さて、アイデア道場#0~ワークを通じて考えてもらいたいこと~ではアイデア道場を行う目的を話していきました。前置きが長くなってしまいましたが、早速ワーク流れを説明していきます。当日司会の方は、詳しくはスライドのスピーカーノートにあるのでそちらも参考にしてください。ここでは各ワークの行う意義を主に書いていきます。
こちらがアイデア道場のスケジュールです。
それではそれぞれお話ししていきます。
##チェックイン&イントロダクション
###チェックイン
これは参加人数によって変更がありますが、輪になって
1、名前 2、コース 3、今の気持ち(眠いとか笑)を話してもらいます。
みんなの前で自分のことを話すための準備体操のようなものです。
###目的共有/アイデア道場が目指すもの
アイデア道場を行う最大の目的は、みんなそれぞれがGeekでどのような3ヶ月を過ごすかを改めて考えてもらうことです。
それまでの、Geek入りたての時の気持ちは「プログラミングができるようになりたい」「将来に生かせたら」など、ほとんどみんな大差なくざっくりしているのではないかと初回面談などを通じて思いました。(もちろんそれも素敵な理由ですし、私もそうでした。)
詳しくはアイデア道場#0~ワークを通じて考えてもらいたいこと~で書いたことがほとんどなのでぜひ見てください。
##価値課題発見ワーク
###アイスブレイク/ポストイットde絵しりとり
これ、とても盛り上がります。
なぜこれをアイスブレイクに設定しているかといいうと
- ポストイットに描く心理的障壁を消す
- 考えたものがどうしたら他の人に伝わり、しりとりを続けることができるか考えて描く
- 決められた時間を意識する
この3点が、この後のワークに生きてくるからです。
もちろんグループのメンバーともここで交流を深められます。
###私の1日
自分(身近にいる誰かでも可)の1日を朝から夜まで時間軸に沿って書き出します。
意識してもらいたい大切なことは
- 質よりも圧倒的に量が大事
- その後サービスに落とし込むことを意識しない(現実的になりすぎない)
- 便乗大歓迎、誰かの意見を膨らますようにグループで考えよう
構成は三段階に分かれています。
①まずはじめに大雑把にどんなアクションを取っているのか考えます(行動)
↓
②そのアクションを取っている時、どんな気持ちなのかを考えます(感情/ポジティブ・ネガティブ)
↓
③それがどうしたら、ネガティブ→ポジティブにできるか、ポジティブ→moreポジティブにするためにはどうすればいいかを考えます(理想/解決策)
例をあげて考えます。
①Aさん:昼の12時に起きてしまった(行動)
↓
②Aさん:またやっちゃったよー、半日無駄にした(感情/ネガ)
便乗Bさん:ゆっくり寝れて嬉しい!あと半日もゆっくり過ごそう(感情/ポジ)
↓
③便乗Cさん:私も起きれなくて後悔すること多いや。自分の好きな声で起こしてもらいたいから、声で選ぶマッチングサービスとかあればいいなw(理想/解決策, ネガ→ポジ)
Aさん:無駄に寝た分を記録して自分を追い込むサービスとかもあり(理想/解決策, ネガ→ポジ)
便乗Dさん:寝た分成長する放置ゲーとかだったらもっと寝れそう(?)(理想/解決策, ポジ→moreポジ)
などなど、①のAさんの(行動)から他のグループメンバーが便乗し、たくさんの意見が出てアイデアを膨らますことができました。このように日常の些細なことでもアイデアは隠れていることがあって、意識しないとその時の感情は長くは続かず一瞬で埋もれてしまいます。だからこのワークを通じて、普段の生活を振り返ってもらいたいと思います。
##アイデア発散&収束ワーク
###ブレインライティング
####【テーマ設定】
先ほどグループ内ででたアイデアを参考にテーマを設定します。この時点では解決策となるサービスは考えられていなくて構いません。これから自分が深掘りしていきたいものを選択しましょう。
####【テーマに対してサービスを考える】
自分のテーマに対してどんな些細なことでもいいので、3つアイデアを出してみましょう。既存のサービスでも構いません。先ほど(理想/解決策)で出たものもぜひ参考にしてください。
####【グループメンバーのテーマに対してサービスを考える】
紙を隣に回してもらいます。そうすると自分の目の前には隣の人のテーマが書かれた紙があるはずです。次はこの目の前のテーマに対してサービスを考えてみましょう。なんでも構いませんが、大切なのはなるべく出たものは書かないということです。すでに出たものをプラスαさせたものなら大歓迎です。なるべく多くの方面からアイデアを出してみましょう。
####【自分の好きなアイデアに☆星を2つつける】
自分の手元に自分のテーマが書かれた紙が戻ってきたら、たくさんのアイデアが書いてあると思います。その中で2ついいなと思うアイデアに☆星をつけてください。自分のでも構わないし、他の人のでも大丈夫です。2つつけられたら再度隣の人に回し、自分のところに帰ってくるまでこの作業を繰り返します。
