17

はじめに

2026年8月17日、Gemini APIから画像生成モデルが3つサ終しました。imagen-4.0-generate-001 と、その ultra 版、fast 版です。

停止予定日は事前に公式ドキュメントに書かれていました。とはいえ、書いてあることと、自分が使っているモデルの期限を知っていることは別です。この機会に、廃止スケジュールを全部見てみました。

公式のdeprecationsページには、65個ものモデルがリリース日と停止日つきで並んでいます。引き算をすれば、そのモデルが何ヶ月生きたかが出ます。リリースノートを合わせて読めば、停止が告知されてから実際に止まるまでに何日あったのかもわかります。

出てきた数字は、私が思っていたよりずいぶん短いものでした。順に見ていきます。


止まったモデルを呼ぶと何が返るか

まず、本当に止まったのかを確かめました。停止予定日の当日にモデル一覧を取得すると、imagen-4.0 の3モデルはもう並んでいません。予定どおりです。

では、止まったモデルを呼ぶと何が返るのか。以前に停止した gemini-2.0-flash と、この日に止まった imagen-4.0-generate-001 に、それぞれリクエストを投げてみました。

from google import genai
client = genai.Client(api_key=API_KEY)
client.models.generate_content(model="gemini-2.0-flash", contents="Say OK.")

返ってきたのは404です。

404 NOT_FOUND
This model models/gemini-2.0-flash is no longer available.
Please update your code to use a newer model for the latest features and improvements.

imagen-4.0-generate-001 でも同じく404ですが、内容が違います。

404 NOT_FOUND
models/imagen-4.0-generate-001 is not found for API version v1beta,
or is not supported for generateContent.
Call ModelService.ListModels to see the list of available models and their supported methods.

前者は、もう提供していないとはっきり書いてくれます。困るのは後者で、そのAPIバージョンには無いという一般的な文言です。モデル名を打ち間違えたときとまったく同じ文面なので、廃止されたのか自分のタイプミスなのか、このメッセージからは判断できません。

しかも呼ぶ側から見れば、どちらも同じ404です。監視でHTTPステータスだけを見ていると、モデルが止まったことは404の増加としてしか現れません。


モデルはどれくらい生きるのか

deprecationsページには、各モデルのリリース日と停止日が並んで書かれています。両方の日付が載っているものについて、リリースから停止までの日数を出しました。

この一覧はモデル系列ごとに表が分かれていて、それぞれの表の中でプレビュー版が別枠にまとめられています。以下では、その別枠に入っていないほうを安定版と呼びます。該当したのは16件でした。

モデル リリース 停止 寿命
gemini-2.0-flash-live-001 2025-04-09 2025-12-09 8.0ヶ月
imagen-3.0-generate-002 2025-02-06 2025-11-10 9.1ヶ月
veo-3.0-generate-001 2025-09-09 2026-06-30 9.7ヶ月
gemini-2.5-flash-image 2025-10-02 2026-10-02 12.0ヶ月
gemini-3.1-flash-lite 2026-05-07 2027-05-07 12.0ヶ月
imagen-4.0-generate-001 2025-06-24 2026-08-17 13.8ヶ月
veo-2.0-generate-001 2025-04-09 2026-06-30 14.7ヶ月
gemini-2.0-flash 2025-02-05 2026-06-01 15.8ヶ月
text-embedding-004 2024-04-09 2026-01-14 21.2ヶ月
gemini-embedding-001 2025-07-14 2028-05-14 34.0ヶ月

中央値は13.8ヶ月、最短は8.0ヶ月でした。gemini-3.1-flash-litegemini-2.5-flash-image は、リリース日のちょうど1年後が停止日になっています。ここを見るかぎり、1年が一つの目安になっていそうです。

埋め込みモデルだけは別扱いです。gemini-embedding-001 の停止日は2028年5月で、リリースから34ヶ月あります。埋め込みは作ったベクトルを保存して使い続けるものなので、モデルが変わると保存済みのベクトルを作り直すことになります。他のモデルより移行が重い分、期間も長めに取ってあるのだと思います。

プレビュー版は23件で、こちらは傾向がはっきり違いました。

モデル リリース 停止 寿命
gemini-3.1-flash-lite-preview 2026-03-03 2026-05-25 2.7ヶ月
veo-3.0-generate-preview 2025-07-31 2025-11-12 3.4ヶ月
gemini-3-pro-preview 2025-11-18 2026-03-09 3.6ヶ月
gemini-3.1-flash-image-preview 2026-02-26 2026-06-25 3.9ヶ月
gemini-robotics-er-1.6-preview 2026-04-14 2026-08-31 4.6ヶ月
gemini-2.5-flash-preview-09-25 2025-09-25 2026-02-17 4.8ヶ月
gemini-2.5-pro-preview-03-25 2025-03-03 2025-12-02 9.0ヶ月

