SoftLayerでOpenStackを使う方法の一つとして、例えば、ベアメタル・サーバーを借りて、そこにコミュニティ版のOpenStackを自分でインストール、構成する方法があります。しかし、OpenStackを使いこなすには、スキルと時間が必要です。OpenStackを専有のクラウド基盤として使いたいけれど、基盤の構築・運用はしたくない、という方のために、IBM Cloud OpenStack Services (ICOS)というサービスがあります。
ICOSを実際に使ってみます。
IBM Cloud OpenStack Servicesとは
IBM Cloud OpenStack ServicesはIBMが提供するOpenStack as a Serviceです。
実体は、SoftLayer上の専有ベアメタル・サーバーに展開されており、その上に、IBM版OpenStackがインストール、構成されており、IBMがOpenStack基盤をまるごと運用付きでサービス提供しています。ユーザーはVPN経由で管理コンソール(Horizon)にアクセスし、自分たちのプライベート・クラウド環境としてOpenStack基盤を利用することができます。詳細は以下のリンクをご覧ください。
ICOSの特徴
OpenStackベースのホステッド・プライベート・クラウドICOSには以下の特徴があります。
①短期間で利用可能に
②お客さま専用のクラウド環境
③お客さまは利用に専念できる
④IBMが設計・構築・運用を実施
⑤可用性やセキュリティも考慮
⑥必要に応じてITリソースを拡充
⑦グローバルのデータセンターで
ICOSにアクセスする
ICOSへのアクセスは、OpenVPNプロトコルを利用します。利用申請をするとVPNアカウントがメール送付されますので、VPNクライアントを用いてICOSの管理コンソールにアクセスしてみます。OpenVPNクライアントとしてTunnelBlickを利用しました。
ダッシュボードにログインする
コミュニティ版OpenStackにそっくりなダッシュボードが起動します。コミュニティ版のOpenStackをフォークさせてIBMが開発・保守しているIBM版OpenStackが使われています。
イメージ一覧を確認する
デプロイ可能なイメージの一覧を表示します。自分でインポートすることができます。
ネットワーク・トポロジーを確認する
SoftLayerのプライベート・ネットワークとパブリック・ネットワークがあることが分かります。
インスタンスをデプロイする
フレーバーを指定する
デプロイするインスタンスのCPUやメモリのテンプレートを指定します。
鍵ペアを指定する
ネットワークを指定する
今回はICOS上のフラットなプライベート・ネットワークの上にインスタンスをデプロイします。
カスタマイズ・スクリプトを入力する
カスタマイズ・スクリプトとはインスタンスがデプロイされた直後に一度だけ実行される任意のスクリプトです。例えば、以下のようなBatスクリプトを記述することでWindowsの初期パスワードを設定できます。
[WINDOWS CLOUD-INIT]
rem cmd
net user <User> <Password>@1 /logonpasswordchg:no /add /y
net localgroup administrators ibmcloud /add
インスタンスがデプロイされたことを確認する
数分後、Windowsのインスタンスがデプロイされていることが分かります。
ログオン・コンソールを確認する
ICOSにWindowsがデプロイされていることが分かります。
つづく・・・
検証結果は随時更新していきます