はじめに
Google Cloud で Gemini を使うには、Gemini Enterprise Agent Platform(GEAP) を利用します。GEAP は Google Cloud Next '26(2026年4月)で発表された、旧 Vertex AI の後継プラットフォームです。
本記事では GEAP 経由で Gemini を呼び出す最小構成を解説します。まずはCloud Shell上で実行してみましょう。
GEAP とは
GEAP は Gemini モデルの呼び出しからエージェントの構築・運用まで、AI 関連機能を一元管理する Google Cloud のプラットフォームです。
Google Cloud のエコシステムとネイティブに統合されているため、以下のような特徴があります。
- IAM で認証・認可を管理:サービスアカウントや Workload Identity Federation と組み合わせられる
- Cloud Audit Logs に記録:誰がいつ何のモデルを呼んだか追跡できる
- VPC との連携:プライベートネットワーク内からの呼び出しに対応
- 請求が Google Cloud に統合:他のサービスとまとめてコスト管理できる
事前準備
Vertex AI API を有効化する
GEAP は旧 Vertex AI のリブランドであり、有効化する API は Vertex AI API(aiplatform.googleapis.com) です。
まず有効化済みかどうか確認します。
gcloud services list --enabled | grep aiplatform
以下のスクショのように、コマンド実行結果としてaiplatform.googleapis.comが表示された場合は有効になっています。(無効の場合は何も表示されません)

表示されない場合は以下のコマンドで有効化してください。
gcloud services enable aiplatform.googleapis.com
Python SDK のインストール
pip install --upgrade google-genai
最初の API 呼び出し
環境変数を設定する
export GOOGLE_CLOUD_PROJECT="your-project-id" # GCP プロジェクト ID
export GOOGLE_CLOUD_LOCATION="global" # リージョン(global 推奨)
export GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISE="True" # GEAP を使う宣言
GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISE=True を設定することで、SDK のリクエスト先が GEAP のエンドポイントに切り替わります。
コードを書く
sample.py
from google import genai
client = genai.Client() # ADC で自動認証
response = client.models.generate_content(
model="gemini-3.5-flash",
contents="日本の首都はどこですか?",
)
print(response.text)
実行する
python sample.py
会話を続ける(マルチターン)
sample.py
from google import genai
client = genai.Client() # ADC で自動認証
response = client.models.generate_content(
model="gemini-3.5-flash",
contents=[
{"role": "user", "parts": [{"text": "日本の首都はどこですか?"}]},
{"role": "model", "parts": [{"text": "東京です。"}]},
{"role": "user", "parts": [{"text": "その都市の人口はどのくらいですか?"}]},
],
)
print(response.text)
実行する
python sample.py
料金・使用量の確認
GEAP の利用料金は Google Cloud の請求にまとめて計上されます。
| モデル | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| gemini-3.5-flash | $1.50 / 100 万トークン | $9.00 / 100 万トークン |
Cloud Console の 「お支払い」→「レポート」 または 「APIs & Services」→「Gemini Enterprise Agent Platform API」 から使用量を確認できます。
学習・実験用途であれば、数十回の API 呼び出しでも数円未満に収まります。
まとめ
GEAP 経由で Gemini を使うポイントは 2 つです。
-
API 有効化:
gcloud services list --enabled | grep aiplatformで確認し、なければgcloud services enable aiplatform.googleapis.com -
環境変数:
GOOGLE_GENAI_USE_ENTERPRISE=Trueを設定する
IAM・Cloud Audit Logs・VPC など Google Cloud のエコシステムとそのまま統合できるのが GEAP の強みです。

