はじめに

この記事は、2024年7月に投稿した記事 SQLをmruby、mruby/c、Arduinoのソースコードに変換の完全版です。

RubyでSQLをmruby、mruby/c、Arduinoのソースコードに変換するツールを作りました。
最終的なソースコードは GitHub にあります。

このツールは RubyGems に公開しています。以下のコマンドでインストールできます。

gem install rossoc

使い方

例えば、SELECT din11 FROM mruby WHERE ((din1 = 0 AND din2 <= 1) OR din3 <> 9) のようなSQLは以下のようなコードに変換されます。mruby、mruby/cのCommon I/O APIに対応しています。

# SELECT `din11` FROM `mruby` WHERE ((`din1` = 0 AND `din2` <= 1) OR `din3` <> 9)

GPIO.setmode(11, GPIO::IN)
GPIO.setmode(1, GPIO::IN)
GPIO.setmode(2, GPIO::IN)
GPIO.setmode(3, GPIO::IN)

uart1 = UART.new(1)

while 1 do
  din11 = GPIO.read(11)
  din1 = GPIO.read(1)
  din2 = GPIO.read(2)
  din3 = GPIO.read(3)

  if ((din1 == 0 && din2 <= 1) || din3 != 9)
    uart1.puts("din11=#{din11}")
  end

end

この mruby コードは次のコマンドで出力できます。

rossoc query -i 'SELECT din11 FROM mruby WHERE ((din1 = 0 AND din2 <= 1) OR din3 <> 9)' -o test.rb

SELECTステートメントをサポートしています。
カラムには din1 から din20 と ain1 から ain20 を指定できます。dinはデジタルピン、ainはアナログピンです。
テーブル名には mruby と arduino を指定できます。

独自キーワード

独自キーワード RSLEEP を実装しています。RSLEEPの単位は秒で、指定した秒数分、処理を停止します。

rossoc query -i 'SELECT din11 FROM mruby WHERE ((din1 = 0 AND din2 <= 1) OR din3 <> 9) RSLEEP 100' -o test.rb

この mruby のコードを以下のようになります。

# SELECT `din11` FROM `mruby` WHERE ((`din1` = 0 AND `din2` <= 1) OR `din3` <> 9) RSLEEP 100

GPIO.setmode(11, GPIO::IN)
GPIO.setmode(1, GPIO::IN)
GPIO.setmode(2, GPIO::IN)
GPIO.setmode(3, GPIO::IN)

uart1 = UART.new(1)

while 1 do
  din11 = GPIO.read(11)
  din1 = GPIO.read(1)
  din2 = GPIO.read(2)
  din3 = GPIO.read(3)

  if ((din1 == 0 && din2 <= 1) || din3 != 9)
    uart1.puts("din11=#{din11}")
  end

  sleep(100)

end

同じく、 Arduino のコードは以下のようになります。

// SELECT `din11` FROM `arduino` WHERE ((`din1` = 0 AND `din2` <= 1) OR `din3` <> 9) RSLEEP 100

void setup() {
  Serial.begin(9600);
  
  pinMode(11, INPUT);
  pinMode(1, INPUT);
  pinMode(2, INPUT);
  pinMode(3, INPUT);
}

void loop() {
  
  int din11 = digitalRead(11);
  int din1 = digitalRead(1);
  int din2 = digitalRead(2);
  int din3 = digitalRead(3);


  if((din1 == 0 && din2 <= 1) || din3 != 9) {

    Serial.print("din11=");
    Serial.println(din11);

  }

  
  delay(100000);
  
}

生成されたソースコードをみると sleep というコードが追加されています。

仕組み

このツールはフロントエンドとバックエンドから構成されています。独自のIR(中間表現)を介してフロントエンドとバックエンドを接続しています。フロントエンドは、字句、構文、意味解析を実行します。バックエンドは、ターゲットのコードを生成します。

さいごに

実験的なツールのため予告なしに仕様変更することがあります。