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LogDNA で IBM Cloud のログ監視をしてみた

Last updated at Posted at 2019-01-22

TL;DR

IBM Cloudと統合されたログ収集プラットフォームLogDNAを使ってIBM Cloud IaaSのVirtual Server Instance(仮想サーバー)上のRHEL7のOSログ監視をしてみました。
image.png

LogDNAって何?

LogDNAは2015年に米カリフォルニア州マウンテンビューで設立されたSaaS型のログ収集プラットフォームです。

  • システムおよびアプリケーションの問題をデバッグするためのログ管理および分析
  • 最新のコンテナベースのアプリケーションに最適化
  • 何百ものカスタム統合を使用してあらゆるプラットフォームから収集および集約する機能
  • SaaSと分離/オンプレミスへのデプロイ・オプション
  • 1,500の有料顧客あり
  • ロゴ:
    image.png

LogDNAは、以下のような特長を持っています。

  • スタンダードなElasticよりもスケーラビリティのある高速検索
  • HIPAAとSOC2に準拠、GDPR/PCI-DSSにも対応(予定)
  • 電子メール、Slack、HipChat、Webhook、PagerDuty、OpsGenieとのアラート統合
  • Google検索のような簡易検索
  • ログ・テーリング
  • IBM Cloud、Heroku、Manifoldといったクラウド・ベンダーとの統合

IBM Cloudと統合されたLogDNAを使うと以下のようなメリットがあります。

  • 完全集中型ログ管理:すべてのログデータを一箇所に集約
  • 柔軟な保存期間:ログ検索のための7、14および30日
  • リアルタイムのライブテールおよびフィルタ機能でログイベントを拡大
  • 自然言語クエリと超高速検索で問題を迅速に見つけて解決
  • Pager Duty、Slack、Webhook、Webhookなどによる通知サポートを使用してアラートを実行
  • 30を超える統合と管理対象ソースをサポート
  • コンテナ・ベースのアプリケーションに最適化
  • GB単位の料金
  • IBM CloudのSSOによるエンタープライズグレードの管理、および管理者に対する完全なRBACを提供
  • 長期保管のためにIBM Cloud Object Storageにアーカイブ
  • アーキテクチャ:
    image.png

(参考)IBM Log Analysis with LogDNA
https://www.ibm.com/cloud/log-analysis

LogDNAのオーダー

IBM IDでログインして以下よりオーダーします。
https://cloud.ibm.com/catalog?search=LogDNA
image.png

サービス名、リージョン、リソースグループを入力して作成ボタンをクリックします。
https://cloud.ibm.com/observe/logging/create
image.png

プランを以下から選択します。最初はライト版(無料)でオーダーしてみます。
image.png

ネットワーク前提

LogDNA AgentからLogDNAサーバーへの発信トラフィックとして以下のパブリックIPアドレスおよびポートについて、ファイアウォールやセキュリティ・グループであらかじめ許可しておく必要があります。

  • ログ送信のためのIPアドレス

    • リージョン:米国南部
    • Ingestion endpoint:logs.us-south.logging.cloud.ibm.com
    • パブリックIPアドレス:
      • 169.48.237.107
      • 169.60.166.45
      • 169.47.224.77
    • ポート:
      • TCP 443
      • TCP 80
  • LogDNA agentにより利用されるIPアドレス

    • リージョン:米国南部
    • Authentication endpoint: api.us-south.logging.cloud.ibm.com
    • パブリックIPアドレス:
      • 169.47.224.74
      • 169.60.166.44
      • 169.48.237.109
    • ポート:
      • TCP 443
      • TCP 80

最新の情報は以下をご確認ください。

(参考)Managing network traffic
https://console.bluemix.net/docs/services/Log-Analysis-with-LogDNA/network.html#network

LogDNAエージェントの設定

エージェントレスで単純にrsyslog、syslog-ng、syslogから転送することもできますが、ここではLogDNA経由で監視します。エージェントを利用することで幅広いログ収集が可能です。

オーダー後、IBM CloudのダッシュボードにLogDNAが表示されます
image.png

エージェントは以下の環境をサポートしています。

  • Linux Ubuntu/Debian
  • Linux RPM-based
  • Kubernetes
image.png image.png

今回はREHL7を管理対象とするためRPMベースのエージェントをインストールします。最初にパッケージをインポートします。

# sudo rpm --import https://repo.logdna.com/logdna.gpg

リポジトリーを設定します。

echo "[logdna]
name=LogDNA packages
baseurl=https://repo.logdna.com/el6/
enabled=1
gpgcheck=1
gpgkey=https://repo.logdna.com/logdna.gpg" | sudo tee /etc/yum.repos.d/logdna.repo

エージェントをインストールします。

sudo yum -y install logdna-agent

ダッシュボードに表示されているユニーク・キーを入力します。

# sudo logdna-agent -k XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
Your LogDNA Ingestion Key has been successfully saved!