中央値は6.1ヶ月、最短は2.7ヶ月。安定版の13.8ヶ月と比べると半分以下です。

目を引くのは gemini-3-pro-preview の3.6ヶ月です。ここで効いてくるのが、Pro系には安定版がないという事情でした。2026年8月17日時点でモデル一覧に並ぶPro系はプレビュー版だけで、gemini-3-pro-preview の移行先も後継のプレビュー版です。推論性能の高いモデルを使いたければプレビュー版を選ぶしかなく、その結果、3ヶ月半で書き換えが必要になったことになります。本番アプリには安定版を使え、という公式の推奨に従いたくても、Pro系にはその選択肢がありません。

なお、65行のうち23行は停止日が未告知です。現行の主力である gemini-3.7-flashgemini-3.6-flash はここに入ります。まだ日付が決まっていないだけなので、決まってから止まるまでに何日あるのかを次に見ます。


告知から停止までは何日あるか

実際に移行に使える時間は、寿命そのものではなく、停止が告知されてから止まるまでの期間で決まります。こちらのほうが実務に直結します。

リリースノートを遡って、各モデルの廃止告知が最初に載った日を拾い、停止日との差を取りました。告知が記録されていた37件の結果です。

区分 件数 最短 中央値 最長
安定版 12件 15日 63日 103日
プレビュー版 25件 3日 28日 50日
全体 37件 3日 33日 103日

37件のうち16件は、告知から30日以内に停止しています。

短い側の実例を挙げます。

モデル 区分 告知 停止 猶予
gemini-2.0-flash-preview-image-generation プレビュー 2025-11-11 2025-11-14 3日
gemini-3-pro-preview プレビュー 2026-02-26 2026-03-09 11日
veo-3.0-generate-001 安定版 2026-06-15 2026-06-30 15日
veo-2.0-generate-001 安定版 2026-06-15 2026-06-30 15日

先頭の3日というのは、2025年11月11日に告知が出て11月14日に停止した例です。Veoの3モデルにいたっては安定版で、それでも告知から15日で止まっています。短いのはプレビュー版だけ、という話ではありません。

長い側は gemini-2.0-flash の103日でした。2026年2月18日に告知され、6月1日に停止しています。広く使われていた汎用モデルなので、それなりの猶予が取られたのだと思います。裏を返せば、あれだけ使われていたモデルでも3ヶ月半です。

つまり、告知を見てから移行を始めると間に合わない場合があります。中央値の33日で、新しいモデルの挙動を検証環境で確かめて、プロンプトを直して、本番に出すところまで。かなり慌ただしいはずです。


規約は何を約束しているか

ここまで短くできるのはなぜかというと、規約がそれを許しているからです。しかも、どこから呼ぶかで約束の中身が変わります。

Google AI Studio経由のGemini API(いわゆるDeveloper API)には、Google APIs Terms of Serviceが適用されます。提供終了について、規約はこう書いています。

Google reserves the right to terminate the Terms with you or discontinue the APIs or any portion or feature or your access thereto for any reason and at any time without liability

理由を問わず、いつでも、責任を負うことなく提供を終了できる、という条項です。事前通知の期間はここには書かれていません。

その代わり、ドキュメント側に運用上の目安があります。公式のモデルページは、プレビュー版について「少なくとも2週間前に通知したうえで非推奨にする」としています。実データの中央値は28日なので、たいていはこの目安どおりです。ただし3日というケースも現に出ています。

Google Cloud側、つまりGemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI)から呼ぶ場合は、Google Cloud Platform利用規約が適用されます。こちらには期間が明記されています。

Google will notify Customer at least 12 months before: (i) discontinuing any Service (or associated material functionality) unless Google replaces such discontinued Service or functionality with a materially similar Service or functionality

12ヶ月前の通知です。ただし同じ条項の末尾に除外規定があります。

This Section 1.4(e) (Discontinuation of Services) does not apply to Cloud Identity Services or pre-general availability Services, offerings, or functionality

一般提供前、つまりプレビュー段階のものは、この12ヶ月ルールの外に置かれています。もう一つ、同等の代替が提供される場合も対象から外れます。モデルの世代交代では後継モデルが移行先として案内されるのが通例ですから、この但し書きが効く場面はけっこう多そうです。

要するに、同じGeminiモデルでも、AI Studioのキーで呼ぶのか、Google Cloudのプロジェクトから呼ぶのかで、止まるときの約束が違います。プロトタイプをDeveloper APIで作って、そのまま本番に載せている場合、12ヶ月ルールは適用されていません。

