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Geminiモデルのナンバリング変遷史、1.0から3.1 Proまで何が変わってきたか

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Last updated at Posted at 2026-08-08

はじめに

Gemini は2023年12月の初登場から2026年7月時点まで、1.0、1.5、2.0、2.5、3、3.1 と、約2年半でバージョンを重ねてきました。日常的に触れていても、それぞれのバージョンで具体的に何が変わったのかを順序立てて説明できる人は多くないはずです。

この記事では、公式発表をもとに、Gemini の各世代がどんな課題に対する回答として登場したのかを整理します。ベンチマークの数値を並べるのではなく、世代を追うごとにモデルの立ち位置がどう変わってきたかという流れに焦点を当てます。


Gemini 1.0、マルチモーダルの土台(2023年12月)

Gemini の第一世代は2023年12月6日に発表されました。Ultra、Pro、Nano という3つのサイズで構成され、テキストやコード、音声、画像、動画といった複数の情報形式を、後から組み合わせるのではなく最初から同時に扱えるように設計されたモデルだと説明されています。Ultra は32件のベンチマークのうち30件で当時の最高水準を上回り、人間の専門家を初めて上回ったとされる MMLU のスコアでも話題になりました。

発表と同時に、Pro のファインチューニング版が Bard に組み込まれ、当時としては「Bard が始まって以来最大のアップグレード」と位置づけられています。開発者向けには Google AI Studio と Vertex AI 経由で12月13日から Pro へのアクセスが始まり、Ultra は安全性検証を経て2024年初頭に順次公開される計画でした。


Gemini 1.5、ロングコンテキストの獲得(2024年2〜5月)

2024年2月15日に発表された Gemini 1.5 は、コンテキストウィンドウ(一度に読み込める情報量)を大きく広げた世代です。Gemini 1.0 の32,000トークンから、本番環境で最大100万トークンまで扱えるようになりました。これは1時間程度の動画、11時間分の音声、3万行を超えるコードベース、70万語超のテキストを一度に読み込める規模です。

この拡張を支えたのが、モデル内部に複数の「専門家(エキスパート)」ネットワークを持ち、入力内容に応じて必要な専門家だけを選んで動かす Mixture-of-Experts(MoE)というアーキテクチャです。全体を毎回フル稼働させる必要がなくなるため、1.0 Ultra に匹敵する性能を、より少ない計算量で実現したと説明されています。同年5月には軽量版の Gemini 1.5 Flash が登場し、コンテキストウィンドウも200万トークンまで開放されました。


Gemini 2.0、エージェント時代への転換(2024年12月)

2024年12月11日に発表された Gemini 2.0 は、Google が「エージェントの時代」に向けたモデルと位置づけた世代です。1.5 Pro を上回る性能を、2倍の速度で実現したとされています。

技術面での最大の変化は、Google 検索やコード実行といったツールをモデル自身が判断して呼び出す「ネイティブなツール利用」と、画像生成やテキスト読み上げ音声をテキストと並行して出力できるマルチモーダル出力です。あわせて、音声とカメラを使ったリアルタイム対話アシスタント Project Astra の機能強化や、複雑なテーマについて自律的に調査しレポートをまとめる Deep Research 機能も、この世代で Gemini Advanced 向けに展開されています。


Gemini 2.5、思考するモデルへ(2025年3月)

2025年3月、Gemini 2.5 が「思考するモデル」として発表されました。回答を即座に返すのではなく、内部でいったん思考の過程を組み立ててから応答することで、精度を高める設計です。以後の Gemini 2.5 系モデルはすべてこの思考機能を備えることになり、数学や科学分野のベンチマークで当時の最高水準を記録しています。

Gemini 2.0 がツールを使って外の世界に働きかける方向の進化だったのに対し、Gemini 2.5 はモデル自身の推論過程を強化する方向の進化だったと整理できます。


Gemini 3、3つの力の統合(2025年11月)

2025年11月18日に発表された Gemini 3 は、Google 自身が「これまでの Gemini の力を組み合わせたモデル」と説明する世代です。公式ブログでは、Gemini 1 でマルチモーダル性とロングコンテキストの基盤ができ、Gemini 2 で推論と思考の能力にネイティブなツール統合が加わり、Gemini 3 でそれらを統合したという位置づけが示されています。Gemini アプリ、Google 検索、Vertex AI、Gemini CLI、Android Studio、Antigravity など、発表と同時に幅広いプラットフォームへ展開されました。


Gemini 3.1 Pro、命名規則の変化(2026年2月)

2026年2月19日には Gemini 3.1 Pro が発表されました。ARC-AGI-2 という未知のパターンを推論させるベンチマークで、前バージョンの2倍以上にあたる77.1%のスコアを記録するなど、推論能力を底上げしたモデルと説明されています。アニメーション付きの SVG 生成や、複雑なデータを対話的な3D表現にまとめるといった、単純な一問一答では済まないタスクへの対応力が強化されました。

ここで目を引くのは命名の変化です。Gemini 1.0 は1.5、Gemini 2.0 は2.5というように、これまでの世代は0.5刻みの中間アップデートを挟んできました。Gemini 3 系では、その中間アップデートが3.5ではなく3.1という0.1刻みの数字で登場しています。公式発表では命名の理由そのものは説明されていませんが、これまでの刻み方とは異なる番号が採用されたこと自体は、公開されているバージョン一覧から確認できる事実です。


世代を通じて何が変わってきたか

Gemini 1系はマルチモーダル性とコンテキストウィンドウという「扱える情報の幅」を広げる世代でした。Gemini 2系はツール呼び出しと思考過程という「モデル自身が何をするか」を広げる世代でした。Gemini 3系は、公式の位置づけどおりそれらを統合した上で、推論能力そのものをさらに底上げする方向に進んでいます。

バージョン番号を追うだけでは、こうした進化の軸の違いは見えてきません。それぞれの世代が何を新たに獲得したのかを押さえておくと、次にどんな番号のモデルが出てきても、それが「何を広げる」アップデートなのかを見当づけやすくなります。


まとめ

Gemini は2023年12月の1.0から、2024年の1.5と2.0、2025年の2.5と3、2026年の3.1 Pro まで、約2年半で6回のメジャーな更新を重ねてきました。1系はマルチモーダル性とロングコンテキスト、2系はツール利用と思考機能、3系はその統合と推論能力の強化と、世代ごとに異なる課題に取り組んできたことがわかります。

具体的な性能数値や対応プラットフォームは変更される可能性があるため、実際に利用する際は必ず公式ドキュメントで最新の情報を確認してください。

参考

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