LogDNAのAPIホスト"api.us-south.logging.cloud.ibm.com"を登録します。

# sudo logdna-agent -s LOGDNA_APIHOST=api.us-south.logging.cloud.ibm.com
Config variable: LOGDNA_APIHOST = api.us-south.logging.cloud.ibm.com been saved to config.

LogDNAサーバーのホスト"logs.us-south.logging.cloud.ibm.com"を登録します。

# sudo logdna-agent -s LOGDNA_LOGHOST=logs.us-south.logging.cloud.ibm.com
Config variable: LOGDNA_LOGHOST = logs.us-south.logging.cloud.ibm.com been saved to config.

監視対象ディレクトリを登録します。デフォルトでは/var/log配下が登録されています。

# sudo logdna-agent -d /path/to/log/folders
Log Directories: /path/to/log/folders has been saved to config

エージェントに監視対象サーバーの任意のタグを設定します。ここではmytag, myothertagとしています。

# sudo logdna-agent -t mytag,myothertag
Tags: mytag, myothertag have been saved to config

LogDNAエージェントがOS起動時に自動起動するように設定します。

sudo chkconfig logdna-agent on

LogDNAエージェントを手動で起動します。

sudo service logdna-agent start

LogDNAダッシュボードの表示

ダッシュボードの[All Sourcers]に表示される管理対象サーバーをチェックします。

image.png

検索機能を有効化するためにプランをアップグレードします。
image.png

プランを選択します。

image.png

OKをクリックします。

image.png

ダッシュボードを開き直します。

image.png

トライアル版から有償版に変わったことを確認します。

image.png

ログ・レベルを指定してログがダッシュボードに表示されることを確認します。

image.png

LogDNAダッシュボードの見方

監視対象ログとして、audit.log, cron, logdna-agent.log, messeagesなどを指定できます。

image.png

以下のようなフォーマットでログが可視化されます。

例1)"/var/log/secure"に出力されているパスワード入力エラー
image.png

例2)"/var/log/secure"のSSHによる不正アクセスの検知
image.png

例3)"/var/log/messeage"に記録されたroot権限によるSSHログイン
image.png

例4)"/var/log/messeage"に記録されたタイムゾーンの変更
image.png

レポート

様々な切り口でログのレポートを取得することができます。

例)すべてのログのカウント(24時間)
image.png

例)エラー・ログのカウント(24時間)
image.png

アーカイブ先

ログ・データのアーカイブ先としてはIBM Cloud Object Storage (ICOS)をはじめ各種クラウド・ストレージを指定できます。

image.png

ICOSをオーダーしてバケットを作成の上、必要なバケット名、エンドポイント、APIキー、インスタンスIDを入力します。

image.png

IBM Cloud Object Storageのエンドポイントは以下のとおりパブリック、プライベートがありますが、ここではLogDNAのアーカイブ先としてパブリック・エンドポイントを利用しています。

アーカイブとして毎晩自動的にログがエクスポートされます。設定が完了すると、エクスポートされたログは24〜48時間以内に以下のような形で表示されます。事前にICOS上にバケットを作成しておく必要があります。

image.png

アラート通知

[設定]->[アラート]よりSlackなど外部連携の設定が可能です。

image.png image.png

ログのエクスポート

LogDNAのダッシュボード[Export lines]より期間を指定すればログを.jsonlファイルとしてエクスポートし管理者のメール・アドレスに転送することができます。
image.png

LogDNAよりデータのダウンロード・リンク付きのメールが送信されます。
image.png

48時間有効なリンクからログ・ファイルをダウンロードできます。
image.png

JSON Linesは以下のようなフォーマットです。

{"_account":"09a8a8abfe","_cluster":"ld60","_host":"vsi-20180121","_ingester":"agent","_logtype":"syslogline","_mac":"06:87:ca:13:3b:76","_tag":["mytag","myothertag"],"_file":"/var/log/secure","_line":"polkitd[3735]: Unregistered Authentication Agent for unix-process:31232:12724202 (system bus name :1.124, object path /org/freedesktop/PolicyKit1/AuthenticationAgent, locale ja_JP.UTF-8) (disconnected from bus)","_ts":1548248814652,"_app":"secure","_ip":"10.129.177.16","_ipremote":"169.56.30.124","__key":"logline:09a8a8abfe:secure:vsi-20180121:ld60","level":null,"logsource":"vsi-20180121","program":"polkitd","pid":3735,"message":"Unregistered Authentication Agent for unix-process:31232:12724202 (system bus name :1.124, object path /org/freedesktop/PolicyKit1/AuthenticationAgent, locale ja_JP.UTF-8) (disconnected from bus)","_id":"1041230996311273480"}
...

