はじめに
Oracle Cloud Database Migration and Integration 2021 Certified SpecialistはOracle Cloud Infrastructure(OCI)へ主にOracle Databaseを移行する際の知識やスキルを問うものになります。
OCIへ移行するシステムは色々と要件があるとは思いますが、やはり主として現在オンプレシステムにおいてOracle Databaseを利用しておりOCI上でOracle Databaseを引き続き利用したい、というケースが多いと思われます。
その際に、どのように移行していくのか、移行方法はどのようなものがあるのか、といった内容について認定される形となりますので、個人的にはとても重要なポイントだと認識してます。
Oracle Cloud Database Migration and Integration 2021 Certified Specialist 認定資格は、データベース・インスタンスを Autonomous Database や Oracle Cloud Database Service などの Oracle Cloud に移行するスキルおよびデータ統合を実装するスキルがあることを証明します。資格保持者は、要件とアーキテクチャを理解し、ソースおよびターゲット・データベース・オプションに応じて、RMAN、Data Pump、クローニング、SQL Developer、GoldenGate、Oracle Zero downtime Migration (ZDM)などの複数の移行方法を使用することもできます。認定資格の取得には、最新の研修コースの受講と、現場経験が推奨されます。
無事試験に合格したので、試験の概要と勉強方法をシェアしておきます。
試験の範囲
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Oracle の移行と統合
- Oracle Data Management と Oracle Data Integration の説明
- Oracle Data Management Services の説明
- 移行のユースケースとソリューションの説明
- Oracle Data Integration の説明
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RMAN、Data Pump および クローニングを使用したクラウド・データベース・サービスへの移行
- Data Pump を使用した Oracle Database から Oracle Cloud Infrastructrure (OCI) に移行するケースの説明
- PDB の切断/接続、リモート・クローニングおよび再配置を使用した OCI に移行するケースの説明
- Recovery Manager (RMAN) を使用した OCI への移行
- OCIに移行するためのユースケースの説明
- SQL Developer、Cloud Backup および GoldenGate を使用したクラウド・データベース・サービスへの移行
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分析および移行戦略(ソース・データベースと環境、Linux/Linux 以外、CDB、非CDB)の選択
- SQL Developer を使用した移行
- Oracle Database Cloud Backup Service を使用した OC Iへの Oracle Database の移行
- サードパーティ・クラウド上の Oracle Database の移行(サードパーティ・クラウドからの移行)
- GoldenGate を使用した OCI への Oracle Database の移行
- サードパーティ・アプリケーションの OCI への移行
- ソースおよびターゲット・データベースのオプション
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OCI のデータベースおよびターゲット・オプションの説明
- 各項目(ZDM サービス・ノード、ソース・データベース、ターゲット・データベース、バックアップ、ネットワークと暗号化に関する考慮事項)の前提条件の実装
- 移行評価に関する考慮事項(ダウンタイム、ネットワーク、データ制約(データベース・サイズ、文字セット、暗号化)、データベース制約(バージョン、エディション、オプション、リリース更新レベル、ブロック・サイズ、タイム・ゾーン、ターゲットDB構成)の分析
- Oracle Zero Downtime Migration (ZDM)を使用したクラウド・データベース・サービスへの移行
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Zero Downtime Migration (ZDM) の説明
- 各項目(ZDM サービス・ノード、ソース・データベース、ターゲット・データベース、バックアップ、ネットワークと暗号化に関する考慮事項)の使用準備
- データベース移行ワークフロー(ZDMコマンドおよびオプション、Oracle ZDMを使用した移行、トラブルシューティング、一般的な問題)の管理
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データ統合
- データ統合の ETL アーキテクチャと ELT アーキテクチャの説明
- オンプレミス・データベースから Oracle Cloud DB にデータを転送するためのアーキテクチャ・コンポーネントの分析
- チェンジ・データ・キャプチャ(CDC)を実装し、リアルタイム・フィード用に GoldenGate を活用
- Autonomous Database Warehouse (ADW) にロードするための Fusion SaaS アプリケーションの抽出方法の実装
- データ・フローの一部としてデータ品質チェック用のデータ統合マッピングの実装
- ターゲットにロードする前に、ハイブリッド・データ・ソース(データベースやファイルなど)からデータが結合されるデータ統合マッピングを実装
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Autonomous Database への移行
- データベース移行サービスを使用したオンプレミス・データベースの Autonomous Database への移行
- ZDM を使用したオンプレミス・データベースの ADB への移行
出題数と合格ライン
出題数と合格ラインは、2022/1/24現在では以下となってます (出典)。
55問
70%
つまり、39問正解すれば合格できるという事になります。
見直しマークを15個くらいに抑えられればOKというところでしょうか。
DBCS Specialist(55問/68%)と同等くらいですね。
勉強方法
公式のリソースはこちらになります。
- サービス別資料
- Oracle University - Become an Oracle Cloud Database Migration and Integration Specialist: 日本語
- OPN Seminar 資料
幾つか資料はありますが、Database Cloud Service VM/BM 技術詳細(70ページ~)で紹介されている移行方式と前提、ユースケース辺りをしっかり理解しておくこと、Oracle Data Integrator(ODI)の知識を技術詳細やOracle Universityの講座で固めておくのが重要だと考えてます。
ただし、現時点では日本語字幕を付けることはできますが、基本は英語です。
また、Oracle UniversityのコースはAutonomous DBのコースにも移行のシナリオがあるので、チェックしておいた方が良いと思われます。(こちらは日本語)
受験方法
試験自体は先ほどの Become an Oracle Cloud Database Migration and Integration Specialist: 日本語 をある程度完了すると、「Oracle Cloud Database Migration and Integration 2021 Specialist (1Z0-1094-21-JPN)」のRegister Nowを押下できるようになりますので、そちらを押下するとテスト登録に進めます。
テスト登録方法はOracle Cloud Infrastructure 無償学習プログラム 認定試験の無償受験方法を確認して進めましょう。
まとめ
最初にも記載しましたが、OCIを利用する上で最も重要な要件となるのはOracle Databaseの利用であり、現行で稼働しているOracle DatabaseをどのようにOCIに移行していくかはシステム移行での重要なポイントとなってきます。
特にダウンタイムの許容時間やバージョンアップの有無、データ量、回線そしてコスト等によって選択する手法が変わってきますので、各手法の制限とメリットをうまく当てはめていく必要があります。
こちらの資格を取得しておくことで、Oracle DatabaseのOCI移行を適切に設計して進めることができるというアピールになるかと思います。
日本語試験は試験監督の問題か、選択できる枠が少ないので、早めに枠は確保だけしてしまう事をお勧めします。
是非無料のタイミング(~2022/3)で資格を取っちゃいましょう!
余談ですが、Oracle Master系の資格でも、DB移行について体系的に問われたりすることはあんまりなかった認識です。