はじめに
どうも、そらです。
私はデータインフラエンジニアとして、SQLの実装だけでなく、Excelを使ったテスト仕様書や証跡の作成も行っています。
Excel作業では、セルを選択してマウスを動かし、メニューから機能を探す操作が何度も発生し、実装より長い時間を取られる日もあります。
1回にかかる時間は数秒でも、毎日何十回も繰り返すと無視できません。
そこで最近は、できるだけマウスを使わずにキーボードだけでExcelを編集するように心掛けています。
この記事では、データ確認やテスト証跡の作成で、私が実際によく使っているショートカットを10個紹介します。
※Windows版のデスクトップ向けExcelを前提にしています。
※Excelのバージョン、言語、キーボードによって一部の操作が異なる場合があります。
まずは一覧
| ショートカット | 操作 |
|---|---|
Ctrl + ↓ / Ctrl + ↑
|
連続するデータ範囲の端へ移動 |
Ctrl + Shift + ↓ |
データ範囲の末尾まで選択 |
Ctrl + Space / Shift + Space
|
列全体/行全体を選択 |
Ctrl + D / Ctrl + R
|
上/左のセルをコピー |
Alt → H → B → A
|
選択範囲に格子状の罫線を設定 |
Alt → H → H
|
セルの塗りつぶし色を選択 |
F4 |
直前の操作を繰り返す |
Ctrl + F |
文字列や値を検索 |
Ctrl + H |
文字列や値を置換 |
Ctrl + ; |
今日の日付を入力 |
1. Ctrl + ↓:データの末尾まで移動する
何万行もあるデータを確認するとき、スクロールバーを下まで動かすのは時間がかかります。
Ctrl + ↓を押すと、現在のセルから連続するデータ範囲の下端へ移動できます。
反対に、Ctrl + ↑では上端へ戻れます。
実務で使う場面
- テストデータの最終行を確認する
- データが何行目まで入っているか確認する
- コピーしたデータの末尾に移動する
- 不要な空白行がないか確認する
ただし、途中に空白セルがある場合は、そこで一度止まることがあります。
「シートの最終行」ではなく、連続するデータ範囲の端へ移動する操作と覚えておくと安全です。
2. Ctrl + Shift + ↓:末尾まで一括選択する
Ctrl + ↓にShiftを加えると、移動するだけでなく、現在のセルからデータ範囲の末尾まで選択できます。
実務で使う場面
- 数式を最終行までコピーする
- データ列をまとめて削除する
- セルの書式を一括で変更する
- テスト結果の対象範囲をまとめて選ぶ
たとえば、先頭行に入力した確認用のExcel関数を最終行まで反映したい場合に便利です。
先頭セルを選択
↓
Ctrl + Shift + ↓
↓
Ctrl + D
この組み合わせだけで、数式をデータ末尾までコピーできます。
3. Ctrl + SpaceとShift + Space:列・行を丸ごと選択する
現在選択しているセルを基準に、列全体または行全体を選択できます。
-
Ctrl + Space:列全体を選択 -
Shift + Space:行全体を選択
実務で使う場面
- 確認用の列を削除する
- 列幅をまとめて変更する
- 特定の行に色を付ける
- 行や列を挿入する
- カラム単位で表示形式を変更する
列番号や行番号までマウスを動かす必要がなくなります。
4. Ctrl + DとCtrl + R:値や数式をコピーする
選択範囲の上端または左端にあるセルを、残りのセルへコピーできます。
-
Ctrl + D:上のセルを下方向へコピー -
Ctrl + R:左のセルを右方向へコピー
実務で使う場面
- 確認用のExcel関数を下まで反映する
- 同じ書式を複数行へコピーする
- 月別の表で、左列の計算式を右へ展開する
- TRUE/FALSEの判定式を大量のデータへ適用する
マウスでセル右下の小さな四角をつかみ、下へドラッグする必要がありません。
大量データでは、Ctrl + Shift + ↓との組み合わせが特に便利です。
5. Alt → H → B → A:表に罫線を引く
テスト仕様書や証跡では、表を見やすくするために罫線を付ける場面が多くあります。
対象範囲を選択してから、次のキーを順番に押します。
Alt → H → B → A
同時押しではなく、1つずつ順番に押します。
これにより、選択範囲へ格子状の罫線を設定できます。
実務で使う場面
- テストケース一覧を整える
- SQLの実行結果を表として見せる
- 修正前後の比較表を作る
- 証跡の確認範囲を明確にする
罫線メニューまでマウスを移動する回数が減るため、証跡を何枚も作るときに効果を感じます。
6. Alt → H → H:セルに色を付ける
対象セルを選択した後、次のキーを順番に押すと、塗りつぶし色のメニューを開けます。
Alt → H → H
その後は、方向キーで色を選択してEnterを押します。
