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【参加レポート】EmConf 2026で「事業に向き合う」ことのヒリヒリ感を味わってきた

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みなさん、3月楽しんでますか?
3月といえば、期の振り返り、査定や来期計画の策定といった業務イベントに加え、プライベートでは確定申告やらスノボやらイベント盛りだくさんで忙しいですよね。ええ、私も毎日とても楽しいです(カンファレンスレポートの執筆が遅くなった言い訳以上)。

さて、先日開催されたEMConf JP 2026に現地参加してきました。非常に熱量が高く、自分の日々のマネジメントを振り返って耳が痛くなるような素晴らしいセッションばかりでしたので、備忘録も兼ねてレポートを書きたいと思います。

カンファレンス全体の感想:「EMは何に向き合うべきか」

各セッションの感想に入る前に、全体を通した私の感想を少し。

今回のEmConf、個人的な裏テーマは「視座の引き上げ」と「事業・経営に対する本質的な向き合い方」だったように感じています。
ピープルマネジメントや開発生産性の向上はあくまで「手段」であり、EMの最終目的は「事業の成功(事業生産性の向上)」である。そしてポジションが上がるにつれて抽象度の高い問いに向き合う必要があり、そのヒリヒリ感を楽しむこと……。

シニアマネージャーとして、わかっていたつもり・やっていたつもりになっていた部分を容赦なく(もちろん良い意味で)突かれ、己の理解の浅さや逃げていた部分を自覚させられる、非常に良いデトックス体験になりました。

以下、特に刺さったセッションの感想です。


冒険する組織のつくりかた(基調講演)

  • 登壇者: 安斎勇樹 氏

■ ざっくり概要
現代の会社組織に求められるものやキャリア観の変化から、これまでの「軍事・戦争」をベースにしたマネジメント論の限界と、新たな組織づくりのアプローチを説いた基調講演。

■ 感想
一言で言うと、めっちゃ良かったです。 マネージャーとして刺さる部分が非常に多く、考えさせられました。
前半で述べられていた「マネジメント論のベースが軍事的なところから来ている」という話は、現代のキャリア観とそぐわなくなっているという点で非常にしっくりきましたし、組織文化の類型(統率性と柔軟性、内部志向と外部志向の4象限)に照らし合わせると、弊社は「家族的文化」になってしまってるかも、ということを再認識しました。

後半の「半径5mから変革できる4つのマネジメント」は明日からでも取り入れたい内容でした。
目標設定の「ALIVEの法則」について、自分はこれまで「SMARTの法則」に寄りすぎていた(しかもそれすら不十分だった)と猛省。なんとなく意識していたものを体系立てて認識できたのは大きな収穫です。
会議のマネジメントで語られていた「問いかけ方」については、見事なまでにアンチパターンを踏み抜いており、ただただ耳が痛かったです(メンバーのみんな、ごめんね……)。

「事業目線」の正体 〜3つのフェーズのCTO経験から見えてきた、EMが持つべき視点

  • 登壇者: sotarok 氏

■ ざっくり概要
ピープルマネジメントや技術選定は手段であり、EMの目的は「事業の成功」にある。「事業目線」を獲得するための3つのレベル(Lv.1 数字を知る、Lv.2 お客さまと隣接組織を知る、Lv.3 戦略に反映する)についてのお話。

■ 感想
「事業目線=エンジニアリングから事業の全体像への接続」という定義には強く同意します(偉そうに同意とか言っていますが、ここまで綺麗に言語化できていなかったと反省しています)。
Lv.1〜2についてはある程度実践できている自負があったものの、改めて振り返るとおろそかになっている部分も大いにありました。

特にぶっ刺さったのが、「明日の問題を解決するために、今日何をすべきか?」
今日のギャップを埋めるための意思決定にばかり奔走している人が多い、という指摘はまさにその通りで、自分自身の課題でもあります。
Lv.1〜2にしっかり向き合った上で、「明日の問題」を想定し、それを解決するための組織・事業のロードマップに落とし込んでいきたいと強く思いました。
そして、これを自分ひとりの目線に留めず、チーム全体が事業目線を持てるように「仕組み化」することが、今後の自分のミッションだと感じています。

スーパーマンに頼らない"分権型組織"で作る強い開発チーム

  • 登壇者: 三谷昌平 氏

■ ざっくり概要
組織規模の拡大に伴い、「誰がやるの?」となりがちな横断課題(保守運用やシステム負荷など)に対し、権限と責任を持たせた「委員会」を設置することで、問題解決力とスピードを劇的に上げた事例。