用語の立て方も分かれています。Agent Platform側は、引退予定だと告知される日を「deprecation date」、エンドポイントが実際に止まる日を「retirement date」と定義して、その間は既存のワークロードのためにエンドポイントを動かし続けると明記しています。Developer API側は「shutdown date」の一本だけで、しかもその日付は「最も早い場合の日付」だと注記されています。


モデル名の4種類

停止の影響を受けやすいかどうかは、指定しているモデル名の種類でも変わります。公式ドキュメントは4種類を定義しています。

安定版gemini-3.6-flash のように世代を明示した名前を指します。中身は基本的に変わりません。本番アプリはこれを使うことが推奨されています。

プレビュー版gemini-2.5-flash-preview-09-2025 のように preview を含む名前です。本番で使ってもよいとされていますが、レート制限がより厳しい場合があり、少なくとも2週間前の通知で非推奨になります。

latestgemini-flash-latest のような別名です。そのモデル系列の最新リリースを指し、新バージョンが出るたびに中身が入れ替わります。破壊的変更がある場合はメールで2週間前に通知されます。

実験版:フィードバック収集のための提供で、エンドポイントの可用性は変更されうるとされています。

latestは一見便利ですが、中身が動きます。実際に gemini-flash-latest の情報をAPIから取得しても、表示名もバージョンも「Gemini Flash Latest」と返るだけで、今どの世代が動いているかはわかりません。

gemini-flash-latest -> display='Gemini Flash Latest' version='Gemini Flash Latest'

出力が変わったときに、プロンプトの問題なのかモデルが入れ替わったのか、APIからは判断できません。出力の再現性が必要な処理では安定版を明示し、常に最新を使いたい箇所に限ってlatestを指定するのが無難です。


自分の停止日を確認する

使っているモデルが今どうなっているかは、モデル一覧で確認できます。

from google import genai

client = genai.Client(api_key=API_KEY)
available = {m.name.replace("models/", "") for m in client.models.list()}

for model_id in ["gemini-3.6-flash", "gemini-2.5-flash-image", "imagen-4.0-generate-001"]:
    print(model_id, "利用可" if model_id in available else "一覧にない")

一覧に出てくるのは今呼べるモデルだけなので、停止済みのものはここで落ちます。CIに入れておけば、使っているモデルが消えたときにデプロイ前に気付けます。

あとは、次の停止予定を頭に入れておきます。2026年8月17日時点で停止日が決まっているもののうち、これから止まるのは次の4件です。

モデル 停止予定日 推奨移行先
gemini-robotics-er-1.6-preview 2026-08-31 gemini-robotics-er-2-preview
gemini-2.5-flash-image 2026-10-02 gemini-3.1-flash-image-preview
gemini-3.1-flash-lite 2027-05-07 gemini-3.5-flash-lite
gemini-embedding-001 2028-05-14 gemini-embedding-2

画像生成に gemini-2.5-flash-image を使っているなら、期限は10月2日です。ここは告知済みなので、少なくとも残り日数はわかっている状態です。

問題は、停止日が未告知の23件のほうです。ここに現行の主力モデルが入っています。停止の告知はまず公式のリリースノートに載って、そのあとdeprecationsページの表に反映されます。deprecationsページだけを時々眺める運用だと、日数が減ってから気付くことになるので、リリースノート側を定期的に見るほうが早く拾えます。

先ほどのモデル一覧を定期実行して結果を保存しておくのも手です。前回との差分を取れば、モデルが増えたり消えたりしたことに自分で気付けます。

移行のときにプロンプトをそのまま流用しても、出力が同じになる保証はありません。前の世代に合わせて調整したプロンプトは、新しいモデルだと出力の長さや形式が変わることがあります。正誤を機械的に判定できるテストを先に用意しておくと、移行してよいかの判断が早く済みます。


まとめ

65件を数えてわかったことをまとめます。

  • 安定版の寿命は中央値13.8ヶ月、最短8.0ヶ月。リリースのちょうど1年後に停止日を置く例が複数ある
  • プレビュー版の寿命は中央値6.1ヶ月、最短2.7ヶ月
  • 告知から停止までの猶予は全体で中央値33日、最短3日。安定版でも15日という例がある
  • Developer APIの規約に事前通知期間の定めはない。Google Cloud側は12ヶ月前通知だが、プレビュー段階と同等機能への置き換えは対象外
  • 65件中23件は停止日が未告知で、そこに現行の主力モデルが入っている

止まったモデルを呼んでも、返ってくるのは404だけです。しかもその404は、名前の打ち間違いと区別がつきません。使っているモデルIDを定期的に一覧と突き合わせて、リリースノートで告知を拾う。これを先に用意しておくほうが、止まってから慌てるより安く済みます。

参考

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