実務で使う場面
- レビューしてほしい箇所を強調する
- OKとNGでセルを色分けする
- 修正したセルを目立たせる
- 証跡の期待値と実行結果を区別する
テスト証跡では、見た目をきれいにすることよりも、レビューする人が確認箇所をすぐ見つけられることが重要です。証跡については、こちらの記事で詳しく説明しています。
ただし、色を使いすぎると逆に見づらくなります。
強調する対象と色の意味を決めておくのがおすすめです。
7. F4:直前の操作を繰り返す
F4を押すと、実行可能な場合に直前の操作を繰り返せます。
たとえば、1つのセルに黄色を付けた後、別のセルを選択してF4を押すと、同じ色を適用できます。
実務で使う場面
- 複数の離れたセルに同じ色を付ける
- 同じ罫線を別の範囲にも設定する
- 行や列の挿入を繰り返す
- 同じ書式変更を複数箇所へ適用する
なお、数式の編集中にF4を押すと、直前操作の繰り返しではなく、セル参照の相対参照・絶対参照が切り替わります。
A1
$A$1
A$1
$A1
同じキーでも、操作中の状態によって役割が変わります。
8. Ctrl + F:目的の値をすぐに検索する
Ctrl + Fを押すと、検索画面を開けます。
データ量が多いExcelでは、目視やスクロールだけで目的の値を探すのは時間がかかります。
検索を使えば、コード、名称、エラーメッセージなどをすぐに見つけられます。
実務で使う場面
- 特定のコードが存在するか確認する
- テスト対象のデータを探す
-
FALSEやNGと表示されたセルを確認する - エラーメッセージが記載された箇所を探す
- 設計書内で特定のカラム名を探す
- 同じ値が複数箇所に存在するか確認する
たとえば、特定のテキストがテスト結果に含まれているか確認したい場合、シートを上から探すよりもCtrl + Fで検索した方が早く確認できます。
9. Ctrl + H:同じ文字をまとめて置換する
Ctrl + Hを押すと、検索と置換の画面を開けます。
同じ文字列を複数のセルで修正する場合、1件ずつ手作業で直すよりも置換を使った方が早く、修正漏れも減らせます。
実務で使う場面
- カラム名を一括で修正する
- 古いテーブル名を新しい名称へ変更する
- 全角スペースを削除する
- ハイフンやアンダースコアなどの記号を変更する
- テスト仕様書内の表記ゆれを修正する
- コピーしたSQLの一部をまとめて変更する
たとえば、設計変更によってカラム名が変わった場合、複数のテストケースを1件ずつ修正するのは大変です。
変更前:日付
変更後:年月日
このような場合は、Ctrl + Hを使うことで対象箇所をまとめて変更できます。
ただし、「すべて置換」は意図していないセルまで変更する可能性があります。
そのため、次の点を意識しています。
- 最初は「次を検索」で対象を確認する
- 置換対象のシートや範囲を限定する
- 置換前にファイルを保存する
- 置換後に件数や表示内容を確認する
特に、短い文字列や数字だけを置換する場合は注意が必要です。
たとえば、1を01へ置換すると、10や21など、別の値にも影響する可能性があります。
置換対象が一意になる条件を考えてから実行するのが安全です。
10. Ctrl + ;:今日の日付を入力する
Ctrl + ;を押すと、選択したセルへ今日の日付を入力できます。
実務で使う場面
- テスト実施日を記録する
- レビュー日を入力する
- タスクの更新日を残す
- 対応履歴へ日付を追加する
=TODAY()とは異なり、入力した日付は翌日になっても自動更新されません。
そのため、テスト実施日やレビュー日など、その時点の日付を固定して残したい場合に向いています。
私がショートカットを覚えた方法
10個を一度に暗記しようとすると、結局使わなくなります。
私は、普段マウスで繰り返している操作を1つだけ選び、その操作をショートカットへ置き換えるようにしました。
たとえば、次の順番です。
- まず
Ctrl + ↓を使う - 慣れたら
Ctrl + Shift + ↓を追加する - 次に
Ctrl + Dと組み合わせる - 証跡作成では
Altから始まる罫線・色付けを使う - 同じ書式を繰り返すときは
F4を使う
毎回「この操作はキーボードでできないか」と考えるだけでも、少しずつマウスを使う回数が減りました。
まとめ
今回紹介した中で、特によく使っているのは次の5つです。
-
Ctrl + ↓:データ末尾へ移動 -
Ctrl + Shift + ↓:データ末尾まで選択 -
Ctrl + D:数式や値を下へコピー -
Alt→H→B→A:罫線を設定 -
F4:直前の操作を繰り返す
ショートカット1回で短縮できる時間は、数秒程度かもしれません。
しかし、Excelで同じ操作を1日に何十回も繰り返す場合、その差は積み重なります。
すべてを覚える必要はありません。
まずは、毎日マウスで行っている操作を1つだけショートカットへ置き換えるのがおすすめです。