戻ってきた紙にはみんなの☆星が書かれてると思います。自分と同じものもあったかもしれないし、なかったかもしれません。このあとこの中からサービスを選択しますが、☆星が多いから選ばなくてはいけないということではありません。☆星はあくまで参考にしてください。
###アイデアスケッチ
こちらの用紙にアイデアを深掘りさせていきたいと思います。
右側は書いてある通りなのですが、左側の「絵」に馴染みがないと思います。これは、聞いてる人により理解してもらうためのアイデア補強です。描いた方が誤解を招く方もいるかもしれませんが(私はそっち派のタイプです笑)、自分のアイデアの整理だと思って描いてみてください。
ここで例を出します。IOSメンターのみさきが受講生時代に描いたものをこの用紙に当てはめてみました。
このみさきのアイデアスケッチが優れている点は、ユーザーがこの「SmartTrip」を実際に利用している様子がしっかりとイメージできる点です。それはターゲットが単なる「旅行者」ではなく「大人数での旅行を計画している人」と細かく考えられているからだと思います。また「しおり」という言葉を出し、今あるもので例えることによって今までになかったサービスも身近に感じることができます。「大人数での旅行を計画している人」と「しおり」という言葉で、まるで修学旅行な雰囲気で、仲良しグループの旅行を考えてる人たちが事前に情報を共有するためにこのサービスを使うのかな?と予測することができます。
ここまでできたら大したものですが、できればこのくらいを目指していきましょう!
###ペアブレスト
2人組になって1分間でプレゼンをしてもらいます。
(話し手)
1分はとても短いので、要点をまとめ,まだ形になっていないものを説明する必要があります。話し方は人それぞれだと思いますが、私であればまずターゲットの現状を話し(ここで共感されたら最高)、次にどうなっていたいのか理想状態を話します。そのギャップを埋めるためにこういうサービスを考えてみた、という流れで話します。
大事なことは聞いている相手を迷子にさせないということです。人は一瞬でも頭の中に「はてな」が浮かぶとその後の話はほとんど入ってきません。なので自分の話を相手の頭の中で再現してもらえるように話すことが大切です。
(聞き手)
以下のフォーマットを参考にフィードバックをお願いします。
これは**「Wish・Like法」**(私の大々先輩から教わりました)というもので、考えを聞いたときに否定から入らず,まずGoodなポイントを探し相手にしかない価値観を尊重します。その後相手もあなたの価値観は貴重なものなので、こうしたほうが自分はもっといいと思うな、と自分の考えを伝えます。
また、相手に質問するのではなく、できるだけたくさん自分の意見を伝える機会にしましょう。相手の中にあるものを引き出すのではなく、与えることに徹底しましょう。
###アイデアスケッチ修正
もらったフィードバックを参考に自分のアイデアスケッチを修正していきます。この後すぐに発表になるのでプレゼン構成などもここで考えられるとGoodです。
##発表
1人1分半で発表を行います。その後同じく1分半のフィードバックタイムとなります。ここでぜひやってもらいたいことは、拍手で発表を始め拍手で終わらせることです。初めましてのメンバーもいると思うので緊張するかもしれませんが、この長かったアイデア道場も最後です、楽しんで思いっきり伝えましょう!
##チェックアウト
こちらも人数によって変わってきますがチェックイン同様、輪になって今日の感想とこれからGeekでどう過ごしていきたいかを聞かせてください。(大変エモい話が毎回聞けて嬉しく感じています)
第1回目のアイデア道場の集合写真です。(2018.10.07)当時は初の試みでどんな風になるのかわからず、本当に受講生のためになっているのか?と、とても怖かったのを覚えています。しかしワークを進めていくにつれて、このワークが受講生にとって必要な時間だということを確信し、今後も継続して行いたいと考えました。
##ということで、まとめると
このアイデア道場では
- 自分だけが作れるものって何だろう
- 企画ってどういう流れで作っていくんだ?
- みんなからのフィードバックで気づく、自分が見逃していた部分って?
などなどがわかるワーク内容になっています。
それでは皆さんのご参加をお待ちしています!
長くなりましたがここまで読んでくださり、ありがとうございました。
【SpecialThanks】
角谷さん, 地引さん, あっちゃん, サンシャインさん, ももきょん, メンターの皆さん
このアイデア道場企画、開催にあたってたくさんの方にお世話になりました。ありがとうございました。
【参考資料】
NTTdata「アイデアソンの基本と成功させるポイント」
http://www.nttdata.com/jp/ja/insights/trend_keyword/2015052801.html
中田敦彦「僕たちはどう伝えるか」
伊藤羊一「1分で話せ」