■ 感想
「人が増え、暗黙知や個人の主体性頼りになることの限界」は、痛いほどわかりみが深いです。
弊社でも、中身や目的は異なるもののエンジニア・非エンジニア問わず「委員会制度」のような取り組みを行っています。だからこそ、取り組み方や上手くいったこと、依然として残る課題など、実体験に基づくお話は非常に参考になりました。
今後も組織が拡大する中で「再び同じような課題に直面する」ことは確実なので、この分権型のアプローチや権限移譲の仕組みは、ぜひ自社でも参考にいただこうと思います。

「開発生産性」ではなく「事業生産性」こそが本質 ~ ROICで紐解く、開発の「稼ぐ力」の最大化 ~

  • 登壇者: 江副 廉人 氏

■ ざっくり概要
EMが向き合うべきは、「開発生産性」ではなく、投下資本に対してどれだけの利益を生むかという「事業生産性(ROIC)」である、というお話。

■ 感想
個人的にこの1年半ほど「開発生産性」や「開発の効率だけを追い求める落とし穴」と向き合ってきたので、ドンピシャなテーマでした。
序盤で丁寧にROICに繋がるまでの流れ(キャピタルゲイン、FCF、DCF、CAPEX、OPEXなど)を解説していただいたのですが、恥ずかしながらこの辺りの財務知識の理解が浅かったことを痛感しました。

生み出した機能が顧客価値に繋がっていなければ、見かけの生産性が上がっただけで本質的な事業生産性は上がっていません。一方で、細かい施策単位で厳密にROICを計算しようとすると、アジャイルな開発スピードとの両立が課題になりそうだな……などと考えながら聞いていたのですが、「エンジニアが事業に対して徹底的に向き合わない言い訳は多くある」という言葉でガツンと殴られた気分でした。

EMは「現場と経営を繋ぐ存在」。Howの効率化だけでなく、それが事業の稼ぐ力(Outcome)にどう直結するのかという財務・経営的視点を持つことが不可欠だという、力強いメッセージを受け取ったと感じています。
(そしてここまで固い内容ながら最後は「気合い」というのも最高でした)

EMからVPoEを経てCTOへ:マネジメントキャリアパスにおける葛藤と成長

  • 登壇者: yunon_phys 氏

■ ざっくり概要
EM → VPoE → CTOと役職が上がるにつれて襲ってくる「無能感」の正体は、能力不足ではなく「扱うべき『問い』の抽象度が上がり、性質が変化したから」であるという、キャリアと成長に関するお話。

■ 感想
自分はCTOやVPoEではありませんが、シニアマネージャーとしてのポジションの変化による「無能感(辛さ)」は日々死ぬほど痛感しているので、首がもげるほど頷きながら聞いていました。

特に、壁を乗り越えるためのアクションとして挙げられていた「体系的な知識をつける」という言葉が深く刺さりました。日々の業務の忙しさを言い訳に、そこから無意識に逃げていた部分があったと自覚させられました。
凄まじい重圧を感じながらも、「自分の器が組織のキャパシティになるヒリヒリ感」を楽しみ、ご自身も組織も成長していく姿は素直にかっこいいと思いました。自分ももっと精進しなければと勇気づけられました。


番外編:スポンサーブースでの気づき

セッションの合間にはスポンサーブースを回り、各社のAI活用やエンジニア採用についてお話を伺いました。
当たり前ですが、各社ともAI活用はしっかり推進している印象です。一方で、「AIとの付き合い方」や「今後のエンジニアのキャリア」については、各社とも明確な正解を持っているわけではなく、模索中(迷いがある)という生の声がたくさん聞けたのは、カンファレンスならではの収穫でした。みんな悩みながら進んでいるんだなと、少し安心した部分もあります。

まとめ

2026年のEmConfはマネジメントの手法だけでなく、「事業の成長に対して自分自身がどうコミットしていくのか」という根本的なスタンスを問い直される素晴らしい場でした。

自分自身の現在地を知り、足りない知識(体系的な理論や財務視点など)から逃げずに向き合い、「明日の問題」を解くための仕組みづくりに邁進していきたいと思います。

運営の皆様、登壇者の皆様、本当にありがとうございました!
来年も楽しみにしています!

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