VRAのログ監視

仮想ルーターのVRA (Vyatta Router Appliance)についてもOSがLinuxベースのため同様の手順で監視できます。

エージェントはLinux Ubuntu/Debianベースのものをインストールしてください。

echo "deb https://repo.logdna.com stable main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/logdna.list
wget -O- https://repo.logdna.com/logdna.gpg | sudo apt-key add -
sudo apt-get update
sudo apt-get install logdna-agent < "/dev/null" # this line needed for copy/paste
sudo logdna-agent -k 09a8a8abfe0765729c660345b4a0d513 # this is your unique Ingestion Key
sudo logdna-agent -s LOGDNA_APIHOST=api.us-south.logging.cloud.ibm.com # this is your API server host
sudo logdna-agent -s LOGDNA_LOGHOST=logs.us-south.logging.cloud.ibm.com # this is your Log server host
# /var/log is monitored/added by default (recursively), optionally add more dirs with:
# sudo logdna-agent -d /path/to/log/folders
# You can configure the agent to tag your hosts with:
# sudo logdna-agent -t mytag,myothertag
sudo update-rc.d logdna-agent defaults
sudo /etc/init.d/logdna-agent start

以下のようにリアルタイムでrsyslogのログが転送されます。

image.png

エージェント・レスでのログ監視 ※2019年3月18日追加

エージェント・レスでもrsyslogによりsyslogを転送することが可能です。

IBM CloudのサービスからLogDNAサービスのダッシュボードを起動し、"Add log sources"をクリックしてください。

image.png

Root CA Certificate を /etc/ld-root-ca.crt にダウンロードしてください。

# cd /etc
# wget https://repo.logdna.com/syslog/ld-root-ca.crt

22-logdna.confファイルを新規に/etc/rsyslog.d/22-logdna.confに作成してください(キーはIBM Cloud経由で起動したLogDNAのダッシュボードのものを利用します。)

/etc/rsyslog.d/22-logdna.conf
### START LogDNA rsyslog logging directives ###

## TCP TLS only ##
$DefaultNetstreamDriverCAFile /etc/ld-root-ca.crt # trust these CAs
$ActionSendStreamDriver gtls # use gtls netstream driver
$ActionSendStreamDriverMode 1 # require TLS
$ActionSendStreamDriverAuthMode x509/name # authenticate by hostname
$ActionSendStreamDriverPermittedPeer *.us-south.logging.cloud.ibm.com
## End TCP TLS only ##

$template LogDNAFormat,"<%PRI%>%protocol-version% %timestamp:::date-rfc3339% %HOSTNAME% %app-name% %procid% %msgid% [logdna@48950 key=\"********************************\"] %msg%"

# Send messages to LogDNA over TCP using the template.
*.* @@.us-south.logging.cloud.ibm.com:6514;LogDNAFormat

### END LogDNA rsyslog logging directives ###
Download this file

yumで"rsyslog-gnutls"をインストールしてください。

# yum install rsyslog-gnutls

"rsyslog"サービスをリスタートしてください。

# sudo /etc/init.d/rsyslog restart

以下のようにLogDNAダッシュボードに/var/log/配下のログが転送されます。

image.png

VMware NSX環境のSyslog転送

NSXのSyslog転送先として1台または2台のリモートSyslog サーバを設定できます。NSX Edge アプライアンスから流れるファイアウォール イベントに関連した NSX Edge のイベントとログは、Syslog サーバに送信されます。

  1. vSphere Web Client にログインします。
  2. [ネットワークとセキュリティ (Networking & Security)] をクリックし、[NSX Edge (NSX Edges)] をクリックします。
  3. NSX Edge をダブルクリックします。
  4. [管理] > [設定] タブの順にクリックします。
  5. [詳細] パネルで、Syslog サーバの横の [変更] をクリックします。
  6. 両方のリモート Syslog サーバの IP アドレスを入力し、プロトコルを選択します。
  7. [OK] をクリックして設定を保存します。
image.png

※LogDNAサーバは、"syslog-a.us-south.logging.cloud.ibm.com:31372"ですがここではパブリックIPアドレスを直接入力しています。

LogDNAダッシュボードにログが転送されます。

image.png

参考リンク

公式ガイド
https://docs.logdna.com/docs

以上、簡単ですがLogDNAによるIBM Cloud IaaSの監視についての紹介でした。

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