1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【Google AI Threat Defense】AIを使った攻撃にAIで対抗する。AIセキュリティ統合プラットフォームとは

1
Last updated at Posted at 2026-06-03

はじめに

「AIを使った攻撃に、AIで対抗する」

2026年5月28日(RSAC 2026)、Google は Google AI Threat Defense を発表しました。
Gemini、Wiz、Mandiant、CodeMender、Google Security Operations を統合した、AI セキュリティの包括的なプラットフォームです。

この記事では、Google AI Threat Defense が何を解決するのか、どんなコンポーネントで構成されるのか、エージェント向けの新しいセキュリティ機能は何かを整理します。

注記:この記事は Google Cloud 公式ブログ、RSAC 2026 発表資料、Google Cloud Next '26 発表資料に基づいています。2026年6月時点の情報です。GA / Preview の区別は各機能に明記しています。


Google AI Threat Defenseの必要性

AI を使った攻撃は、脅威のスピードが以前とは大きく変わっています。

Google の脅威インテリジェンス(Mandiant)によると、脆弱性の発見から悪用までにかかる時間は、かつては数週間かかっていたものが、いまは数時間から数日に短縮されています。
これは攻撃者も AI を使っているからです。

人間がアラートを見てトリアージして対応する従来の SOC ワークフローでは、このスピードに追いつけません。
Google AI Threat Defense は、この問題に対して「AI で AI に対抗する」アプローチを取ります。


Google AI Threat Defenseの5つのコンポーネント

image01.png

コンポーネント 役割
Gemini 高度な推論・コード生成。脅威分析とコード修復の中核エンジン
Wiz クラウド環境全体のリスク可視化・優先順位付け・ペネトレーションテスト
Mandiant Google傘下の脅威インテリジェンス専門組織。最前線の攻撃者情報を提供
CodeMender AIエージェントによる脆弱なコードの自動修復
Google Security Operations SOC機能の中核。ネットワーク・アイデンティティ・アプリのテレメトリを一元管理

これらは単体の製品ではなく、エンドツーエンドのセキュリティワークフローとして統合されています。


4つのフェーズで構成されるフレームワーク

Google AI Threat Defense は「準備 → スキャン → 修復 → 監視」の4フェーズで機能します。

image02.png

フェーズ1:準備(Prepare)

Wiz が環境全体を継続的にスキャンして基盤を強化します。
スキャン対象は広範囲です。

  • コードリポジトリ
  • CI/CDパイプライン
  • AIプラットフォームとモデル
  • ハイブリッドクラウド環境全体

フェーズ2:スキャンと優先順位付け(Scan and Prioritize)

AI 主導の敵対的テスト(アドバーサリアルテスト)で、本当に悪用可能な脆弱性だけを優先します。

マルチ AI 戦略を採用しています。

  • 軽量・高速モデル → 広範囲の継続的カバレッジ用
  • フロンティアモデル → 最高リスク資産向けの深い分析

単純なアラートリストではなく、実際に悪用されうるリスクに絞った優先順位付けが特徴です。

フェーズ3:修復(Remediate)

CodeMender が IDE や CLI で直接、修復コードを提案・生成します。

  • 脆弱なコードの置き換え案を自動生成
  • レガシーコードを最新のメモリセーフ言語(Rustなど)へ書き換え
  • 本番環境適用前の自動テスト生成
  • ソース管理・本番環境でのパッチ追跡

人間が最終承認するまで、AI が修復案を準備しておくという流れです。

フェーズ4:監視(Monitor)

Google Security Operations がマシンスピードで継続的に監視します。

  • ネットワーク、アイデンティティ、アプリケーションのテレメトリを統合監視
  • Mandiantの脅威インテリジェンスに基づく異常検知
  • 自動トリアージと対応

Google Security Operationsの自動化エージェント

Google Security Operations(SOC 機能)にも複数の AI エージェントが追加されました。

エージェント名 機能 ステータス
Triage and Investigation Agent アラートの自動調査・証拠収集・判定。30分の手動分析を60秒に短縮。年間500万件以上を処理 稼働中
Threat Hunting Agent 新規攻撃パターン・潜伏型の脅威を能動的に検出 Preview
Detection Engineering Agent 検出ギャップを特定し、新しい検出ルールを自動生成 Preview
Third-Party Context Agent サードパーティの情報でワークフローを補完 近日Preview予定

特に Triage and Investigation Agent の実績は目立っていて、30分かかっていた手動分析が60秒に短縮されています。


従来のセキュリティソリューションとの違い

比較項目 Google AI Threat Defense 従来のセキュリティツール
脅威対応 修復コードの自動生成まで アラートの生成のみ
優先順位付け 実際に悪用可能なリスクに絞る 大量のアラートリスト
対応速度 マシンスピード(秒〜分) 人間によるトリアージ(時間〜日)
リスク評価 ライブアーキテクチャ・ランタイムコンテキストを使用 静的スキャンのみ
AIエージェント保護 Model Armor・Agent Gatewayで専用対応 エージェント向け機能なし

まとめ

Google AI Threat Defense は、個別製品の集合体ではなく、準備 → スキャン → 修復 → 監視の4フェーズを一気通貫でカバーするプラットフォームです。

エンジニアが特に注目すべきポイント

  1. CodeMenderによる自動修復:アラートを受け取るだけでなく、修復コードの案まで自動生成される
  2. SOCの自動化:Triage Agentが年間500万件以上のアラートを処理し、人間は高優先度の脅威に集中できる

AI が攻撃に使われる時代に、AI で防御する。
Google AI Threat Defense は、その一つの答えです。


参考ドキュメント

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?